きみに読む物語のレビュー・感想・評価
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少し前の高齢者たちの気概
私は、「タイタニック」と同じく、安定=お金を選ぶか、愛を選ぶかという究極の選択をした女性の物語だと思う。
監督の実の母であるジーナ・ローランズが主役みたいなもの。
見る人を選ぶ作品だと思う。意見は分かれるだろう。人類が全員お金や名誉ではなく「愛」で人生の選択をできるなら世の中から不幸はかなり減るかもしれない。
痴呆症の問題、介護施設のことがベースにあり、第二次世界大戦を挟んだ前後二つの時代、さらにその50年後の三つの時代が描かれる。
全く大作ぽくないはないが、6、70年間を描いているという点で大作である。
そばにいてくれるだけでいい by フランク永井
アリー(レイチェル・マクアダムス)は高校の夏休みに家族と別荘に来ているお嬢様。ノア・カルフーン(ライアン・ゴズリング)は地元の材木商で働く青年。若者たちとバカンスを楽しむアリーを街中で見かけたノアは猛アタックを仕掛ける。デート中のアリーの乗った観覧車に飛び乗り、交際をせまる。軽くいなされると観覧車の車輪の鉄棒に飛び移り、デートしてくれないと手を放すと脅迫する。ゴズリング、顔に似合わない強引さ。幼顔のレイチェルがベーリーキュート。屈託のない笑顔、えくぼが素敵。ふたりは深夜まで遊び呆けるようになっていきます。無邪気にかつ大胆に振る舞うふたりを見守る家族。ひと夏の恋には寛容な感じ。アリーのお父さんは魔法使いサリーちゃんのパパみたい。ノアはウィンザー農園の住人のいない古いお屋敷にアリーを誘い、いつかこの土地を手に入れて、家を改修する夢を話します。アリーは白い家がいいと言う。向かい合って立ったまま、脱いでゆく様はなんか高校生無頼控を思い出してしまいました。帰りが深夜になったアリーにノアは相応しくないと言う両親と言い争うアリー。それを聞いてしまうノアは冷静だが、思いっきり取り乱してしまうアリー。アリーの両親はふたりは早く離して、諦めさせようと予定より一週間繰り上げて次の日の朝、別荘を後にしてしまいます。アリーは材木工場に寄って、ノアの親友フィンに伝言を託す。「ただ一言、愛しているとだけ伝えて」
ノアは一年間365日毎日手紙を出すが、返事はなしのつぶて。アリーの母親がすべて隠してしまっていたのでした。ノアと親友のフィンはアトランタに着いた出稼ぎに出ますが、第二次世界戦争が始まり、ノアとフィンは徴兵され、北アフリカの同じ隊に配属になります。しかし、フィンは戦死してしまいます。アリーはニューヨークの大学に進学し、看護学を専攻します。傷ついた兵隊さんを世話していながらも、ついノアを思い出してしまう。全身ギプス固定なのに、アニーをデート(散歩)に誘う兵隊さんがいます。「治ったらデートしましょう」とアニー。看護婦姿のレイチェルも素敵。その後何年かして、街でアニーに声をかける青年がいます。「治ったよ~」ビシッとスーツを着こなして、高級車に寄りかかって。これがハモンド財閥の御曹司ロン・ハモンド。婚約話がトントン拍子に進む。戦争が終わって、ヨーロッパ戦線から故郷に帰ってきたノア。たった一人のお父さんは家を売って、ノアの復員兵手当とあわせて、あの農場を買おうと言います。ふたりで、古い屋敷を修理しますが、ほどなくして、お父さんは死んでしまいます。ニューヨークに出てきたノアはバスの中から、街を颯爽と歩く着飾ったアリーの姿を見つけてしまいます。アリーが新聞に載ったノアの白い家の記事を見て、ノアを訪ねて行く。
ひとりになったノアは時々戦争未亡人マーサ・ショウと夜をともするような生活。マーサは感じていた。自分の中に他の誰かを見ている。見透かされていたノアは正直に謝ってしまう。それでも、このふたりの関係は思い遣りに満ちていたと思う。マーサはアリーとノアを見て、私もこれからは本気で誰かを愛せそうと言う。切ないね。この場面はなかなか好き。
アリーの母親がアリーを追ってくる。工場で働く初恋の相手のおじさんをアリーに見せる。このおじさんが母親の初恋の人。ノアが出した365通の手紙をおいて、正しい選択をしてと言い残し、車で立ち去る。カヌーボート、無数の白鳥、雷雨の中でのキスシーン。
2日間の合瀬を過ごすことに違和感を感じる人もいるだろう。彼女の行動はただケジメをつけたかっただけだったかもしれないし、揺らいでいた自分がほんとうにわからなかったからかもしれない。ノアは40年後の自分たちを想像して欲しい。君のそばに居たい。と、はっきり言うが、アリーは引き留めるノアを振りほどくように帰ってゆく。しかし、幾日かして、アリーは再び、ノアのもとをボストンバッグを2つ持って訪れる。
さて、語り部のデュークが認知症のアリー・カルフーンに若き日の物語を読んであげる。子供たちはパパ帰って来て。何も思い出さないママにそこまでしなくてもと言うことは、ちゃんとした結婚生活があったに違いない。実の子供にも他人様の振る舞いのアリー。さらに、アリーはアリー・ハミルトンからアリー・カルフーンになっているので、デュークはノアだと確信。デュークは愛称なのでしょう。ジョン・ウェインだってデュークなんだから。
