メメントのレビュー・感想・評価
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ノーラン初期の、そして屈指の変態作品…いや、傑作(笑)
シネクイント渋谷で鑑賞。シネクイント20周年企画で!
妻を強盗殺人で亡くし、そのときの怪我で短時間の記憶ができないレナード。妻殺しの犯人を見つけるため、彼は身体中にメモを残す。メモを頼りに自分はどこから来たのか、目的は何かを追跡していく彼の真実とは…。
ノーラン初期の代表作で、作品の変態ぶりもノーラン屈指と言えるメメント。いや、傑作なんやけどな。物語の性質は全然違うが、テネットにおける時間の逆行はどうしてもメメントを思い出してしまう。ついでに、テネットの変態作品ぶりも。
この作品を初めて見たのは大学の時ですね。一時期レンタルするのにハマってた時期があり、お姉ちゃんの薦めで借りたんですわ。色々借りて見たわけですが、強烈に印象に残った一本でしたね。後にインセプションが公開されたとき、なんじゃこの変態は!?と思ったもんですが、監督の作品の中にメメントがあり、納得したのを覚えてます。
今公開されてるテネットに一番近い感覚の作品ですね。今ではさすがに理解しますが、マジで初見では理解できない。というか、映画始まってから暫くは物語を理解できないんですよね。これなんの話だ?場面が切り替わるが意味は?ホントわからないし、深く考えても仕方ない。でも徐々にピースが繋がっていく。そして終盤で全容が見え、この作品の輪郭をとらえた瞬間の快感、面白さですかね。
テネット風にいうと、順行ルートなエピソードと逆行ルートなエピソードが交わる瞬間、モノローグがカラーに変わるわけですが、あの辺りはホントノーランらしい。というか、ノーランの基礎ですね。今では、ノーラン作品と知れば驚きはしないですが、メメント公開当時は無名やからな。そら、衝撃だったでしょう。
何度見ても、終盤で話の全容がはっきりする部分は見入ってしまうわ。テネットが公開されたこのタイミングでよくぞ、再上映してくれたって作品です!
難しいけど面白かった
クリストファーノーラン監督作TENETが公開され、TENETが過去作メメントっぽさがあると聞いたので、初めて鑑賞した。Amazonプライムは素晴らしいサービスだ。
確かに時間軸が分かりにくいところが似てる。また、メメントのストーリーが現在と過去の真ん中に向かって進んで行く点は、TENETの"挟撃"みたいだ。
現在と過去の真ん中に向かって進んでいく映画というのは、凄いこと思い浮かぶなぁと感心するね。また、過去からの展開は白黒、現在から遡っていく展開はカラーで進んでいって、最後真ん中で白黒映像がカラーになって時間が繋がるというのは、素晴らしいアイデアだ。
クリストファーノーランは新しいことに挑戦していく監督であり、それでいて映画が崩壊せずにまとめれる凄い人だなと、感心する。
17年前に観た記憶が無くなってた・・・メモっとけよ・・・
これは観客の記憶力を試すための映画か?!冒頭のシーンから徐々に逆戻しで見なければならない映画。新しい記憶ができない男が主人公であるが故に思い切った編集にできた内容でした。しかも逆行と順行、二つのストーリーが最後に結びつき、テディの正体もわかる驚愕のラストエピソードが面白い。
『TENETテネット』(2020)を観てから再確認してみましたが、銃弾の逆行はこのメメントで既に使われていたことを再確認。さらにモノクロ映像では、レナードが保険調査員として調べていたというサミーの健忘症について詳細に順行しているエピソード。しかもその事実自体も彼の創作であったことも最後にわかる(時系列でいえば最初)。
レナードは初っ端にテディを殺してしまうが、何故テディが殺されなければならなかったのか、真犯人は誰なのだ?と観客を魅了させるのだが、レナードが前向性健忘症のため謎が謎を生んでしまう。
見終わった後で話を繋ぎ合わせて再チェックしなければならないという心理を利用させて、リピーターが公開当時に続出したらしい。今だと、録画したものにスキップチェックを入れておけば逆再生も簡単だし、ストーリーを把握する上ではいいのかも。
インシュリンの恐怖。妻(レナードの妻ともサミーの妻とも言える)が覚悟の上の自殺目的で時間差を利用してインシュリンを打たせる。レナードの健忘症を利用して売人を撃退しようとするナタリーの存在。自分自身の存在価値と生きる上での目的意識。メモそのものにも偽りがあるなど、色んな要素が暴露され、好奇心も刺激されるという、とんでもないストーリーだった。恐るべしノーラン監督。
なお、短期記憶障害ものとして、この作品以降は『50回目のファーストキス』など多くの作品が作られるきっかけになったエポックメイキング作品なのだろう。個人的には邦画の『ガチ☆ボーイ』(2007)が好きです。
10分しか記憶が持たないなんて
記憶障害を持つ主人公が妻を殺した犯人を探す話。
いきなり犯人?を殺した展開に驚いた。実はこいつは犯人じゃない?騙されてる?色々と想像が膨らみ、いきなり引き込まれた。
しかも時系列が逆でどんどん過去に進んでいく展開、記憶障害も相まってなかなか核心に迫らないモヤモヤ感が凄かった。最近、殺人者の記憶法を観たからか、時系列めちゃくちゃで妄想も混じってる展開なのかと思ったけどそうじゃないから良かった笑
そしてちょくちょく挟まる白黒シーン。これは対照的に時系列通りに進んでいく展開で、この2つの時間軸がラストの方で交差したとき、芸術的で美しいと感じた。
他の作品もそうだけど、この監督は時間にこだわりあるのかな。
始まりと終わり
10分しか記憶がもたないガイ・ピアース、にピンと来たので劇場公開時に鑑賞しました。
ナニコレスキスギル!
