「タランティーノ絶賛のかなり衝撃的な映画でした」オールド・ボーイ(2003) mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
タランティーノ絶賛のかなり衝撃的な映画でした
内容は全く知らなかったのですが、前々から気になっていた映画でした。タランティーノ絶賛という映画ってどんなんだ?と思ったり。
ハリウッド版のリメイク『オールド・ボーイ』(2013)の主役がジョシュ・ブローリンと知って、「コレは見たい」と思い、本家の韓国版を先に見ました。
15年間かけての復讐とは・・・。
ストーリーはよく考えられており、ラストはかなり衝撃的でした。エロ・グロのシーンなんかもあったのですが、ラストがすごいので、そっちの方に心が持っていかれてしまいました。
ただ、ウジンの実姉が自殺した理由が多少、こじつけ感があったような気がしたので、ウジンの「復讐の動機」がもひとつ、心に入って来ませんでした。
オ・デスが母校を訪ねて、過去と現在が交錯しながら進んで行くところなどは、「やっぱ見せている。映画だな」と思いました。ウジンと姉が戯れているところを鏡で映すところや、姉が川に身投げをする瞬間がカメラの焦点になるところなども、うまい見せ方だと思いました。バイオレンスは苦手だけど、さまざまな映像シーンをもう一度見たいなと思ってしまいました。
主人公とミドの禁断の関係ということにスポットを当てれば、ドゥニ・ビルヌーブ『灼熱の魂』を連想させます。『灼熱の魂』を見た時、かなり衝撃を受けて、数日、ショッキング感が抜けませんでした。ジャンルも違うし、比べるのも変ですが、『灼熱の魂』の衝撃の方が大きかったので、実を言うと、免疫がついてしまっていました。
ラストの雪の降る中、2人が抱き合って、ミドが「愛してる」といった言葉が胸に響きました。間違いなく最愛の人ですから。そして、オ・デスの複雑な気持ちが「微笑んでいるよな悲しんでいるような」表情になってエンディングになるところが、哀しかったです。「一歩が一年」なので、雪の中、寿命の70歳まで歩ききって、最後に最愛の人と抱擁したのかもしれない、そして、それは幻だったのかもしれない・・・そんなことも考えてしまいました。
この映画、壮絶なバイオレンスだけを描いたものでなく、結構、繊細なところまで描かれていて、芸術性みたいなものも感じました。韓流を多少、下に見ていた(失礼)ので、反省。主人公のチェ・ミンシクの演技に脱帽。
ハリウッド版(リメイク・2013年)は、韓国版のあとにすぐに見たのですが、韓国版が「すごすぎて」、ハリウッド版が軽く感じてしまいました。ハリウッド版を先に見た方がよかったかもしれません。
もしも、日本でリメイクするなら、園子温でお願いしたいです。
共感そしてコメントありがとうございます。
3度もみてしまいましたが、忘れているのでその度に
新鮮な気持ちで驚きます。
リメイクよりずっと深かったですね。
「灼熱の魂」も、本当に衝撃的でしたね。
今思うと、あまりリアリティのない感じを持っています。
酷すぎますよね。
この映画はエンタメとしても楽しめて、本当に好きな映画です。