デュークはほんのいたずらで、「アリーはロンと末長く暮らしました」と話すと、一瞬、違和感を覚えて、それは違うと思い出す。私はアリーで、あなたはノアだとはっきり思い出す。この物語は元々アリー・カルフーン著で、これを読んで聞かせてと遺言のようにしたためたもの。自分で書いて、すっかり忘れているアリー。しかし、その数秒後にはデュークが誰だかわからなくなり、興奮して、鎮静剤を打たれてしまう。その後、デュークは心臓発作にを起こして、救急病院に搬送されてしまう。それをぼんやりと見送るアニー。回復して、施設に戻ってきたノア。アニーに会いに夜中に別の病棟にきたノアを当直の看護師はコーヒーを飲みに階下に行くけど、馬鹿な真似はしないでねと言って、見過ごすのだ。こういうシーンが堪らなく好きだ。翌朝、ふたりは手を繋いで、ともに息絶えていた。「私たち一緒に死ねるかしら・・・・おやすみなさい」・「大丈夫だよ」がアリーとノアの最後の会話となった。
デューク役のジェームズ・ガーナーは実際にこの映画の10年後に心臓発作で帰らぬ人になってしまった。ジーナ・ローランズはまだご健在。
「43年後のアイラブユー」を観賞するにあたり、この映画を見直す必要を感じました次第です。
アメリカは歴史が浅いからか、身分の格式の差はすなわち、お金があるかないかに寄るみたいです。実に分かりやすい。
男って本当に一途な人は一途ですね。女はきれいに忘れてしまうのに。
この映画のあと、ゴズリングとレイチェルは付き合います。すぐに別れるけど。そのすぐ前には完全犯罪クラブで共演したサンドラ・ブロックと付き合っていたゴズリング。ちょっとね~映画とギャップがありますなぁ。しかし、ライアン・ゴズリングはその後も着実に仕事も私生活もステップアップを続けてゆくのでした。お・わ・り
人生における一つの理想
この作品は本当の愛はどれだけすごいのかが分かる物凄くロマンチックで...
この作品は本当の愛はどれだけすごいのかが分かる物凄くロマンチックで切なくて感動的なお話だった。本当に観てよかったと思えた作品だった。
本当に愛したらたとえ途切れたとしても間に何かが入ったとしても本当に愛し合っていたら何年何十年経っても死ぬときになっても愛の力で結ばれているんだなってすごく感動した
まず最初の湖と鳥のあのすっごく綺麗な映像は何かを感じるシーンだった。
ノアのアリーへの一目惚れからお互い本当の愛に変わっていって毎日幸せな日々だったけど喧嘩した次の日にまさかのお別れの言葉すら交わせなく離れ離れになってしまうなんて何が起こるかわからない。365日毎日かかさずノアは手紙を送ってずっと愛していたけど親の手によって数年邪魔をされてアリーは新しい恋人ができてしまったシーンはすごく複雑だったし悲しかった。全てアリーの両親の邪魔によってお互いがすれ違っていた。アリーはもう関係は終わった、愛されていないと諦めていた。ノアはスキになった相手だからどんなことがあっても決して諦めることはなかった。365日手紙を送ったり、アリーと約束した改築も実現させて戻ってくるのを待っていた。ノアの行動力と想いには本当に感動ものだった。再び再開して色々な困難を乗り越えてアリーが荷物持って家に帰ってきたシーンは物凄く感動した。本当の愛の力ってすごいなと思った。そしてこの話を認知症になったアリーに自分たちの過去を思い出してもらうために読み聞けせていたノアの毎日の積み重ねには感動した。毎日病院に通ってアリーに自分たちの話を読み聞かせていたノアは老人になっても本当にアリーを愛してることが伝わってきてすごくよかった。この話を全て読み終わった時アリーが自分たちの話、目の前にいるのはノアって事を思い出した時は嬉しさで溢れた。けどその途端すぐに記憶をなくしてリセットされてしまったアリーは興奮状態に陥ってノアを突き放してしまったシーンでノアが涙していた時はすごく心が痛かった。やっぱりどんだけ他人扱いされて慣れていたとしても急に妻から「誰!近付かないで!」と叫ばれてそれを必死に看護師さん達に押さえつけられる妻を見てしまったら苦しいと思う。
まさか最後のクライマックスでアリーが最後と分かって行ったのか、夜に部屋で問いかけたらなぜかアリーはノアの事わかって「おやすみ」と言って一緒に二人手を握って永遠に眠って逝ったのはすごく涙した。眠る直前アリーの記憶が戻っていたのは神様からの大切な時間だったんだと思った。認知症になって治らないと周りに言われ続けていてもそれでも死ぬ時まで諦めようとしないでずっとそばに居続けたノアは本当に凄いと思う。愛の力なんだなと思った。
もし自分の家族や恋人が認知症になったらて考えたらノアみたいにあんなに行動に移せれないと思った。本当にノアは素敵な人物だった。
そしてレイチェル・マクアダムスさんの演技には圧倒された。
レイチェルさんの涙には全ての感情が見ている人に伝わるような涙でお芝居の迫力が凄かった。それにレイチェルさんの笑顔は印象にすっごく残るような表情だった。
きみに読む物語
恋愛映画といえば!
