劇場公開日 2026年1月2日

パプリカのレビュー・感想・評価

全159件中、1~20件目を表示

3.0あっちゃんだけじゃなくて

2026年1月28日
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世界観、キャラデザ、声優さん、音楽、個人的に全部タイプ!特にオープニングなんて素晴らしい!SFという要素のみは苦手だったけれど、それらが良すぎてしっかり没入することができた。筒井作品は原作のトキカケが好きなので、こういう感じなのね〜、と理解できたのもあるかもだけど。

DCミニがなくなって、その犯人は?というところではなく、DCミニがなくなってそれぞれの夢から分かるトラウマ?とかに重きを置いて観た(と認識している。めっちゃ難しかったから)。

ひたすら殻にこもって機械と戯れる時田や、時田の才能に嫉妬する氷室。そして時田の才能と思いのままに生きられるところに惚れているあっちゃん(パプリカ)。そんなあっちゃんに惚れている小山内。映画を作るという夢をおざなりにしたと悔やむ粉川。現実と夢が融合したことにより、彼らのトラウマが見えてくる、という仕組み(?)なんだなと認識している(ほんとに分からなくて今でもあれこれ調べながら書いている)。

個人的には、強くてかっこよくて美しいパプリカ(あっちゃん)が本当に好き!時田や小山内から迫られても強気で拒否。どんな目に遭おうとも果敢に戦う。そして時田に一途!

だからこそ最後、時田のなかにあっちゃんだけが入っていったとき、時田が「スパイス(パプリカ)が足りない」と言うのが良かった。昼はあっちゃんで夜はパプリカだけれど、二人はそれぞれ違うのではなく、二人でひとつなのだ。

もしDCミニがなくなってなかったら、彼らはトラウマを解消できなかっただろうし、時田とあっちゃんは結婚できなかったはず。そう思うと、犯人にも感謝?なのかもしれないわ

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な

4.0夢とうつつとアクションと…

2026年1月27日
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鑑賞方法:映画館

興奮

難しい

ドキドキ

ずっと昔から存在は知っていたものの、内容についての情報はほぼゼロ。ちょうどリバイバル上映されていると知って、今さらながら劇場に飛び込んでみました。
今までレンタル店などでパッケージだけは見たことがあって、タイトルとインパクトのある画風が記憶に強く残っていましたが、実際に観るのはこれが初めて。

なるほど、これが噂のパプリカでしたか!!
アニメの可能性を存分に発揮した夢とうつつの混濁した世界観と魅力的なヒロイン2人(?笑)に惹き込まれてるうちに、あっという間に終わりました。
初見では自分の頭の中の混乱と戦うのも精いっぱい(笑)
一度観ただけでは味わい尽くせないですね、これは。

唯一、刑事のトラウマが「学生時代の映画を完成させてなかったこと」…というのが、少々合点がいかなかったのは、私の理解が足りてなかったのかな?

