「後10日 今も鮮明に覚えている黒煙」ユナイテッド93 foolさんの映画レビュー(感想・評価)
後10日 今も鮮明に覚えている黒煙
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9.11、まさにその日、ニュースで流れる映像を映画の撮影か何かだと、現実として考えられなかった事を思い出す。
旅客機が、ビルに突っ込むなんて、まさか…現実ではない
と、頭が否定していた。
無人ではない高層ビルの上部が破壊され、黒煙を上げていた。
テロどころか、地震や災害の被害からは無縁の人生を生きてきて、全てはテレビ画面の中だけのもので、出来る事と言えば募金程度。
しかし、9.11は災害ではない。
テロという危機に対し、あらゆる経験値を有するであろうアメリカという国ですら、成す術も無く甚大な被害を受けた。
旅客機の中で、絶望に苛まれ、家族に最後の言葉を告げ
WTCの被害を知って、阻止する為に立ち上がった乗客・乗員の勇気には言葉すら浮かばない。
キャストは、乗客に似た俳優を起用し、家族にインタビューを行い、可能な限り現実に近づけた映画だという事で、それ故に内容もドキュメンタリータッチで、緊迫感が凄い。
何度か見ているが、敵対する局面での双方の緊張が伝わってくる映像は流石である。
管制室や軍部の混乱からも、如何に戦闘に慣れているとは言え、未曾有の事態には連携すら機能しなかった様子が浮かび上がっている。
ラストの暗転。
更にドキュメンタリーに近付ける演出なのだろうか
毎回心臓を鷲掴みにされたような感覚を覚える。
9月となり、再視聴
このような恐ろしい事が、もう二度とこの地上で起きない事を心から願う。
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