「作家の頭の中の映像を実体験」千と千尋の神隠し 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
作家の頭の中の映像を実体験
言わずと知れた大ヒット作。映画館のスクリーンで観るのは初めて。
和風と中国風を混ぜたような飲食店街、湯屋ならぬ油屋の壮観、海の上を走る電車、カオナシ、釜爺といったキャラクターの造形などなど、宮崎駿という作家の頭の中に浮かんでいる映像を実体験している感じ。
テーマとしては、人間の欲(食欲、金銭欲など) 、環境問題(河川の汚染など)を背景に、働くことの尊さを描いているようだが、とにかく次々と面白いキャラクターが登場して、ぐいぐい物語展開していくので、一気に見入ってしまう。
あえて注文を付けるとしたら、銭婆が登場してからの大団円に向かう展開が、ちょっと性急で無理やり感があったところと、千尋とハクがかつて出会っていたエピソードをもう少し大事に描いてほしかったというところ。
見終わった後に、そういえば子供の頃の一番の恐怖は、親とはぐれることで、童話で読んだ「安寿と厨子王」はトラウマになったよな、とふと思い出した。
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