でも、いつかレンタルで観ようと思ってた作品がまさか劇場で観られるなんて、シネマシティさんに感謝です。

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ころころ

4.0「ふたりでひとつ」

2026年1月21日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

斬新

 この映画を観るのはこれで2、3度目だが、映画館で観たのはこれが初めてだった。実はこの映画そのものを映画館で観たかったというよりは、平沢進の音楽を映画館の音響で聴きたかったから観に行ったという方が正しい。
 この物語は、寝ているときに見る夢の中の世界と現実世界が舞台になっている。とある研究所でDCミニという他人の夢を見られる機械が開発された。それは他人の夢をただ見るだけでなく、その夢を共有し、他人が入り込み、干渉することができる。研究員の1人である敦子は日中は副主任として研究所で働き、夜はDCミニを使って「パプリカ」という女性になり、サイコセラピストとして活動する。それは不眠症の患者の夢に入り込み、その原因を探ったり解決したりする治療だ。しかしDCミニ自体が公になっていないため、研究所に近いごく一部の人しかそのことはしらない。そんな折、3つのDCミニが何者かの手によって盗まれてしまう。実行犯はそれらを利用し研究所の職員を洗脳し、職員は次々に奇行に走り出す。事態を収束させるために敦子とパプリカはDCミニと盗んだ犯人を探し始めるが…。
 あらすじを書いてみたが実にややこしい。この物語を完璧に理解しようとするにはセリフひとつひとつに、意識を向け集中し続けなければならない。そもそもパプリカとは敦子の夢の中での姿である。これを理解するだけでも大変だ。そのうえ物語が進むにつれてさらにどんどんと話はややこしくなっていく。全く疲れる映画である。細部まで理解しようとするのは大変だが、この映画の世界観を感じ取ることは実に容易だ。それはオープニングの映像がとても優れているからである。これは実際に観てほしいが、オープニングでパプリカは街中を駆け巡る。駆け巡ると言っても走るわけではない。街中を走っているトラックの広告の中に入り込んだと思えば、次の瞬間歩行者が着ているTシャツの柄の中に入り込んだりと、様々な移動手段で駆け巡る。自由でなんでもありな世界観が体の中にスッと入ってくる。この今敏特有の映像表現は目を見張る。そしてそのバックで流れる平沢進の音楽が実に良い。大友克洋の「AKIRA」の中でバイクで街中を走り回る時に流れている芸能山城組の音楽と同じくらい、そのシーンにしっくりくる。この音楽以外あり得ないとまで思えるほどに。2人の天才が揃うとここまでのものが出来上がるのかと感動するシーンの一つである。
 物語の中心は冒頭に書いたあらすじの通りだが、それと並行して敦子とDCミニの開発者である時田の恋物語も進んでいく。敦子は仕事はできるが、気が強く、性格がキツく、甘えられない。対して時田は天才科学者でありながら、欲求に忠実で常に何かを食べているため極度の肥満である。天才特有の頭の中が子供のまま体だけが大人になっている。こんな2人の恋は眺めているだけでは、捉えることは難しい。かなり控えめで回りくどい描写が多いが、私が好きなシーンはラストにかなり近いところ。奇行に走っている時田を助けるために敦子がパプリカを置いて時田の体に入る。その時、時田は「スパイスが足りないみたい」というようなことを言うがこれはパプリカが足りないと言っている。冷たい敦子、癒しのパプリカと終盤まで対照的に描かれていた2人だったが、実は2人は共同体でパプリカは敦子の一部で、逆に言えば敦子の中にもパプリカの優しさや癒しがあった。それを時田の言葉で発されるのは何てロマンティックなんだろうと心が躍った。
 この映画は最初から最後まで何か気色の悪い映像表現が続く。怪奇というか不気味というか。その映像はまさしく夢の中の描写そのものである。そして何かを表現するときに、かなり直接的で直線的な描写をする。それだけ見せられたら強烈に脳裏に焼き付くだろう。そしてのその描写は必ずしも良いとは限らない。通常ならそういったシーンだけが映画の顔になってしまうだろう。しかしそのシーンだけが浮かないのは映画全体がおかしいからだろう。こんな描写ができる今敏自身がDCミニそのものなのかもしれない。

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日比野徒然

4.0運良く見れた!

2026年1月20日
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ネットでよく流れてくる「サラリーマンがニコニコしながら5人連続飛び降り自殺する動画」や今年の正月のパルコのプモーションなどを見て、いつかは見たいと思ってた映画、運良く劇場で見れた。今年で公開20年?!20年前にこの映像美を実現してた?マジ?すごすぎ。今敏監督、もしご存命ならエゲツない存在になってたよな……。目が潤う映画でした。

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けんしろー

4.5📝映画感想100文字チャレンジ💯

2026年1月20日
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鑑賞方法:映画館

【満足度】😵😧☹️🙁😗🙂☺️😊🥹😭
🥹

【100文字感想】
犯された夢たちの晴れやかな薄気味悪さや、侵食される恐ろしさを表現する映像がとても美くしく素晴らしかった
蓋をしてきた記憶や感情に辿り着き、どちらも自分であることを受け入れられた時、本当の自分が動き出す。

