素晴らしき哉、人生!のレビュー・感想・評価
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I wanna live again
毎年クリスマス前には観ることと決めている。若かりし日の初見時は、明るいハッピーエンドが印象に残ったが、それだけ。中盤の描写が少し冗長に思えたのもあるが、それ以上に、後半の深い絶望や資本に絡め取られた世界の闇の濃さを理解できなかったからであろう。三度目くらいからこの映画全体に通底する愛情の深さに触れることができ感動を覚えるようになった。今では冒頭の祈りのシーンから涙無しに見れない。
それまでも名作を数多く生み出してきたフランク・キャプラ渾身の深い人間愛とその信頼が作品を通して一貫している。誠実で善良な主人公ハリー・ベイリー(ジェームズ・スチュアート)の「もう一度生きたいんだ(I wanna live again)」は、映画屈指の名台詞であるどころか、凡ゆる、挫折に苦しみ絶望を歩んでいる人々の心に響き渡る、最高の言葉でる。そして家族と友こそは最大の財産である。身近な人々皆を大切にして生きていきたい、この映画を観た全ての人間にそう思ってもらいたいと思うような、古き良きハリウッド映画最高峰の作品である。
映画で泣いた。
フランク・キャプラ監督の魔法‼️
こういうエンドも、いいね
さて、終焉を迎えつつある資本主義の次の姿は?勿論、新しい経済理論が必要
主人公が行っていた金融業は、現代の『サブプライムローン』だ。
1930年代の話なので、金融恐慌の真っ只中。
この主人公が生き残れる訳が無い。
さて、最後は正に『クラウドファンディング』。
つまり、この映画の描くところは資本主義の矛盾に翻弄される人生を意味しているのかもしれない。
共感できるのだが、不確かな上に、この家族が『共和党支持者』だと、壁にかけられた『リンカーンの肖像画』から理解できる。
つまり、共和党支持者の資本主義に於ける『経済的バブル』の対処方法と言った所。
この映画は75年前の映画。現代の姿をズバリ言い当てていると感じた。つまり、大団円はあり得ない寓話であるからだ。
さて、終焉を迎えつつある資本主義の次の姿は?勿論、既存の経済理論では無いと思う。
(生きる)を感動的に描いたキャプラ監督が贈る、こころ温かいクリスマスプレゼント
アメリカ映画で最もユーモアに溢れハートウォーミングな作品を手掛けたフランク・キャプラ監督の最後の傑作。1945年のクリスマスイブ、ニューヨーク州の田舎町ベッドフォールズを舞台にしたこのファンタジードラマは、父親が経営する住宅金融会社の縛りから抜け出せず、夢である海外旅行や都会への大学進学を諦めざるを得ないジョージ・ベイリーを主人公とする。実直な父親と優しい母親の温かい家庭で育ち、弟想いの素直な青年ジョージは、次々と襲われる不幸や災難に挫けることなく身の丈に合った家庭を作り、最後は人生を悔いることの無い幸福感に包まれて、最高のクリスマスを迎えます。一時は絶望の淵に落とされるも、天から見守る大天使のご加護により物語は展開する。キリスト教の教えに沿ったストーリーにクリスマスの背景が重なる、ハリウッド映画ならではの良心作として、後世に語り継がれる名画であろう。クリスマス映画のもう一本の代表作である「三十四丁目の奇蹟」がサンタクロースを題材にしたのに対して、この作品では翼の無い二級天使が活躍するのがユニークであり、そのどこかトボケタ小父さん風の天使クラレンスとジョージが絡む場面が面白く、そしてジョージの存在しない仮想世界の描写の怖さが衝撃的である。
