「師匠、申し訳ありませんでした。」セブン かぼさんの映画レビュー(感想・評価)
師匠、申し訳ありませんでした。
公開時、忙しくて劇場鑑賞できない時期で、初見はビデオ鑑賞だった。
エイリアン3で散々な目にあったフィンチャーの起死回生の作品で、当時から評判だったオープニングが素晴らしく、クリエイターのカイル・クーパー(名前を聞くとツインピークスをどうしても連想する)の仕事に感嘆した。
その仕事に負けず本編も、細部までこだわった設定、美術、照明、撮影、演者と凄いクオリティーだった。
カイル・クーパー以外の情報を入れずに見たので内容も強烈だった。
もちろんその鬱的結末にやられた訳だが、
序盤から隙のない演出と映像を味わいながら鑑賞したなかで、私にとってこの映画が只者では無い認定をして興奮したのは、ジョン・ドゥの住居にたどり着いたミルズとサマセットに真っ直ぐ伸びた廊下の先で、買い物の紙袋を持った人物(ジョン・ドゥ)がおもむろに銃撃するシーンでした。
このショットの瞬間、傑作認定しました。中々出来ない演出と構図とタイミングだったので、SE7ENと言えばまずここを思い出します。
その後のジョン・ドゥの出頭シーンにも度肝抜かれましたし、ドラマ『アンナチュラル』のあるシーンで「おーSE7ENやん」と野木亜紀子氏を知るきっかけにもなってます。
今回の初の劇場鑑賞、おまけにIMAXでつくづく映画は劇場大画面で観るものと痛感しました。
DVDも持ってるし何度も観てる筈なんですが、やはり情報量が違っててはっとする事が多かったです。
映像の細部まで再認識させられたのは勿論ですが、演者の細かい表情のダイレクトな伝わり方は、やはり劇場でIMAXだからだと思いました。
ただ今回1番驚いたのは、エンドロールで流れるDavid Bowieの『The Hearts Filthy Lesson』で、いつも鑑賞時に本作内容のヘビーさに引きずられて聞き流してたのか、Bowieの曲と認識してませんでした。
確か収録アルバムの方を先に聴いてるにもかかわらず、全く今回まで結びついてませんでした。
おまけにアルバムコンセプトも猟奇殺人で、それも知ってる筈なのにです。
心の師の1人のDavid Bowieには空に向かって謝りました。
そんなこんなで、
やはり映画は映画館で観るべきだと本当に思いましたし、私の中のこの作品の評価も上がりました。
初見を劇場で観ておきたかったと後悔した次第です。
共感ありがとうございます。
やはり大画面は良いですね、こういう時こそIMAXの出番でしょう。ミルズ宅の飲み、コップにワインを注がれたサマセットに気付く事が出来ました。