パーフェクト・ストーム : 特集
イントロダクション
(編集部)
スクリーン狭しと荒れ狂う“完璧な嵐”の映像は、もちろん驚嘆に値する。今やハリウッドの重要なインフラであるILMが作り上げたCGIは、夏バテの身体を十分に冷やしてくれる。だが、涼しさとともに、ちょっとした船酔い気分を覚える人もいるだろう。つまり、言うまでもなくこの映画の主役は“嵐”である。皆、“嵐”の凄さを体験しに映画館へと足を運ぶわけだ。「ジュラシック・パーク」で恐竜を、「ツイスター」で竜巻を観に行ったように。だが、こうしたVFX主導の“ディザスター・ムービー”は、往々にして役者不在になりがちだ。今挙げた2本の作品に、際だった存在感、目を見張る演技を披露していた俳優がいただろうか?
そこで、ジョージ・クルーニーとマーク・ウォールバーグの登場である。「パーフェクト・ストーム」における彼らの役割は極めて重要だ。荒くれ者揃いの漁師たちを指揮する船長にクルーニー、そして、婚約者を陸に残し、危険な漁に賭ける若者にウォールバーグ。実話の漁師は、恐らくもっと粗野で無骨なキャラクターだったと想像できるが、“都会派”なこの2人を主演に据えることによって、映画から魚臭さが薄れる代わりに男臭さが際だち、ある種の華やかさも生まれている。結果、2人にとって「パーフェクト・ストーム」は、これまで出演した映画の中でもっとも製作費の大きな作品であると同時に、もっともヒットした作品となった。つまり、ここしばらく彼らの名前には“「パーフェクト・ストーム」の”という枕詞がついてまわることに疑いはない。
さて、これまでにも十分なキャリアを持つ2人であるが、日本での知名度、人気という点では正直なところ今ひとつ。だが、本作を機会に、日本でもブレイクの予感がしないわけでもない。そこで我々は、彼ら2人の現在・過去・未来を整理してみた。そして、読者の投票をもって、彼らの今後の人気の行方をチェックしてみようと思う。