劇場公開日 2000年9月9日

「勇気がもらえる一本でもあった。」U-571 talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0勇気がもらえる一本でもあった。

2024年2月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
「マッツオーラの遺体に救命胴衣を着せて、三番発射管に入れろ。」
「捨てるんですか?」
「彼に助けてもらうんだ。」

「潜水艦モノにはずれなし」…とは、よく言ったものだと思います。評論子は。まさに至言です。

たぶん、その感慨は、空間的にも、また武器・弾薬の物量も限られ、それゆえ心理的な圧迫も並み大抵ではないであろう艦内で、知恵と勇気の限りを尽くす戦闘というシチュエーションから、よって来るものと思います。

本作も、暗号機「エニグマ」を敵潜水艦から奪う作戦に従事した連合軍の兵士たちが、ひょんなことから、ジャック(占拠)せざるを得なくなった敵潜水艦は、もちもん、艦内の表示は、すべてドイツ語。
深度計の目盛りだって、連合軍の艦はポンド・ヤード法の表記なら、ドイツ艦はメートル法の表記。
連合国軍兵士の目から見れば、ほとんど「何じゃあ、こりゃあ。」の世界だったことと思います。

しかし、そこのところは「餅は餅屋」。
そんな窮地にもかかわらず、見事な操艦で無事の生還を果たすまでの奮闘に、胸が熱くなりました。

限られた条件下で最大の結果を求められることは、世上でもままあること。
同じような境遇に立たされたときに、その戦いぶりが意識的に、あるいは無意識的に思い起こされて、勇気がもらえる一本のかも知れません。本作も。

その例に洩れない一本で、いわば「殿堂入り」として、DVDディスクをコレクションに加えることにした一本にもなりました。評論子には。

男たちの奮闘ぶりを、余すところなく描いた一本として、秀作であったと思います。

talkie