長い散歩のレビュー・感想・評価
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ロケーションが良い
アマプラにて鑑賞
序盤のシーンがきつい
その後はまぁ…笑ってしまうシーンも有り
(笑っちゃだめでしょ)
児童虐待がエグいです
これ2006年の映画か
こんな映画あったとは知らなかった
ロケーションも絶妙に良いんですよ
最後辺り純粋に感動してしまった
(最近中学の頃観とけばなと後悔すること多し…)
アリアスター監督好きそうな題材
ちなみに旅映画なら
学校Ⅳがお気に入り
主人公は安田松太郎。一瞬でもサッカーを思い浮かべると、松木安太郎の名と混同してしまう・・・
高校の校長だった主人公。この団塊の世代の教師は「でもしか先生」と呼ばれる方が多く、いざなぎ景気を背景に「教師にでもなるか」「教師にしかなれない」と志願すれば誰でも教職に就くことができた世代だ。とはいってもレベルが低いわけではなく、逆に教師になってからがむしゃらに教育に取り組んで自分の家庭をも省みることがなかったのだろう。この安田松太郎(緒形拳)もその一人。娘に「人殺し!」と罵られるほど、アルコール依存症の妻を死なせてしまった悔恨の念を持っているのです。
一人暮らしを始めたアパートでは隣人が夫婦喧嘩(実際はヒモ)が絶えなく幼児虐待をもうかがわせる。その被害者である5歳の少女サチ(杉浦花菜)の虐待を受けた痕跡がとても痛々しく、耐えられなくなった松太郎が彼女を連れ出してしまうストーリー。高岡早紀の狂ったかのような演技も凄まじく、胸が苦しくなりました。また女の子の叫び声や、しつけの行き届いてないことがわかる粗暴な態度。メロンパンしか食べたことがないような食生活。そして、「死」ということが未だ理解できていない、いたいけな少女なのです。
虐待から解放したかっただけなのに、世間ではそれを誘拐というのが当たり前。行くあてもないような旅を続ける二人の間には、頑なに心を閉ざしていたサチが徐々にストックホルム症候群のように心を開き、信頼関係も生まれてくる。なにしろ、最初に名前を聞いたときには「ガキ!」と答えたほど。途中、唐突に現れたザンビア帰りの青年との微妙な関係も緊張感を与えてくれるが、ここでもまた「死」を考えさせられ、「おーい君、おーい天使、おーい青い空」という松太郎の詩の意味が浮かび上がってくるのです。目的地は家族で行ったことのある山の風景だったのだ。
サチはずっと天使の羽を背中につけていましたが、新聞紙を破いて羽根のように切り貼りしたもので、最後のほうにはボロボロになっていました。もしやファンタジー映画だったのか?と思わせるシーンには驚きましたけど、急降下するようにラストの現実へと戻されてしまう展開もまたいい。人生は長い散歩。贖罪や巡礼という言葉にも象徴されるように、誰もが感じるような人生の重い十字架もいつかは晴れる日がやってくる。天使のパンツを被って反省しなければならないなぁ・・・
【2007年2月映画館にて】
気持ちが痛い
いろんな社会の人々のしんどい気持ちが痛い。気持ちがささくれ立った痛いシーンが満載。で、そのしんどさを受け止めてあげることができる人が、世の中にはどれくらいいるだろう。出会えたら幸運。松っちゃん、犯罪だと分かっているのに救いたかったものはいったい何なのだろう。小さな愛情を大切にして育てていきたいと思わせる秀作。
感動しました。
すごく奥深いものがあって良かったです。
はじめは全然心を開いていなかった幸ちゃん、そんな幸ちゃんにいっぱいの愛を注ぐ松太郎。松太郎のその姿勢に徐々に心を開いて行く幸ちゃん。深い闇と重い過去を背負いながらも懸命に生きつづけたワタルくん。
そんな登場人物たちに感動しました。
天使の羽根
緒形拳主演の映画「長い散歩」を観た。家庭を顧みなかった元校長の老人と、母親の虐待で傷つく5才の少女の物語です。
あるきっかけから、老人はかつて家族と旅した場所を目指して、少女と一緒に「青い空と、わた飴みたいな雲と、白い鳥」を求めて旅立ちます。老人にとっては家族への懺悔の旅であり、少女にとっては虐待の傷を癒す旅でもありました。
心を閉ざしていた少女が、旅の宿で老人の布団にもぐり込んで訊ねます。「おじいちゃん、サチのこと好き」と。老人は嗚咽で言葉にする事ができません。少女が初めて心を開いた瞬間であり、老人が過去の重荷から開放された瞬間でもあったのです。
旅を終え、老人は少女を誘拐した罪で服役します。刑を終えた老人を待っていたのは、少女でもなく、どこまでも長く長く続く道でした。エンドロールに流れるUAの歌声が、ピュアになった心に素直に響いてきます。
少女は映画の冒頭から終わりまで、天使の羽根をつけています。それは傷ついた羽根を持った、私たち一人一人を象徴しているのかもしれません。
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