フィリップ・ヴァン・ドーレン・スターンの原作をキャプラ監督含め3名で創作した脚本が素晴らしい。卒業記念パーティーのダンスホールがプールの上に設定されていて、ここでジョージとメアリーの恋の始まりをドタバタ劇として見せて、月夜のランデブー宜しくも滑稽に描いている。近所の御節介おじさんがキスを強要するところなんて、観客の思いを代弁した可笑しさがある。弟ハリーの結婚に心から祝福できないジョージの気持ちを察して、ふたりの母親が仕組むジョージとメアリーの場面では、メアリーの母親のワザとらしい言動が絶妙に絡む。同時に受話器を持つジョージとメアリーが顔を近づけ、堪らずキスをするまでの脚本と演出が流れとして解っていても心地よいのは、キャプラ監督の手腕である。その他、末娘の花びらの使い方、酒場で殴られたジョージの唇から流れていた血が消えるカット(つまり濡れた衣服が乾いたという台詞だけではない見せ方の巧さ)、『トム・ソーヤの冒険』の本の伏線、ジョージの宅地開発を共同墓地と対比させる展開で見せるハリーの墓碑、メアリーに拒絶されてからバート警官から逃げるように辿り着く橋の場面で神に祈るジョージに降り注ぐ雪の効果と、細部に渡るまで分かり易く丁寧に描かれ構成されている。
主演のジェームズ・スチュアートは、「スミス都へ行く」でも絶体絶命の境地から逆転の若き国会議員を熱演していたが、今作では奥手の好青年が窮地に追い込まれる苛立ちや絶望感を見事に演じている。正統派美女ドナ・リードの落ち着いた演技も好感高く、スチュアートとの夫婦役の相性もいい。お人好しでドジな叔父ビリーを演じたトーマス・ミッチェルは役に嵌り流石の手慣れた演技。愛嬌のある天使クラレンスのヘンリー・トラヴァースもベテランらしい味のある演技で難役を熟す。特筆すべきは、名優ライオネル・バリモアが演じたヘンリー・ポッターの悪役振り。金儲けしか興味がない富豪の堅物は、スチュアート演じるジョージとその存在感で五分に対立しなければお話が面白くない。善意だけでは世の中生きて行けない現実の視点を組み込んだポッターの人物表現として最良の演技と貫禄を見せる。
アメリカ映画の監督では、個人的にジョン・フォードやチャールズ・チャップリン、エルンスト・ルビッチと並んで敬愛するフランク・キャプラだが、一番最初の記憶は中学時代に日曜洋画劇場で観た最晩年の「ポケット一杯の幸福」だった。特に感動は無く、優しいお話だけの感想を持つ。一気に虜になったのは「或る夜の出来事」に出会ってからで、その後「オペラ・ハット」「我が家の楽園」「スミス都へ行く」「群衆」「毒薬と老嬢」と観て来て、どれもが楽しく面白く、また感動的なストーリーと演出に惚れ込んでしまった。この戦前戦中の傑作と比較すると、この1946年作の「素晴らしき哉、人生!」のアメリカ公開時の評価と興行成績、及び8年後の日本公開での評価が芳しくない。キネマ旬報のベストテン選定では、今では考えられない扱いの35位に止まり、殆ど無視されている。淀川長治、双葉十三郎、清水千代太、植草甚一各氏など私が尊敬する批評家も選出していない。戦後に現れたリアリズム映画の隆盛の影響を受けた結果であろうか。その後クリスマスシーズンに恒例のようにテレビ上映されて、認知されると共に愛される映画の不動の地位を占める。しかし、この好意的評価は、キャプラ監督が亡くなった後の21世紀になってからである。そこがとても口惜しい。我が生涯で好きな映画のベストの地位は不動になっています。また正当な評価の点で悔やまれるのは、「群衆」も同じである。
もうキャプラ監督のような職人肌の映画監督はアメリカ映画には現れないと思う。生きることに悩み挫けそうになっても、生きていればきっと頑張っただけのいいことがあると勇気付けてくれる映画の希少価値と共に、キャプラ監督の功績に感動と畏敬の念を強く抱かされるのです。
戦後、ジミー・スチュワートの初の映画に疑問?