恋愛映画でおすすめを聞かれたら、
「きみに読む物語」か「アバウトタイム」と自信をもって答えます!
(レイチェルマクアダムス好きというのもありますが!)
歳を重ねてからみると、
本当に愛するってこういうことなんだなあと学べたり、アリー母や婚約者ロンの目線で見れたり・・。
そしてとにかく名言が多い作品です!!
✔︎ノア
やっと再会できたアリーに語りかける言葉は、
いろんな映画の中でもかなり好きな台詞です。
「うまくやるのは難しい。努力が必要だ。
でも俺は努力したい。ずっと君が欲しいから。一緒にいたいから」
育った環境も性格も違う他人同士なのだから、
ただ好きなだけじゃうまく行かないこともたくさんある!
だからこそ、
「それでも頑張りたいんだ!!」
という気持ちが大事なんですね。。
あと、ライアン・ゴズリングのアドリブも入ったこの台詞も好き。
「30年後、40年後、誰といたい?それが奴なら行け!
それが君の望みなら耐えていける。
無難に選ぶな。
人のことは考えるな。俺も奴も両親も忘れろ。
君だよ、問題は。きみはどうしたい?」
出会った頃もノアはアリーの趣味を聞いたとき、
「いや親が、じゃなくて君は何するのが好きなんだ?」みたいなことを言ってましたよね。
いつだってアリー本人の意志を尊重して、
受け入れようとしてくれる・・
こんな愛し方ができるのは本当にかっこいい!
✔︎婚約者ロン
選択肢は3つあるが、すべて君を失ってしまう・・
って、なんともつらすぎて記憶に残ります。
✔︎アリー母
娘の幸せより、家柄重視なのか!
と見ていましたが、
ラストで自分の過去の話を打ち明けながら涙する姿に、後悔とか現実とかこの人もいろんなものを背負いながら娘を想ってるんだなあと、胸がじーんとなりました。
多くの人の選択は
ノスタルジーにどっぷりはまった120分
一途な愛を希求するということの裏側
記憶をなくしている老女とその夫。夫は若き日々の物語を妻に読んで聞かせ、記憶がよみがえってくる。
若いひと夏の初恋の恋仲。戦前の時代、女性は裕福層、男性は一般庶民の肉体労働者で階級の差もあって、別れた間柄。女性は裕福層の男性と婚約するものの、初恋の男性と再会して、初恋の男性と結婚する。
初恋の一途な恋愛を描いた物語。非常に理想的な物語である一方で、現実的に二人の男性の間でこのように揺れ動く女性は少ないのではと思う。ここまでリスクを背負って、一途になれるものだろうかと思う。
アメリカでロングランとなったということは、それだけ一途に思い続けることの価値、すばらしさを希求しているのかな。現実的にはあまりできてないからこそなのかと思ってしまう。
究極の純愛
喧嘩するほど仲が良い
どうしようないほどの愛の物語。
これぞ、愛だ!と言った感じで、美しい映像とともに、2人の長い長いラブストーリーがとても美しく描かれていました。
婚約者は可哀想でしたが…
信号のシーンやボートのシーンはすごく印象的で、何回もキスをしますが、どのキスにも違った魅力がありました。
現代と過去で分けている点もとても良かったです。
過去の2人の話よりも、それを物語として認知症の彼女に読んで思い出させようとする姿の方が、感動できました。
ラストは本当に涙腺が緩みます。
ただ。
期待し過ぎたせいか、もう一インパクト欲しかったです。
王道ラブストーリーは大歓迎ですが、少し平坦すぎるような気がします。
名作でしたが、自分はそこまではハマりませんでした。
すべてが粋。
・自分のまわりの世界はすべて優しいということを描いてる
・どんな決断をしても、周りは絶対許してくれるんだよと教えてくれる
・アリーの母の実はめっちゃ理解ある人という裏切り方がずるすぎる
・手紙取っといてたんだね...(泣)
・老人ホームの受付の優しい嘘が粋
(コーヒー入れに行ってない)
・愛の力で富豪になってるノア
・ラストカットで鳥になったふたり
・エンドロールへの移り方が神がかってる
・登場人物の弱さと甘えがふんだんに描かれているからすっと入る
・観客は老後のアリーの視点で映画を観ることになる撮り方が芸達者
・アリーの天然さは周りから最期まで愛され続ける人生
・天然であることを受け入れるとアリーのような人生を歩めるかもね
タイトルなし(ネタバレ)
アリーがノアを思い出す所から忘れるところのシーンで
ティッシュが10枚は必要です
現代、情熱的に盛り上がった激しい初恋が
この物語のようになることは現実的じゃないので
夢物語だけど、良い話だよね
デュークは誰?
