ミリオンダラー・ベイビーのレビュー・感想・評価
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映画を観終わってからじわじわと伝わる美しさ。
レビューを見る限り日本ではあまり好評ではないようですが、私個人としてはとても良い映画であったと思います。
(以下、ネタバレ注意)
主人公の女性は頼れる家族や友達も居なく、寂しい極貧人生を歩んでいる中、ボクサーとしての人生を歩んで行く事を決意、やっと熱中して情熱を注げる事を見つけ頑張って居たのに、、、
人生で誰しもが突き当たるであろうどうにも出来ない問題。彼女を救いたくても彼女を救う為に行動を起こす事は正義は世の中の悪。矛盾や心の中での葛藤、色々な思いが2人の中で巡って居たと思うだけで心が切なくなります。
もし自分の大切な人が彼女と同じようになったとしたら、私は勿論大切な人を失いたくないのであんな結末にはしたくないけど、それでも相手の悲しむ姿、苦しむ姿を見たらそっと休ませてあげたいと思ってしまうと思います。
結末に賛否両論あるのは仕方がないですけど、私はとても美しくて切なく儚いストーリーであったと思います。
大切な人のためを思って命を奪うというのは相当な覚悟が必要ですよね、、、
何か足りない・・・ハートの大事な部分が
再起不能になった女性ボクサーの尊厳死の話
ヒロイン役のヒラリー・スワンクは美人顔なんだけど、どことなく下品
笑う時、歯をむき出しにするせいかな
女性ボクサーという役には、その野生味が合っていると思う
演技は自然な感じで上手かった
演出や編集で補っているとは思うけれど、ボクサーらしい
アクションが様になっていた
俳優でもあり監督でもあるクリント・イーストウッドの
監督作品は、いつも後味が悪い・・・
ハッピーエンドでないからというよりも、この人はいざという時
人を突き放すタイプの人だと思えてならない
映画(作品)でもリアルでも
突き放す=クール=格好いい
西部劇の主役時代にこういう図式がこの人の中に
出来上がってしまったように思える
この映画では、努力の末「稼げる」ボクサーになったヒロインが
対戦相手の反則が元で、病院のベッドから動けない体に
されてしまい、生きる希望を失くすのですが
尊厳死を扱っているのに、伝わってくるのは感動でも
共感でもなく、虚しい感じの冷徹さと空々しさ・・・
感情的になれ、熱くなれという気はありません
むしろ感情表現抑え目の方がこういう話に向いていると思う
しかし・・・過去のイーストウッド作品にも
同じような印象を受けたのですよね
何か足りない・・・ハートの大事な部分が欠けている感じ
何故かアカデミー会員にはウケが良いらしい
何度もアカデミー賞ノミネート、受賞しているけれど
私はこの俳優兼監督の根っこにある「信頼できない感じ」が
好きになれない
・・・
モーガン・フリーマンの語りが心地良く一気に夢中になった。
どの答えにも救いはない。
結末はまさかですが、物語的にはさすがな着地点。
鑑賞中は大丈夫でしたが、終わった後からじわじわきて、泣いてしまった(T_T)
父に逢いたくなった(T_T)
勝利の時、イキイキしたカワイイ笑顔が観れて良かったです✨
素敵な物語をありがとうございました。
自分にとって忘れられない作品です。
生きる事に手を抜いてる自分に渇を入れます。
【人生は不条理に満ちている。しかし、試合”人生”に形式的には負けても、”尊厳を持つ”事の尊崇さを示した作品。】
ー様々な問いかけを観る側に与える名作であるので、感想のみをシンプルに記す。ー
・この作品に深い趣を与えているのは、スクラップを演じたモーガン・フリーマンのビロードのようなモノローグであろう。
■何度観ても、憤り、涙するシーン
・ボクシングタイトルマッチでの頸椎損傷により呼吸器装置で生命を維持する状態になってしまったマギー(ヒラリー・スワンク)が愚かしき母及び家族の言動を聞き、契約書のサインを拒否するシーン。
ーどこの世界に、自分の娘の生命を心配する前に、自分の生活保護打ち切りを心配する親がいるのだ! 毎回、激しく憤る。-
・マギーに対して、フランキー(クリント・イーストウッド)が涙を流しながら”モ・クシュラ”の意味を伝えるシーン。
ー上映当時、賛否を巻き起こしたマギーに対しての、フランキーの行為について。ー
フランキーは、詳細は語られないが、家族に纏わると思われる出来事を悔いて、毎週教会に通っている。
口にする言葉も、どこか人生に対して諦観している風がある。