クリスマスに観た。
この「素晴らしきかな人生」と「ホワイト・クリスマス」はハリウッド・クラシックの中で人気があるクリスマス映画かもしれない。この監督の映画はこの映画を含めて数本観ているが、どれもレビューを書いたことがない。もう一度、観て書いてみる。
或る夜の出来事 It Happened One Night (1934)
オペラハット Mr. Deeds Goes to Town (1936)
失はれた地平線 Lost Horizon (1937)
我が家の楽園 You Can't Take It with You (1938)
スミス都へ行く Mr. Smith Goes to Washington (1939)
私はこの「素晴らしきかな人生」を何度か観ているのであらすじ的なコメントは控える。他の方のコメントの方がマトを得ているし、ずうっといい。私の興味を持ったのは主演ジミー・スチュワートである。彼は戦前戦後とも有名な米国俳優でクラーク・ゲーブル。カーク・ダグラスなどと並んで人気を博した。
1940 年の制作の「桃色の店」をみた後、1946年の「素晴らしきかな人生」を観た。両方とも主役はジミー・スチュワートである。この6年の間は、第2次世界大戦がある。彼は軍のパイロットでもあるからこの間、戦争に参加していると思う。1940年に3本映画をとって、その後、戦争でパイロットそして、「素晴らしきかな人生」を撮影しているようだ。もっとジミーについて読んでみないとわからないが、プリンストンを卒業した優秀な戦闘機のパイロットだということは知っている。
私の疑問はなぜ、ジミーの表情が全く別人のようになったのかということだ。彼の初期の表情や「桃色の店」の映画では彼の目つきはちょっとライアン・ゴスリングのような優しい目をしている。しかし、「素晴らしきかな人生」では、大声を張り上げるシーンばかりではなく妻や子供や人に対して、微笑みかける笑いがとても険しくなっている。これに私は驚いてしまった。6年おいて撮影した同じ主演の映画をみているから、こう感じたのかもしれない。戦中爆弾を落としたり、狙撃して人を殺したり、町を破壊したり、連合・枢軸国の悲惨さを経験しているんだから、俳優に戻っても、心の傷は簡単に癒せないだろう。
後で、もっと調べて付け足したい。
タイトル通り!だと気付けば幸せに!!
2012年10月第三回午前十時の映画祭にて
どれほど時が立ち、技術が進歩して新しいものができようとも、人の心に残り続けるべきものは残るのだというお手本。
いい人には幸せになってほしいし、努力や苦労は報われてほしいし、そんな風に思える人間でありたい。
素晴らしかった。
味わい深い大人の癒しメルヘン
切羽詰まってお先真っ暗、
ビルの屋上から飛び降りよう、
なんて気持ちになったら、
やりきれない、やってられない、
そんな気持ちになったら、
もう居直ってこの映画を観よう。
やさしく、なんとかなるさ、
周りが暖かく最後の最後は助けてくれる
クリスマスには何もかも救われ、家族、
昔からの友人知人に囲まれハッピーエ
ンドという映画。
所詮、映画は夢の世界、辛い時、辛い映画を観るよりも建設的。幸せが伝染して
幸せになれるかも知れない。
今日も守護天使が見守ってくれている。
まず、娘に「白黒映画観てるなんて映画オタクじゃん」
と言われました。嬉しかった。
世界を冒険したいジョージだけど、
タイミング悪く、行けそうな状況になると町に留まる
理由が出来てしまう。
そして、やがて会社を持ち家族を持ち。
地元から動けなくなる。
この状況は現代の僕らも一緒だと思う。
若い頃に描いた夢は、いつか夢のままになり
こんなはずじゃなかったのに…
と思いながら生活を送っているなんて事はよくある事。
ジョージも仲間や街の人のため愛する妻のために
働くのだけど、
終盤一つのミスで、こんなはずじゃなかった。と
心の中で燻っていたものが出て来て、
自分の人生を終わらせてしまおうと思う。
ここからが素晴らしかった。
一つの失敗で人生どん底だと思っても、
貴方の人生は素晴らしい。
たった一人の人生だけど、
大勢の人生に関わってる事を分からせてくれる。
しかも、それを分からせてくれる、
ジョージのいなかった世界の話は20分あるかないか
じゃないだろうか?