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【映画感想100文字チャレンジ】

4.0極彩色のエロスと悪夢の脳内百鬼夜行

2026年1月19日
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初めて観る今敏作品ですが、人間の夢世界を支配すると言う世界観と、それをビジュアル化する監督の映像感覚に圧倒されました。他人の夢を共有できる機器によって、人間の中にあるトラウマを探る夢探偵パプリカとその本体の女性研究員が、機器を悪用して他人を支配する事件に巻き込まれて行くお話です。一見では理解しにくい設定なんだけど、夢と現実の境目が曖昧になったところでの切り返しや、いきなり出現する白昼の百鬼夜行パレード等の怒涛のビジュアルが素晴らしいです。夢の中は人間の隠された欲望が渦巻く世界だけに、その映像は支離滅裂でありながら、かえって生々しくエロチックです。パプリカと女性研究員のキャラが真逆で魅惑的なのも、彼女の隠された性的願望が反映されているようです。平沢進の強烈な音楽も、悪夢世界を体現するようなスコアで印象に残りました。役者では、主人公とパプリカのキャラの声を使い分けでいた林原めぐみが見事でした。

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シネマディクト

4.0初めて観ました。傑作ですね。

2026年1月17日
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今年のお正月、何か映画を観たいとは思っていたのですが、「果てしなきスカーレット」も「ズートピア2」も去年のうちに観てしまい、私の嗜好の問題ではあるものの、食指が動くお正月映画がなく、どうしたものかと思案していたところ、「パプリカ」の4Kリマスター版が大きなスクリーンで上映されるのを知り、観賞しました。遥か昔ですが筒井康隆氏の原作小説は数回読んでいましたし、NHKで放送されていた記憶もあったので、観たことがあると思い込んでいましたが、NHKの方は録画していただけのようで、この映画は初見でした。夢という、人が作りだす深層心理の虚構世界と現実世界を縦横無尽に行き来し、現実化する妄想にも対峙して事件を解決(治療)して行く、「パプリカ」の作品世界が巧みに表現されており、夢という虚構世界を描くには、まさにアニメーションは最適なフォーマットと思え、その圧巻の内容に感動しました。しかも昨今のアニメーションに多用されるCGもほとんど使われていないように思われ、精緻に描き込まれた映像美の世界に圧倒されました。よくあの分厚い原作の内容を90分にまとめたものだと感心もしましたが、ひとつ残念に思えたのは「DCミニ」によるセラピーの様子や、千葉と時田の関係など、物語の核になる背景を、多少尺が長くなっても丁寧に描いて欲しかったと思いました。私のように、遥か昔とは言え原作を読んでいればいいですが、初めて「パプリカ」の世界に触れた人には、作品に入り込むのが難しかったのではないかと思ってしまいました。⭐︎ひとつ減らしたのはそのためです。とは言え、内容、映像ともに素晴らしい作品でした。大きなスクリーンで観て頂きたい映画でした。

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Yuki

4.5いやー素晴らしかった

2026年1月17日
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泣ける

興奮

カワイイ

感情移入できた。クールな敦子、かわいいパプリカの声の使い分け、素晴らしかった。監督の早逝がくやまれる。本当にいい映画だった。エンドロール後に、名作特有の、しばしの沈黙😶がありましたよ。

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Twitty

4.0夢を見てましたね

2026年1月13日
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偶然というか、必然というか、今作は私にとって初めての今敏さんの作品、しかも脳科学などもちょうど自分の研究分野に近いのは不思議だと思っちゃいました。いろんな意味でいい夢を見ていました。
そして、今敏さんも、きっといい夢を見ていましたね。