その彼が、当初は固辞していたが自らコーチをしたマギーの生死に”決意と責任をもって”決着をつける姿は哀しいが、是としたい。
<尊厳死とは肉体は滅びても彼の人の魂に”尊厳を持って生きる事”を与える行為であると私は思っている。
只、この作品でクリント・イーストウッド監督が示した事はもっとシンプルで、人間は自らの最期に”良い人生だった”と思える事が大切ではないか。悔いのない人生を送ったということを自ら感じることが大切なのではないかという事ではないかと思う。
大変に重いテーマを扱いながら、見事なエンターテインメント作品に仕上げたクリント・イーストウッド監督の辣腕に脱帽した作品。>
<2005年6月 劇場にて鑑賞>
<その後、様々な媒体にて複数回鑑賞>
生きるために闘い、生きるために死ぬ
最初はロッキーやクリードのようなボクサーのサクセスストーリーを描いた映画かなと思いきや、さすがはクリント・イーストウッド監督の作品。主人公マギー・フィッツジェラルドの勝利の快感を視聴者に与えながらも、視聴した人間の心を抉る展開を終盤に持っていく。その落差が急すぎて、終盤は目を離すことができなかった。
下手こいた
女性ボクサーのサクセスストーリー的な感覚で観始めた。確かにイメージ通りに話は進み、タイトルを手にしようとした瞬間から、
救いのないストーリーへと変化した。
しかし、ろくでなしの家族に囲まれて過ごす人生では味わう事が出来ない人生を自ら選択し、最高のトレーナーと出会い、散っていった彼女は決して不幸ではなかったと思う。
勝敗の果てに・・・
先日「クリード」の続編をVODで観賞後、スルーしてた今作を観賞。「ロッキー」以降のボクサーが主人公である映画は最終的には主人公が勝利するパターンが多く感じるが、そもその「それ以前」のボクシングがテーマの作品と言えば、例えば古くはカーク・ダグラス主演の「チャンピオン」やジェームズ・R・ジョーンズ主演の「ボクサー」それにジョン・ボイド主演で再映画化された「チャンプ」等最終的に主人公の勝利に繋がらない映画が多かった記憶がある。
この映画はトレーナー(厳密には違うが)のクリント・イーストウッド側の視点から主人公の女性ボクサーを描いたモノ。
「ロッキー」や「クリード」のようなお祭り騒ぎ的展開のない地味な作りだが、前半の主人公による連勝シーンは楽しい。逆に後半は辛い・・・これがこの映画の構成による勝利だと思う。
見終わった後心底残る作品になっている。
生きるとは
簡単には答えの出ないイシュー。
太く短く、充実した人生がすべてなのか。
人の重荷になることに耐えられないように育ってしまった人。
どんな姿になってもそこにいてくれればいいと思える関係だってあるのに。
『潜水服は蝶の夢を見る(実話の映画化)』のように、最悪の状況を越えたところに見つかる何かだってあるのに。
フランキーが、マギーが、こういう生い立ち・性格でなければ、また別の結末がまっていただろうに。
親友の片目に負い目を持つフランキー。
そんなフランキーに「やり切った、あれでいいんだ」というスクラップ。でも、輝いていたスクラップの今の生活は…。
家族に認めて欲しかったマギー。代わりに彼女を認めたもの。ボクシングありきの繋がりと思い込んだマギー。ボスの心を読み間違えたマギー。
見捨てられて忘れられた存在になるより、人々のぬくもりを感じたままの時で止めたいと願う生い立ち。
若いボクサーが成長していくのを見守れるフランキーやスクラップとは違う。
デンジャーは居場所を見つけた。マギーの居場所は…。
意外だったのは、神父がちゃんとフランキーの心を理解していたこと。
何故、教会に来るのか。
神を信じ、救いを求めながらも、運命をゆだねられないフランキー。
神がフランキーの大切な人々に課す試練を受け入れられずに、神の存在をあれこれ理屈で理解しようとする。
後ろ指さされるかどうかなんて薄っぺらいこと。
繰り返しマギーに言う言葉。「自分を守れ」」。
ボクシングジムを経営しながらも、致命傷を負わせてしまうのではないかと何気に腰が引けているフランキー。
大切な人を守り切れなかった。
せめて、大切な人の心・尊厳(プライド)だけは守りたかった。自分の総てをかけて。
悲しかったのは、二人をこの世につなぎとめるものがなかったこと。神すら、つなぎとめる役にはならなかった。
自分の人生をかけられるものを見つけた人の快進撃。
その中に散りばめられる、ラストを理解するための伏線。
見事。
そしてスワンクさん。ボクシングの様も見どころだが、かなり強い精神安定剤を体に入れられた時の表情。凄すぎる。