レビューでは、デューク=ノアとしている方が多い。
でも、どうして名を変える?愛の記憶を取り戻したいのに?
アリーは誰と結ばれた?読み聞かす物語では、ノアと結ばれたようだけれども、実際は?
ノアと結ばれて今に繋がるなら、夫婦としての時間が描かれていないのはどうして?デュークの子や孫とアリーとの絡みがないのはどうして?アリーが子や孫と会ってパニックを起こすから近づかないようにしているの?でも、それって…。夫婦・家族としての時間の積み重ねこそが愛の軌跡だと思うのだけれどもな。夫婦・家族の時間のラッシューアルバム写真とかーでもあれば説得力があるのに。毎回、出会いから話すので、家族の時までたどり着けないのかなと。
それとも、激しい恋をしても結ばれず、この療養所で再会して、恋していた時間を思い出してもらうために読み聞かすのなら、夫婦としての時が描かれていないのは解る。でもそれはそれで、複雑。アリーを一途に愛した男。アリーを優先して、家族をないがしろにする男…。
アルツハイマー型認知症。他のタイプの認知症。この映画が公開されたころより、今はいろいろ解ってきたけれど、愛しい人・家族に「あなた誰?」と言われる辛さ・悲しみ・やりきれなさは永遠に変わらないだろう。
恋の物語。
周りの人なんか関係ない。たとえそれが自分の子の願いでも。そんなある種の傲慢さがなければ「一人の人を愛し続けた」なんて言えるような状況にはならないんだろうなあ。
そんなにしてまで貫き通した恋なのに、相手の心に自分が映っていない。なんて残酷な物語。
宣伝に「病を克服」とあるけど、それはない。この映画が公開された当時から認知症のケアの中に回想法というのがあって、昔の音楽とか写真・物品とかを手掛かりに記憶を(一時的でも)呼び戻せることは、関係者ならすでにやっている。だから、私としては、記憶が戻った瞬間より、再び忘れられてしまった時のデュークの表情の方が切なくて、切なくて、涙が出た。
とにかく映像が美しい。ロマンチックの極み。
どの場面もわが身をそこに置き換えて、ロマンチックなシチュエーションに酔いしれたくなる。CG使ってこんな場面を再現できるアトラクションができたら行ってしまうのだろうなあと思う。恥ずかしいけれど。
ボートがスーッと音もなく走る冒頭の河。それをそこはかとなく見つめる品格のある美貌の老婦人。
遊園地。
白鳥とボート。
再会の嵐の場面。
自分の為に作られた家。
etc…。
加えて主演女優二人の美しさ。
若い方はりかちゃん人形かとも見まごうスタイル・ファッション、儚げなんだけど親しみやすい笑顔。おキャンすぎる振る舞いには閉口するけど。
老婦人の品格。佇まい。年取ったらあんな風になりたいというお手本。ため息が出る。
アリーの母親もいい。
ノアの物静かなたたずまい。アリーよりも知的に見える。
ノアの父もツボ。
でも、やはりデュークの一つ一つの表情にやられてしまう。
菫の砂糖漬けのような映画。ロマンチックに浸ることが目的なら、お勧めしたい。
原作未読。
監督は、エモーショナルな甘い蜜の描写だけで、すべてをあいまいにする。
鑑賞してから気が付いたが、『私の中のあなた』の監督の作品。
美談への仕立て方は超一流。でも、甘美な夢に本質をあいまいにされる。
だからかえって、愛の本質とはなんなのかを考えてしまった。
心がきれいな人は永遠に生きる
自分なら耐えられない
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