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kiritohyx

4.0映画への愛が溢れ出る

2026年1月13日
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山の手ロック

4.0天才たちによる強烈な作品

2026年1月13日
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興奮

難しい

斬新

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ペットショップ

4.0筒井康隆教祖の作品は、写実的なアニメにするのがよく似合うと思う。平成になってからの作品なのに、なぜか昭和の香りがするSF作品。

2026年1月12日
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知的

驚く

斬新

筒井康隆作品はほとんど読破して、「時をかける少女」「敵」「七瀬ふたたび」「ジャズ大名」「日本以外全部沈没」などの有名な映画作品はもちろん、超マイナーな「俗物図鑑」もVHSで持っているズブズブの筒井康隆教の信者なので、4Kリマスター版で全国リバイバル公開となった本作を観に行かない訳がありません。

アニメの作画も色合いがサイケ調で、音楽もP-MODELの平沢進が担当するなど、昭和の残り香がハッキリと残る作り方に、昭和のオジサンはこれだけでご飯三杯はイケます(当社比)。原作はラノベのように作品構成のイメージを形にした挿絵などないので、この頃の作品には若干難解な部分もありましたが、本作は2000年代初頭になってから出版された「銀齢の果て」のような分かりやすいSF作品に回帰したような脚本になっています。

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おつろく

5.017歳の自分がいる

2026年1月12日
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今監督のトリビュート上映最後の作品として、「千年女優」から観続けた最後の作品。エンドクレジットで主題歌が流れる中、呆然と涙が溢れる。
17歳のとき、「夢見るように眠りたい」とフェリーニの「そして船は行く」を観て、映画に恋をした。あのときの想いが蘇った。
映画の中の刑事が「17」に囚われて生きているように、自分も映画という夢の世界をいつまでも追いかけていたんだなと思う。
それを形にしてくれた今監督に、心から感謝したい。

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Tomoko

5.0今 敏はアニメ界のクロサワであり小津である

2026年1月12日
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※今 敏作品の『千年女優』、『PERFECT BLUE』、『東京ゴッドファーザーズ』、『パプリカ』それぞれのレビューページに以下の同一の文章を投稿します。どうぞご容赦ください。
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今 敏の作品を今まできちんと鑑賞したことがなかったのは不徳の致すところで、深く後悔している。

以前からTikTokあたりで海外のマニアから『パプリカ』の切り抜きが流れていたのは知っていたし、それだけで今 敏の尋常ではない画作りに瞠目してはいたが。

その『パプリカ』公開20周年企画として、正月から渋谷シネクイントが同作を含む今 敏の劇場アニメ代表作4本を4Kリマスター版で再上映してくれた。
何と素晴らしい企画だろう。PARCO系のシネクイントではあるが、現在はかつてのPARCOとは経営が異なるはず。
だがPARCOが渋谷を席巻していたのをよく知る世代としては、堤清二の文化貢献の尖兵だったPARCOを思い出した。

こんな上映企画は私が生きているあいだに二度と無いかも、と思ったので、ある一日、昼から夜まで4本ぶっ続けで観てきた。
上映順(鑑賞順)で言うと『千年女優』(2001)、『PERFECT BLUE』(1997)、『東京ゴッドファーザーズ』(2003)、『パプリカ』(2006)である。
いやはや、帰宅して数時間経っても頭の芯がじんじんして、全身の血管に今 敏が流れている感覚が抜けなかった。