裁縫のかえし縫で後ろに下がっていくような流れ、って何言ってるかよくわかりません。
構成/仕掛けに萌えます。「これはこういう意味があったのね(キュン)」「あれがこうつながるのね(ハアハア)」「伏線素敵抱いて」物事が見た目通りのことなんてない、と改めて思い知らされました。
あまりのインパクトに一時期は「時系列順に映される映画なんてつまらん」と思ってました。恥ずかしい。
後にDVDで時系列順バージョンを見ましたが、単なる答え合わせにしかならないので、そこがやや物足りないところでしょうか。
2024/4/20劇場にて2度目。
欺かれ続けていると思ったら、自らを欺いていて、さらに欺かれていると見せかけて欺いていた、という。ついでに観客も丸ごと欺くという、超絶変態構成なのがもうね。サミーは忘れてたからギョッとした。
少し難解。なんとなく物語の概要は掴めたものの、あまりスッキリしない...
少し難解。なんとなく物語の概要は掴めたものの、あまりスッキリしない。
幻想を追う主人公・レナードと彼を気兼ねて優しくしているおじさん。
そのおじさんは物語の冒頭で殺される。
その時点から、過去に遡っていく…ってことかね?
10分しか記憶を持てない主人公を体験できる見せ方が秀逸。
二人目のジョン・Gへの偽復讐を起点に、少し前から進む時間軸と少し後から戻る時間軸が交互に入るという構成を把握していないと、全然話が入ってこない。かく言う僕も初めの30分までそれに気付かず、最初30分二度見ました(笑)
普通に記憶力のある見ている側が、記憶を10分しか持てない主人公にどう感情移入できるんだ?と考えていましたが、この作品の場面を短く区切り、時間を遡る見せ方は、まさにレナードの視点を見ている側も体験できる秀逸な見せ方でした。
しかも、すでに冒頭、ジョン・Gへの復讐を果たしたところからスタート。目的を果たしたところからのスタートでおもしろくさせるのかと思っていましたが、この時間を遡る見せ方とエミリー、テディなど登場人物たちの本性が分からず、正にレナードと同じ目線になれて、作品に入り込むことができた。特に、エミリーは場面によって性格が変わって怪しげな雰囲気が恐かったですね。
そして、最後の怒涛のネタバラシ!作品中でナタリーが「復讐したって、そのこと忘れちゃうんじゃないの?」っと正論を言ったけど、まさにそれが最悪の形で伏線になっていましたね。。無関係のジョン・Gを探し続けて、お門違いの復讐を繰り返す衝撃の展開。まさに、言葉を失いました・・。三人目のジョン・Gに復讐した後も、レナードは第4のジョン・Gを求めさまようことになったんだろうか・・
メメント三昧の1日
10分経つとその間の記憶がなくなってしまう記憶障害を持った男の話、というのは、前々から多少知っており、興味があったのですが、映画を見はじめても、なかなか話が見えてこなくて、もどかしい。
つかみどころがなくてわかりにくくて、前に見たシーンが時々、繰り返される・・これは何なんだろう?・・・謎の多いまま終盤を迎え、何となく「これは、シャッターアイランド系かな?」と思ったものの、頭の中で論理的にストーリーを整理することができず、ほとんどすぐに、二度目を観賞。(笑) しばらくして、吹替でも観賞してしまいました。
二度目見たときに、「あ、これ、エンディングから始まってる」と、この時気付きました。次の場面の最終シーンが前の場面の冒頭に来ています。多少、メメントでググって、「逆再生」とあったので、やはりそういうことかと納得。ワンブロックずつ(多分、10分間単位)、反時系列で遡っていっているんだろうけど、こういうのは、左脳よりも右脳で考えるのが得意な人の方がイメージしやすいのではないかと思いました。
カラー映像が逆時系列で、モノクロ映像が通常時系列だったら、どこかで「つながるところ」があるはずと思ったら、ありましたー!