そして、どこか常にイライラしているフランキー。自分への罪悪感・怒り?それでいてスクラップやマギーに示す情愛。その複雑な愛をちょっとした表情等で示すイーストウッド氏。
そして、その存在感だけで、これからどんなエピソードが起ころうが揺らがない”場”を作り出すフリーマン氏。
見事。
これだけのテーマを持った見ごたえのある作品。
でも、再鑑賞にはかなりのエネルギーがいる。なので-0.5。
実は、ラブストーリーだと思います
なにか娘からの手紙とか、断絶とか、わざとらしい感じですが、ボクサーとコーチは愛し合っていると思います。
それを、もっと正直に表現していれば、もうすこし評価できた、と、思います。
とてもよかった
以前にレンタルDVDで見て以来2回目、前は後半病院の場面が長くてしんどかったのだが、今回はそういうものだと想定して見ていたので、そうでもなかった。時間も半分くらい病院だと思っていたけど40分くらいだった。ヒラリー・スワンクが連勝を重ねていく場面が痛快で、体の動きに躍動感と切れがあって、本当に強そう。
家族が本当にひどい。初めて見た時もひどい印象だったのだけど、改めて見たらもっとひどかった。ベッドで契約書を拒否してくれたところは最高だった。
尊厳死が広く認められる社会になって欲しい。
何が良い人生かってことを伝えたいんかな?
エンディングが、前情報無しで見たので、ほぼ予想外の展開でびっくりした。その前の部分は前フリだったんだと思うほどに。
前半部のいわゆるスポ根シーンは女性ボクサーが這い上がるという内容で、ボクシング✖️クリントイーストウッドの相性もまた良いなと思った。
その節々で家族、母が出てきて、子が思ってもみない活躍ぶりに勝手に家をプレゼントされて逆に母の境遇も分かるわーって思ってた。
またここらへんでは何がミリオンダラーベイビーなのかあまり分からなかった。
そして後半部、最終ボクシング相手の凶弾に、リングを反則的に倒れてしまう。そこから、入院生活が始まり足の切断を余儀なくされてしまう。
それを葛藤に生きるのか死ぬのか、マギーの師であるクリントが助けるべきなのか、よもや殺すべきなのか、家族に財産を分けるべきかそうではないのか、
それぞれの苦悩と葛藤が交差していき最終シーンに向かう。
彼女自身がミリオンダラーベイビーになった今、幸せとは何なのか、誰にとっての幸せなのか。
非常に考えさせられるし、胸に染み入る物語だ。
何度見ても考えさせられ、涙がとまらない。
アカデミー/作品・監督・主演女優・助演男優受賞。
そら獲るわ!
もう13年も経つけど、ほんまにいい映画。
あらためて観直してみて、また号泣。
結局とても悲しいんだけど、それだけじゃない。
不遇な中でも自分を貫いて精一杯生きた主人公の生き様が胸を打ち、またその最期も、彼女らしくて…。
・・・ 田舎育ちのマギーは13才からウェイトレスをして家計を支えながら、ボクサーになる夢を持ち続けてきた。
ロス郊外の寂れたボクシングジムの扉を叩いたのが31の時。半年分のジム代を先払いして強引にイーストウッドに弟子入り。
フランキー(イーストウッド)は女はよそへ行け、と最初は無視し相手にしなかったのに、彼女の真剣さに根負けしてついにトレーにングが始まる。そしてボクシングの才能が花開く。努力が実を結ぶ。
石頭な偏屈オーナーとの間を取り持つモーガン・フリーマンがまたええ役で。あったかくて。
とにかく惨めで貧乏な人生から抜け出したかった、というよりも、自分の居場所を、マギー(ヒラリー・スワンク)は探していたのですね。私はそう思う。
愛してくれた、唯一の理解者だった父親を亡くし、母親は変わってしまった。家族たちも、身勝手な事ばかり言う。
ファイトマネーでプレゼントした家を、迷惑だと母親に言われた時のマギーの顔…
(家なんかじゃないけど、プレゼントを親に迷惑だと言われた時の気持ち、私も経験あるからその辛い気持ちすごくわかった)
子供の頃に愛犬と別れた理由…
なぜ家族があんなにも冷酷なのか…
でも彼女は腐ったり道を外れたりしないんですよ。心の根っこが清らかなんですね。
そんな健気な不遇なマギーが不憫でたまらなく、泣けるんだけど、その悲しみを振り払うようにボクシングに打ち込み、勝って、勝って、少しずつのし上がっていく様子はなんともたくましく、勇ましく。
きっと自分を理解し認めてくれたボスを喜ばせたい一心だったのだと思う。
ネタバレになるのであまりここでは書きませんが、夢に見た初のタイトル戦でマギーに悲劇が起こります。
フィクションですが、もし自分の身に、事故でこんな事が起こったら?と考えてしまう。
生きるっていうのは、ただ心臓が動いているという事なのか?
