スティーブ・マーティンの四つ数えろ
1982年製作/88分/アメリカ
原題または英題:Dead Men Don't Wear Plaid
スタッフ・キャスト
- 監督
- カール・ライナー
- 製作
- ウィリアム・E・マッキューン
- デビッド・V・ピッカー
- 脚本
- カール・ライナー
- ジョージ・ガイプ
- スティーブ・マーティン
- 撮影
- マイケル・チャップマン
- 音楽
- ミクロス・ローザ
1982年製作/88分/アメリカ
原題または英題:Dead Men Don't Wear Plaid
米コメディ界の伝説カール・ライナー氏死去 息子ロブ・ライナーがコメント発表
2020年7月5日①「衣裳」がイーディス・ヘッドとあったのでへぇ~っと思った。確かにレイチェル・ウォードの衣裳など彼女らしいエレガントさ。でもこれが遺作だったんですね。RIP ハリウッドで最も偉大なデザイナー。
②やっと観れた。
③40年代ハードボイルド映画/フィルムノワールのfemme fataleを思い起こさせる髪型や衣裳のレイチェル・ウォードは美しいが(でも横顔がも一つなのが分かってしまった)、ハリウッド黄金期の錚々たる美女達が特別出演するのでちょっと分が悪いかな。でも逆に出演する勇気を称えるべきかも。
何せ、若きエヴァ・ガードナーに始まってベロニカ・レイク、イングリッド・バーグマンにラナ・ターナーが最盛期の美しさで登場、更にバーバラ・スタンウィックに、ベティ・ディヴィス、ジョーン・クロフォード(このお二人は女優としてはともかく美しさという点では盛りを過ぎた時期の映画でしたが)。うわァである。
男性スターも、アラン・ラッド(若い頃はこんなに男前だったんだ!)に始まってレイ・ミランド、カーク・ダグラス(若!)、フレッド・マクマレイ、そしてハードボイルド映画と云えば忘れてはならないハンフリー・ボガート、劇中では“二枚目”としか呼ばれないが、この人なら誰もがその呼び名に納得する若き日のケーリー・グランド、しぷいところではジェームズ・キャグニィにチャールズ・ロートン、そしてピンセント・プライス(この人、悪役や怖い役が多いけど結構男前なんだよね)。壮観である。
④『汚名』『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(ラナ・ターナー版)『深夜の告白』『殺人者』『大いなる眠り』は観といて良かった。
『断崖』『失われた週末』『拳銃貸します』『ユーモレスク』『白熱』『潜航者』『私は殺される』は配信で観れますね。
でも『Johnny Eager』『The Bribe』『The Glass Key』は日本ではもう観れないだろうなァ。
どこか配信してくれ。
⑤本編の方にも40年代のハードボイルド映画/フィルムノワールのパロディが多いのだが、それも含めて一本のハードボイルド映画として良くできているか、或いは良くできたコメディだったら最高だったのだが、如何せんこれが宜しくない。
ハードボイルド映画としては、スティーヴ・マーティン扮する探偵は自分で手掛かりを追っていくのではなくて、何故かレイチェル・ウォード扮する依頼人が小出しに出してくる手掛かりを追うだけ。追うのは良いが殆んど中途半端に終わってしまう。最後、敵のアジトが分かるのも別途調査を頼んだマーロウが突き止めてくれたおかげ。(ホント、探偵か?)
コメディとしても笑えない。唯一笑えたのは『深夜の告白』のバーバラ・スタンウィックそっくり(後ろ姿だけだけど)に女装した時だけ。
真相は、背後にナチのアメリカ壊滅という壮大な陰謀があったというものだが、伏線は何もなかったしハードボイルド映画やフィルムノワールにしては真相が壮大すぎやしないか。007じゃあるまいし。
⑥ということで、アイデアは良いんだけれども、ややアイデア倒れに終わった感あり。