トゥームレイダー2 : 映画評論・批評
2003年9月16日更新
2003年9月20日より日劇1ほか全国東宝洋画系にてロードショー
今度のララは自分の意志で突っ走る
アクション・ヒロインとして、華麗なデビューを飾ったララ・クロフト=アンジェリーナ・ジョリー。続編は、ララをより美しく、よりパワフルに描きつつ、さりげなく新世紀の理想の女性に高めている。事件に巻き込まれて戦いを強いられた前作から一転、今度のララは、全編自分の意志で突っ走る。元カレに協力を求め、2人の関係が再燃しそうになっても、一時の恋を楽しんだりはしない。また、どこの国にも友人がいて、現地の言葉で親しく話す。真摯さと芯の強さ、そして確かな国際意識を持った女性として描かれているのだ。
しかし、ララのリアルな生きざまにこだわるばかり、バリエーションは豊かだが、現実的なアクションでたたみかけ、息を抜く間がないのが残念。ギリシア神話で女性が開けた“パンドラの箱”をめぐる因縁や謎解きの妙、ロマンを駆り立てる神秘性も薄められてしまった。唯一、ララが超自然現象に見舞われる“生命のゆりかご”も、映像はユニークだが、説明不足で秘められた意味がわからない。
とはいえ、顔のアップが多かった前作に対し、今回はアンジェリーナの全身をたっぷり映し、アスリートのように美しい彼女の身のこなしが堪能できる。それだけで十分かも?
(山口直樹)