誇り高いマギーにはああして生き続けることが拷問に等しく、耐えられず、他の誰にも頼めない【あること】を一番愛する人に望みます。
頼まれたイーストウッドの苦悩する姿が泣けますね。
残酷なお願い事ですね。究極です。
初めてこの作品を映画館で観たときは、もうこの展開がショックでショックで、頭をガツーンと叩かれたかのような衝撃で、場内が明るくなってもしばらく立てなかった。
でも、大好きな映画。
悲しすぎるけど、生きるって大変やけど、これもありか… と考えさせられる。
マギーが愛しい。
フランキーが優しい。
フリーマンがあたたかい。
抑え気味の音楽もいい。ピアノが癒される。
ぜひ、観てください。
深い感動作。
クリント・イーストウッドの監督作品でも観てみようと軽い気持ちで観たら感動作品でした。
素人だった女ボクサーが、世界チャンピオンを目指し、順調に勝ち進んでいく爽快なシーンを見ながら、これで終わるわけないよなぁと疑問を抱きました。
暴力描写や流血たっぷりですが、それ以上に重い描写があるんで、人生に苦労した成人におすすめです。
『イエーツ詩集』
イエーツの詩集
「ミリオンダラー・ベイビー」で老トレーナークリント・イーストウッドが手にしていた小さな詩集。皆さんもお気づきになりましたか?
映画が終わって、しばらく茫然としていましたがとても気になったので買って読みました。
W ・B イエーツ (アイルランド)
「湖島イニスフリィ」
さぁ 立ち上がり イニスフリィへ出掛けよう
そこには粘土と小枝で小さな小屋を建てよう
そこには九畝の豆畑と蜜蜂の巣箱を作り
蜂が飛び交う林間で一人暮らすとしよう
湖島では 少しは安息が得られよう
朝霞の立つ処にもコオロギのすだく処にも 安息は雫となってゆるやかに訪れるから
湖島では 夜半は隈なく微光に包まれ 真昼間は紫の光に輝き 夕暮れは紅雀の翼で埋め尽くされる
さぁ立ちあがって出掛けよう
昼夜を分かず湖水の波のひそやかに岸辺を洗う音が聞こえるから
車道や灰色の歩道に立っても
胸の奥処に 岸辺を洗う波の音が聞こえる
【中林孝雄・良雄 訳】
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病室を出て行った老トレーナーの背中が思い出されます。胸が痛いです。安らぎあれと、祈るほかありません。
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イーストウッドはイエーツが好きなようですね。
「マディソン郡の橋」や「インビクタス」にも彼の詩が登場します。
名作だか何回も観たくない。評価むずっ!
グラントリノと似たタイプの作品。
個人的にはグラントリノの方が好き。
それにしてもイーストウッド凄いわ!監督、俳優そして音楽まで・・・三國志の黄忠より凄いじーさんじゃわ。
ただ人工呼吸器付けて気管切開したら発声は難しいと思う。発声するにせよ条件があり、出来たとしても最初からあんなにハッキリと声は出せないと思う。
さらに内容的にも何回も観たいとは思わなかった。
それでも心に刺さるし、考えさせられるし、名作には間違いない!評価がムズい!今後も自分の中の評価も変わりそう。
映画が好きなら1回は観るべき作品だと思う。
熱血ボクシングムービー
と思いきや。いや確かに途中まではそうなのだが…。えっ。
エディは誰に向けて語って/書いているのだろうと、終始気になっていたが、なんとも言えない余韻とともに回収される。
最近観た『運び屋』『グラン・トリノ』もそうだったが人生の終焉について考えさせられる。
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