劇場公開日 2005年5月28日

「【人生は不条理に満ちている。しかし、試合”人生”に形式的には負けても、”尊厳を持つ”事の尊崇さを示した作品。】」ミリオンダラー・ベイビー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【人生は不条理に満ちている。しかし、試合”人生”に形式的には負けても、”尊厳を持つ”事の尊崇さを示した作品。】

2020年6月21日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、映画館、TV地上波

悲しい

興奮

難しい

ー様々な問いかけを観る側に与える名作であるので、感想のみをシンプルに記す。ー

・この作品に深い趣を与えているのは、スクラップを演じたモーガン・フリーマンのビロードのようなモノローグであろう。

■何度観ても、憤り、涙するシーン

 ・ボクシングタイトルマッチでの頸椎損傷により呼吸器装置で生命を維持する状態になってしまったマギー(ヒラリー・スワンク)が愚かしき母及び家族の言動を聞き、契約書のサインを拒否するシーン。
ーどこの世界に、自分の娘の生命を心配する前に、自分の生活保護打ち切りを心配する親がいるのだ! 毎回、激しく憤る。-

 ・マギーに対して、フランキー(クリント・イーストウッド)が涙を流しながら”モ・クシュラ”の意味を伝えるシーン。

 ー上映当時、賛否を巻き起こしたマギーに対しての、フランキーの行為について。ー
 フランキーは、詳細は語られないが、家族に纏わると思われる出来事を悔いて、毎週教会に通っている。
 口にする言葉も、どこか人生に対して諦観している風がある。
 その彼が、当初は固辞していたが自らコーチをしたマギーの生死に”決意と責任をもって”決着をつける姿は哀しいが、是としたい。

<尊厳死とは肉体は滅びても彼の人の魂に”尊厳を持って生きる事”を与える行為であると私は思っている。
 只、この作品でクリント・イーストウッド監督が示した事はもっとシンプルで、人間は自らの最期に”良い人生だった”と思える事が大切ではないか。悔いのない人生を送ったということを自ら感じることが大切なのではないかという事ではないかと思う。

 大変に重いテーマを扱いながら、見事なエンターテインメント作品に仕上げたクリント・イーストウッド監督の辣腕に脱帽した作品。>

<2005年6月 劇場にて鑑賞>

<その後、様々な媒体にて複数回鑑賞>

NOBU
talismanさんのコメント
2021年2月27日

悲しくて再度鑑賞が未だできません💧

talisman