劇場公開日 2001年7月20日

「ススワタリ全員と契約書交わしたんか」千と千尋の神隠し とびこがれさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ススワタリ全員と契約書交わしたんか

2023年1月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

 読書徹夜の明け方になんとなく鑑賞。千尋ちゃんの両親が勝手に飯を食い出すシーンがかなり怖いです。「そんなことしない方がいいよ」ってことを、自分の親が平気ですると信頼できなくなります。親を信頼できないと、基本的に子どもは寄る辺なき孤独と不安を生きざるを得なくなりますよね。その意味で物語終了後の千尋ちゃん、どうか幸せであれと願います。
 大人になって観ると、カオナシのなんと腑におちるものか。金や食料を差し出す以外のコミュニケーションがまともにできないやつ。「俺は客だぞ」「俺は腹が減ってるんだ」日本には年々カオナシが増えているように感じます。あのお面はコロナマスクだったんですね。
 美しい川にゴミを投棄してヘドロ川にしてしまう人間、神様へのお供え物を勝手に食って豚に変身させられてハタキでペシペシ追い払われる人間、カオナシのような人間、2001年時点で宮崎駿が失望している現代人は20年以上経っても挽回しきれてないように思います。
 ちなみに私はススワタリになりたい。サイズも謙虚で真面目に働き、女の子に甘えちゃったりして。ちゃんと靴預かるしエンガチョを見たら真似してみる好奇心。絶対幸福度高いすよ。てかあいつら全員湯婆婆のとこいって名前書いてきたんすかね。労働の報酬の金平糖は湯婆婆がちゃんとそのために仕入れてるんでしょうからね。

とびこがれ