劇場公開日 2000年9月9日

U-571 : インタビュー

2000年9月1日更新

マシュー・マコノヒーインタビュー

文/中山治美

写真/金澤篤宏

「僕は忍耐強いタイプなんだよ(笑)」

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金髪のクルクルヘアで来日したマシュー・マコノヒー。お世辞にも似合っているとは言えない。ハッキリ言えばダサい。ちょうどジェニファー・ロペスとの共演作「ウェディング・プランナー」を撮り終えたばかりで、その役作りのための髪型なのだという。

このマシューに幻滅したファンの方、ご安心を。新作映画「U-571」は第2次大戦中、ドイツが誇る暗合器「エニグマ」を奪うことを命じられた米国海軍の物語。タイラー大尉を演じるマシューの髪型は坊主。海軍の衣裳に身を包み、帽子をキリリとかぶった二枚目バージョンのマシューが登場する。

「坊主は結構気に入ったよ。だって髪の手入れがラクなんだもん(笑)」

密室劇の男のドラマである。狭いセットの中で繰り広げられる、緊張の連続のシーン。その5ヶ月間に及ぶ撮影は、忍耐が必要だったという。昨年、夜中に大麻を吸いながら真っ裸でボンゴを叩き逮捕されるという通称“ボンゴ事件”を起こしてしまったマシュー。そんな彼に忍耐はあるのか?

「確かに狭い空間で緊張を保つのは、クレイジーだった。でも僕はこう見えても忍耐強いほう。ランナーに例えれば、長距離マラソン・タイプだから大丈夫。撮影直前にはテンションを上げるために、皆でランニングやレスリングをして汗びっしょりになってから撮影に臨んだんだ。一応、劇中でも僕がリーダー役だから、カメラが回ってない時でも僕が率先して声をかけるようにしていたよ」

待ち遠しい監督デビュー

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そんな彼は役者の意外の顔を持つ。テキサス大学時代は監督を目指して映画論を学び、最近も女優サンドラ・ブロック製作の映画「Making Sandwiches」の製作準備に協力した。俳優として映画に出演する度、その監督から何か学べるものはないかと、探索しているという。

「(ジョナサン・)モストウ監督から学んだもの……、う~ん、そうだなぁ(と1分考える)。監督というのは、自分が知っていることすべてを俳優に伝えなくてもいい、ということかな。監督が抱いている不安や情熱を、すべてさらけ出す必要はないんだよね」

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今後、演出を学んでみたいと思う監督を尋ねると、ショーン・ペン、コーエン兄弟、デビッド・フィンチャーらの名前が帰ってきた。もちろん自身がメガホンを取る企画も考えているという。

「監督するなら、自分が非常によく知っているジャンルの話をやろうと思うんだ。70年代、テキサス州で成功した石油王を巡る家族の話。もう一本が、ディズニーのGレーティングのような映画で、黒人少年が偉大な漁師に成長する話。その少年がある一匹の魚を追い求めるんだ。ちょうど『老人と海』のような感じだね」

これはかなり具体的な話である。監督デビューもそう遠くはないようだ。 「ところがあらすじは出来てるんだけど、脚本はまだ一行も書いてないんだ(笑)」

第二次世界大戦下のヨーロッパ戦線。ドイツの高性能潜水艦U-571に搭載された暗号器「エニグマ」に翻弄されていた。局面を打開するため、米海軍は、自軍の潜水艦をUボートに偽装し、北大西洋上に停泊中のU-571を奇襲、「エニグマ」を奪取するという作戦に挑む。

9月9日、日比谷映画ほか東宝洋画系にて公開

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マシュー・マコノヒー

Matthew MacConaughey

1969年アメリカ、テキサス生まれ。大学在学中に「バッド・チューニング」でデビュー。サンドラ・ブロックと共演した法廷ドラマ「評決のとき」(96)で脚光を浴び、「コンタクト」(97)で、ジョディ・フォスターと共演を果たした。

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