今までの人生が伏線になっているからと言うのも
あるけど、見事でした。
そこからはもうジョージの生き生きした顔を
観てるだけで気持ちが良かったです。
いつの時代にもこう言う映画が
心の支えになってたと言う事がなんだか嬉しい。
元気がなくなったらまた観ようと思います。
リメイクもしてほしいなぁ。
最高のクリスマス映画になりそうだけど。
幸せな気分になれます
サムからの電話を二人で寄り添って耳を傾けるシーン。その後の展開を期待させてくれて、とても好きなシーンです。
また、人生に絶望した時に、天使が自分が生まれていない世界を見せます。主人公の人生を肯定して、生きる希望を与えてくれます。そして、ラストは皆さんの優しさに包まれて、幸せな気分になれます。
少し気になるのは以下です。
・8000ドルを無くした絶望感があまり分からない。会社が倒産したり、会計が不一致が犯罪になるのかもしれないが、その深刻さがイマイチ伝わりません。
例えば、主人公が自分のせいでお金を失くし、おじさんから会社がないと生活できないと責められ、やつ当たりされた妻から家を追い出されるぐらいの方が絶望感がある気がします。
以上
天網恢々租にして漏らさずな映画。
内容は、主人公ジョージ・ベイリーのクリスマスイブに起こる奇跡の話。舞台は第二次世界大戦後のアメリカ。自分の幸せより他人の幸せを祈り行動するジョージに起こる出来事。 印象的な言葉は『金に取り憑かれて魂まで吸われている』超大国となったアメリカの痛烈な資本主義批判は伝えたかったメッセージの一つの様な気がしました。 『お父さんは立派な人だよ』は父との最後の会話で鏡映しに自分に降りかかる魂が救われた一言でとても感慨深い。 『生まれてきて後悔している』誰しもが本当に上手くいかない時、考えが浅い為に思った事があるかもしれない身近に感じる言葉でした。 好きな状況は、自分が居ない世界線を表現したメタバース的な似た様な別の世界です。主人公の家で絶望的な状況の中クリスマスツリーを飾る時にベツレヘムの星を手にしてる辺り『星に願いを』って感じが上手かった。 ホワイトクリスマスはアメリカにとっても特別でカラーで見れれば白と赤が映えるだろうな。当時はマイホームも夢の代名詞。夢を応援する仕事に従事し皆んなの幸せの為に行動して来た主人公が最後には皆んなに夢や幸せを応援してもらう立場になるなんて観ていてこっち迄嬉しくなりました。最後の問題解決部分は分かっていても感動を呼ぶ素晴らしい作品でした。
タイトル通り、まさに、素晴らしかな、人生!
生きる悦び
自身の夢を諦め、父親が経営していた住宅金融会社を継ぐジョージをジェームズ・スチュワートが、苦労人の彼を愛情深く支える美しい妻メアリーをドナ・リードが演じる。
苦悩するジョージに、家族への愛、生きる悦びを気付かせる、翼の無い二級天使クラレンスを演じたヘンリー・トラヴァースのユーモラスな演技が絶妙。
ラストの輝くような笑顔溢れるシーンに魅せられた。
ーもう一度生きたい
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
一言「人生楽ありゃ、苦もあるさ〜」
ぶっちゃけいうと、2時間10分程の尺で。
前半1時間ちょっとは「主人公・ジョージの浮き沈み人生、全部見せます」。
なので、上がったり下がったり大変だけど。さほど言うほどではなあ・・・。
と思った自分に喝!。
冒頭に神様と天使の会話が入ってて。
やっと終盤、その「羽がまだない、2級守護天使」が、ジョージの前に登場。
ここからが面白かった。
ここまでの「全部見せます」が、ひっくり返っていく場面。
「一人の人生は、大勢の人生に影響を与える」。
それであんなにクドイ(失礼)シーンが多かったのね・・・。
人を見送るばかりで、ずっと地元にとどまった主人公。
なんだかちょっと、自分にも重なったりして。
クリスマスじゃなくてもいい、ちょっと落ち込んだ時に。
元気になれる作品でした。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「乾杯!この町で最も、豊かな人に」
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