リチャード・ニクソン暗殺を企てた男
劇場公開日:2005年6月11日
解説
74年に起きたニクソン大統領暗殺未遂事件を踏まえて描く社会派ドラマ。オフィス機器のセールスマンである40代のサムは、売り上げが伸びず、妻にも家出されて、苦悩する日々を過ごす中で、ウォーターゲート事件の報道に接して、ニクソン大統領の暗殺を考えるようになる。製作に「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の監督アルフォンソ・キュアロンや、「サイドウェイ」のアレクサンダー・ペインが参加しているのも話題。
2004年製作/96分/PG12/アメリカ
原題:The Assassination of Richard Nixon
配給:ワイズポリシー
スタッフ・キャスト
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2021年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ショーン・ペンがサム・ビックという役名で登場することにより、『アイ・アム・サム』を思い出さずにいられない人も多かっただろう。セールスマンという職に就いた割には口下手だったり、嘘をついて商売する人間が許せなかったり、私生活での諸問題を職場にも持ち込んでしまったりと、おどおどした人間味あふれる男を演じるショーン・ペン。アメリカ映画の主人公にはあまり見かけない性格なので、かなり個性的に映りました。営業や販売員を経験した者なら誰でも考えさせられるエピソードが満載だったので、ついのめり込んで観てしまいました。
サムの主張のなかで「利益率を客に正直に伝える」という点は、相手によりけりで、使い分けなければならない駆け引きでしょう。「儲ける」という字は「信ずる者」という意味がある、と新入社員研修でよく聞かされたことを思い出しました。品揃えや値引率が全ての大型量販店でない限り、目に見えない付加価値を同時に売るつもりじゃないと商売はできないのじゃないでしょうか。うそつき・詐欺師を嫌う真正直なサムに対しては共感を覚えたので、「もっと上手く商売しろよ!」と、つい応援したくなってしまいました。別居中の妻マリー(ナオミ・ワッツ)宅やレストランに頻繁に訪れる行為に対しても「あまりにしつこいと、ストーカーにされちゃうぞ!」などと、心配になったほどです・・・
歴代米大統領のなかでも、ニクソンは嫌いだ。「ベトナム戦争を終結させる」を公約にしておきながら反故にする政策。これは「公約は守らなくても大したことじゃない」と仰った某首相とそっくりです。そして、資本が数パーセントの人間に集中しているアメリカ社会。サムは諸悪の根源を大統領に見つけ、憎悪の対象をニクソン一人に絞ってしまいます。今の日本においても、「一億総中流意識」がとっくに崩れ去ったことを考えると、こうした極端な人間が生まれる可能性は十分にあるんじゃないかと思います。
世渡りが苦手だけど平凡な男が様々な要因によって殺人者と変貌を遂げる姿は、特殊であると断言できません。結局、ニクソン暗殺までは遠く及ばない稚拙な計画だったという脚本は実に巧妙であり、実際世の中で起こっている無差別殺人もこうした展開なのかもしれない、と想像させてくれる映画でもあります。
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自分に何かした人に仕返しするなら気持ちはわかりますが、平気で目的のために無関係の人も殺すようになっちゃうのは当事者になれば気持ちはわかるものなのかな・・・根は悪人ではないのに、同じ立場になったらみんなどうなるのか、主人公の性格のせいであってみんなが殺人を犯すわけではないという意見もあるでしょうし、離婚したり失職もしていませんが、ドン・チードル演じる友人は毎日何とかやってますしね。
2018年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
どーしてもタクシードライバーとかぶってしまう。で、それと比べると見劣りしてしまう・・・
ちょっと退屈しちゃったな。
ニクソン大統領の暗殺を企てた男の、孤独の悲しみと狂気を描いた作品。いちよう実話ベースらしい。
どこかマルクス主義チックの左よりの社会派作品で、某ミニシアター映画館の館主がえらい絶賛していたので、どんなものかと観てみました。社会制度の悪を浮き彫りにさせたい映画のようです。しかし、わたくしには社会よりも、この主人公が悪いとしか思えませんでした。何をするにしても、最終的には社会じゃなくて、それぞれの個人の責任の問題ではないでしょうか。こんな世の中や他人に責任なすりつける映画を観て、逆に自己責任取らなくなる人が増える方が怖い。