劇場公開日 2000年9月9日

U-571 : 映画評論・批評

2000年9月1日更新

2000年9月9日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー

窒息寸前! この臨場感をただ味わえ!

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第二次世界大戦下の潜水艦とは、それだけでサスペンスフルなドラマを生む「劇場」だ。息の詰まるような極限状態に、拍車をかける危機また危機。そのなかでスパークする男のプライド、心のぶつかり合い……。こういった、潜水艦映画ならではの熱いエレメントを、見事に昇華させた娯楽アクションがこれだ。

とにかく観客を飽きさせない。敵国ドイツのUボートに敵を欺いて乗り込み、その暗号機エニグマを奪取すべく、闘う男たち。死と隣り合わせの状況で、若き副艦 (M・マコノヒー) がたどる心の軌跡。彼が「理解してくれない」と思いこんでいた艦長 (B・パクストン) の愛情に気づき、成長していく人間ドラマもドーンと心に響いてくる。

ジョナサン・モストウは、サービス精神とバランス感覚に富んだ監督である。彼は「潜水艦映画」に敬愛を捧げ、リアルな描写でライド感、緊迫感にこだわりつつも、独りよがりな方向には行かない。観客を楽しませること、エンターテインメントに徹している。その潔さ。つまり、登場人物と同じく、自らのミッションを正しく理解し、判断する力量に恵まれているのだ。モストウ艦長を信じて、いざ「U-571」に乗り込むべし!

若林ゆり

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