これは『七人の侍』と『羅生門』と『用心棒』と『隠し砦の三悪人』を一日でぶっ続けで観たのに等しい。
あるいは『東京物語』と『麦秋』と『秋刀魚の味』と『晩春』を同じく一日でぶっ続けで観たようなものだ。
大袈裟ではなく、それほどの価値とインパクトのある鑑賞体験だったし、こうして通しで一気に観ることでわかったこともある。
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少々脇道に逸れるけれど、4本の上映時間はそれぞれ87分、81分、92分、90分と、現在では極めて短い部類に入る。
しかしそれぞれの濃さ、密度、味わいの違いの圧倒的な満足感はそれ以上だった。1600円均一という鑑賞料金が安く思えてしまうほどの内容である。
そう言えば『ルックバック』もわずか58分だったが、あんなに強烈な物語はそうそうない。
そうしてみると、昨今の実写映画は最低でも2時間がもはやデフォルトで、長ければ平気で3時間オーバーが普通になってきているのは、良い作品も確かにあるけれど、本当はもっと濃縮できるのではないか、濃縮したうえで深く、鮮やかに、同等かそれ以上の満足感を届けられるのではないだろうか、とちょっと思ってしまう。
アニメであろうが実写であろうが、「映画」って本来そういう濃縮された語りが腕の見せ所だろうと思うのだけれど。
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閑話休題。
この4作品についてそれぞれバラバラに感想を記することももちろん可能だ。
ただ、46歳で世を去った今 敏は10年という限られた時間に、この4本に後半生の寿命を注ぎ込んだ気がしてならない。
デジタル技術によるオーサリングツールが制作プロセスを劇的に省力化しているはずの2010年代以降でも、例えば新海作品でも最低3年のインターバルがある。
だから、それ以前の技術で2年半に1本という驚異的なペースで作ったことが文字通り命を削ったのではないか、とさえ思えるのだ。

そして、それぞれ作品としてのクォリティがどれも異常に高いという共通点を持ちながら、4本ともまったく違うテイストになっている。

それだけに、この4本に込められた今 敏の噴出するエネルギーと咲き誇る表現に応えるために一気に観る必要がある、そのうえで見えてくる全体像を感じたい、と思うのだが、それは少々妄想が過ぎるだろうか?
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今回、居住まいを正して今敏作品を観て強く思ったことがいくつもある。
一番目には脚本の巧みさである。
『PERFECT BLUE』と『パプリカ』にはそれぞれ竹内義和、筒井康隆という作家による原作があるが、あちこちですでに書かれているように、今 敏は原作者に了承を取ったうえで「アニメーション」かつ「映画」にするために原作を徹底的に換骨奪胎し、別の脚本家を交えて共同で物語を作り上げている。
そしてあとの2本も、単独ではなく脚本家とともに練り上げている(このあたり、いい加減に細田守も学んで欲しい)。

二番目には、この脚本に合わせて密接に設計されているマッチカットの多用である。
あるシーンに存在する事物や動き、イメージが、次のシーン(例えば「時代を超えたシーン」や「まったく別の場所のシーン」)にワープしたような、瞬間移動したような錯覚を、観る者に与えながら遷移する。

三番目には、同様に脚本の作り込みの中で効果的に差し込まれたであろうタイムループのようなリフレインの使用である。
歪んだ廊下を走る、悪夢に跳び起きる、列車を追いかける・・・それもまったく同じカットではなく、少しずつどこかが変わっている。
鑑賞者にデジャヴのような時空間の歪みを生じさせる。
これは原作があったとしてもなかなかここまでの映像として表現できないし、オリジナルならそれこそ驚異的なクリエイティビティとしか言えない。

四番目には、あらゆるカットの構図が、極めて「映画的」だ。
実写のロトスコープ化と錯覚するほどである。いや、単に「実写みたいだ」というのではない。
非常に優れた監督とシネマトグラファーが創り上げ、撮った構図の中で、アニメーションのキャラクター(「役者」)がかすかな視線や眉根の動かし方や指先の所作などで「演技」しているのだ。
今でも思い出せるのは、例えば『千年女優』の藤原千代子が牢で同房となった女囚(先輩女優の島尾詠子) に「『鍵の君』を追いかけていくうちに益々愛するようになった」と告白する。
それを聴いた詠子が「ふん」とばかりに受け流す、その一瞬に三段階くらい目の表情が変化するシーンだ。これには心底、舌を巻いた。
ここだけのために観に行っても良いくらいである。

