劇場公開日 2001年7月20日

「2歳の子どもは泣いた。」千と千尋の神隠し とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.52歳の子どもは泣いた。

2021年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

楽しい

幸せ

萌える

「お父さんとお母さんが豚になっちゃった」と。

2歳の子どもにはすごいインパクトだったに違いない。それからずっと「元に戻る?元に戻る?」と質問攻め。映画どころの騒ぎじゃない。

現代風刺を含んだ物語。千尋の成長譚。

神様は温泉入っていい気持ちになる。世俗の垢を落として本来の自分に戻る場所。

ノスタルジックかつエキゾチックな風景と、山百合が揺れる草原。水辺を気持ちよさそうに滑る電車。
 そこを千と、坊と、カオナシが進んでいく。自分を取り戻す、少し暗くて水面を潜るような静かな気持ちの良い時間。

自分の名を取り戻す。それは自分の核を取り戻すこと。自我の目覚め。

 両親の与えてくれた世界で生きて、母にすがりつかなければ前に進めなかった子どもが、
  やってもらうばかりではなく、与えることを知って、両親以外に自分を支えてくれる存在に気付き、自分を取り戻して、自分の世界を自分の足で歩き始める。
  王子様に助けられ導かれて、自らも王子様を助ける。幼い恋の芽生え。

なんていう緩急の見事な話。

ここでのレビューを拝見。いろいろな意見があるものだ。だからレビューをやめられない(笑)。

と、様々に想いを馳せて観るものの、
ああ子どもをこんな風に泣かせてはいけない。あさましい姿を見せてないいけない。この映画を観ると必ずそんなことを思い出し、襟を正したくなる。

「元に戻る?」2歳の子供の必死の訴え。それが一番心に響いた。

とみいじょん
talismanさんのコメント
2021年4月6日

とみいじょんさん、コメントありがとうございます。なるほどー!の嵐でした。話そのものとは別に、アニメの映像の役割の大事さ、納得しました!

talisman
talismanさんのコメント
2021年4月5日

お母さんとお父さんが元に戻ってくれなかったら…!パニックだと思います。戻って良かったね、です。千尋が子どもの女の子でそれに合った外見であることもあり、この映画は大好きです(お話、内容、勿論素晴らしい!)。

「風の谷のナウシカ」を好まないのは、顔が幼く明らかに少女なのに、胸が不自然にでかいからです。そればかりが気になって話に全く入れませんでした(昔のことですが)。色んな友達にそのこと言ってますが、殆どわかってもらえません。残念。

talisman