レジェンド・オブ・ゾロ : 映画評論・批評
2006年1月17日更新
2006年1月21日より丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系にてロードショー
華のある役者2人による明朗な娯楽アクション
ダグラス・フェアバンクス主演の無声映画や連続活劇は知らずとも、「宇宙家族ロビンソン」のパパ、ガイ・ウィリアムズがドン・ディエゴを演じたディズニーのTVシリーズ「怪傑ゾロ」に親しんだ身にとっても、「紅はこべ」やロビン・フッドの系譜に連なるこの義賊は、懐かしのヒーロー。
とはいえ、同じ黒覆面と黒マントに身を包みながらも、この最新版はクセ球でうならせる趣向。前作は、いきなり2代目ゾロ襲名の顛末が主題であり、今回の続編は、わんぱく盛りの息子を抱え、正義の味方と家庭のどっちが大事とヒーローが妻に迫られるドメスティック・コメディから出発する。
話の縦糸は、カリフォルニアの合衆国併合を決意する住民投票の成り行きを背景に、暗躍する欧州の秘密結社の陰謀と闘うため、再びゾロが立ち上がる冒険活劇。剣戟アクションの見せ場もたっぷりあり、お約束めいてはいるものの、コメディ場面が物語に緩急をつけ、明朗な娯楽作に仕上がっている。
そもそもバンデラスとゼタ=ジョーンズという華のある役者を起用したのに成功の因があり、前作に引き続いてメガホンをとった監督のマーティン・キャンベルもそつなくツボを押さえたものだ。
(高橋良平)