タイトルとレビュー冒頭に、黒澤明や小津安二郎という巨匠の名を持ち出したのは、いかにも大げさすぎるだろうか?
しかし、これは事実確認をしていないのだけれど、およそアニメーション、特にジャパニメーションに強く衝撃を受けた世界中の若いアニメーション・クリエーターたちが繰り返し繰り返し観るとしたら、『AKIRA』もそうかもしれないが、今 敏のこの4本ではないか?
スピルバーグ、ルーカスは「クロサワを何十回観たかわからない」と公言し、ヴィム・ヴェンダースは「オヅは生涯の師」と言っているのだから。
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そして、今 敏が大友克洋のアシスタントからスタートしたという経歴を考えると、特に『東京ゴッドファーザーズ』のキャラたちや、あり得ない偶然の連続と言ったおかしみのセンスは、間違いなく『ショートピース』や『ハイウェイスター』で遺憾なく発揮されていた大友テイストそのものだ。
今 敏のあまりにも早い旅立ちについて、大友克洋はどこかで発言していないだろうか。
たぶん真の天才こそ、別の天才の不在を大きな喪失として捉えているのだと思う。

そして、今 敏とわずか2歳違いの細田守は、今、何を考えて走っているのだろう。
ひょっとしたら今 敏の影を追いかけたり、あるいは影と踊ったり、さまざまな思いに良くも悪くも振り回され続けているのではないか。
『果てしなきスカーレット』は公開直後くらいに観ているのに、どうしてもまだレビューが書けないまま、そんなことをつらつら思ってしまう。

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LukeRacewalker

4.0今敏監督の魅力大

2026年1月10日
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鑑賞方法:映画館

久しぶりの鑑賞。やはり凄い。
記憶は、あのパレードの印象しかほぼ残っていなかったけど、改めて観ると話の筋はわかりやすいし、不条理でもない。時田さん羨ましい。
画の圧力、平沢進の楽曲との混合。今敏監督作品の魅力に溢れていて、早逝が本当に惜しまれる。

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kawa

4.5久しぶりに観たが、変わらず最高に面白かった

2026年1月9日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

斬新

原作ファン。20年前にアニメ化されると聞いたときは、あれを映像化するのは無茶だろうと思ったけど、結果なかなかに面白いアプローチで感嘆したことを覚えている。
今観てもあの世界観は強烈かつ新鮮で、20年前の「次はどうなるんだ?」とスクリーンに釘付けだったワクワクが蘇った。

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かものはし

5.0目覚めたらデブ専に目覚めてた

2026年1月9日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

斬新

癒される

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なっかん

3.0なかなか理解し難い名作

2026年1月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

知的

難しい

今敏監督が手掛ける日本アニメ史に残る怪作。

夢を操る禁断の装置をめぐって引き起こされる事件と、それを追う開発者陣。
まるでホラーかと思わせるような夢の描き方が秀逸すぎて、もはや奇想天外なレベル。
目を欺く夢と現実の境界が見る物に驚きと衝撃を与えるサスペンスミステリー。

ただごめんなさい、私はあまり好きになれないかな…

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びぃあぃじぃ

3.0パプリカ・スパイス

2026年1月7日
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難しい

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uz

4.0あらためて、林原めぐみの凄さよ

2026年1月7日
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鑑賞方法:映画館

お馴染み立川シネマシティで観てきました。極上音響ver02ですってよ奥さん。
しかし筒井康隆はメディアミックスに恵まれてるなぁ。
本作といい時をかける少女(原田知世版)といいその他あれやこれやといい、結構大胆な原作改変されていてもそれはそれとして面白い作品になる場合が多い。平井和正なんか幻魔大戦の酷い改変で心折れちゃったってのに。
そして、極上音響だからこそよくわかる林原めぐみの中低音域の声。
キャラクターにあわせた2種類の声の使い分けは、さすがレジェンド声優とスタンディングオベーションですよ。

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二茂
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