「ジブリ 不朽の名作」千と千尋の神隠し くらげさんの映画レビュー(感想・評価)
ジブリ 不朽の名作
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引っ越しの途中で、不思議な町に入り込んでしまった
少女、千尋。
湯婆婆から名前を取り上げられた彼女は、
元の世界に戻れる日までそこで働くことに。
生きる意味を見いだせず、
死んだ魚のような目をしていた主人公・千尋が、
神々のために働くうちにイキイキとした瞳を取り戻していく姿に引き込まれる。
そして彼女が出会うユニークなキャラクターたち。
見た目からインパクト大なのが、巨大な玉ネギ頭をグイグイと押し付けてくる油屋の主人・湯婆婆。ワガママで子煩悩な彼女の強烈なキャラクターが秀逸だ。
彼女の双子の姉の銭婆の強さと優しさも魅力的。
私が注目したいのが、謎の存在・カオナシ。
彼(?)も生きる意味を見出せず、ある種死んでいた。
金さえ出せば喜んでもらえると思い、
その一心で千に金をあげるも、要らないと断られ、
感情をコントロールできなくなってしまう。この感情の爆発こそがカオナシの叫びであったのではないか。
ただ、喜んでほしいだけだった。
ただ、認めてほしいだけだった。
この出来事がカオナシの分岐点となったと考える。
また、千について尋ねた銭婆の所で、仕事とともに、
居場所をもらうことで初めてカオナシが本当の意味での〝存在〟を開始したのではないだろうか。
観れば観るほど、新しい発見に気がつき、
年を重ねるとまた新たな視点で、新しい作品のように、観ることができる。ジブリ、不朽の名作。
またもうひとまわり大人になれた時に、
この作品を見返したいと思う。
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