普通のミステリーで時系列を交錯させるだけならば、見る人はこれだけ混乱させられなかったでしょう。レナードの記憶の喪失を視聴者が追体験することで、まんまと、トリックにはめられたという感じなのかもしれません。
それにしても、自分の中では謎の部分がまだまだ残っています。
レナードが電話で喋っていた相手は誰だったのか?
本当はレナードという人は存在しなくて、サミーの話で、サミーが精神病院で妄想を膨らませていただけだったのかも。
麻薬の売人がレナードに「サミー」と呼びかけて、レナードはそのことを不信に思っていました。レナード=サミーであるという正体がばれるのをひどく怖れていたようにも思えました。
疲れましたが、充実した1日でした。笑
2回見ないとわからない映画
この映画は難解です。
1回見ただけでは監督の意図する本当の目的がわかりません。
結論から言うと、この映画の謎に答えはありません。
妻をレイプし殺した犯人を主人公が殺害し復讐を果たしただけです。
主人公はそう思っているのです。
謎は数多くありますが、これらの謎に答えはありません。
なぜなら監督は最初から答えなど用意してないからです。
すべてが推測でしか答えることができない。
これが監督の本当の目的です。
主人公の名前は本当にレナードなのでしょうか?
まぜ麻薬の売人ジミーは死ぬ間際サミーと言ったのでしょうか?
ジミーは主人公の事を一度もレナードとは言ってません。
そもそもテディは本当の事を言ってるのでしょうか?
主人公の記憶は本当に正しいのでしょうか?
サミーという存在はテディの言ってる事と主人公の記憶とどちらが正しいのでしょうか?
それともどちらも正しくないのでしょうか?
すべてわからないのです。
わからないから面白いのです。
断片的記憶の連続
「パルプ・フィクション」が映画の基本構造を破壊して以来、直線的なストーリーラインをなぞらず、今作ではこんなフラッシュバックの使い方があるのかと考えさせられた。レナードがテディを殺害するパート(最も現在)から全ての真実を明かされ新たなジョン・G捜し(過去)までを逆説的に描く手法。モノクロのシーンは大過去であり、簡易的に示すとこうなる。
モノクロ(大過去)→真実を知る(過去)←テディ殺害(現在)
(過去)の時点に向かって物語はパラレル構成的に進展していく。つまり、(過去)の真実を知り、新たなジョン・G捜し(テディ)をするのがキイ・インシデントとなっている。これらのシーンは全て連続性があり飛躍的なシーンの転換はほぼ見られない。信用できない人間を主人公の周りに配置して、またそれを安易な人物像ではなく主人公の記憶障害による疑心暗鬼へと観客を導いたのもこの映画の魅力。観客も主人公と同じ目線で同じ情報量で真相に近づいていく。後に世に放たれる「ダークナイト」を観て初めてノーラン監督の存在を知り、映画の深みにハマっていったが、本当にこの人の映画における時系列の操作。時間の扱い方が上手だなと感心させられる。モノクロからカラーへと移り変わるシーンをとっても、セリフではなく映像だけで状況を説明している演出。ノーラン監督の画期的な方法を追求する姿勢や映画へのこだわり、考え方には脱帽します。
モヤモヤして楽しい!!
らせんのように進行し、前向性健忘を上手く表現していたと思います。主人公騙されてるだろと思って観ていたら、観ている人が騙されていたというのはナイスでした。謎を解き明かすというよりは、都合の悪い事は忘れて良いし、それも主体性だという事を学びました。同じく前向性健忘がテーマの小説、小林泰三の「記憶破断者」とはまた違った感じで楽しめました。
77点
結末からの逆の見せ方斬新!
けどやっぱりちょっとだけ分かりにくかった!
あと予想はついたけど最後はシャッターアイランド風ですごかった。
潜入捜査官を怪しく見せさせすぎてこんなやつおらんやろってなったw
もっかいみたくなる映画
久しぶりにじっくりと
何年ぶりかに観ましたが
面白いですねぇ。
記憶障害を皆で利用する…当の本人も。
結局みんな嘘つきでしたね(笑)
記憶は自分に都合良く改竄されて、都合良く記録される。
自分で書いた曖昧なシナリオを自分でミステリー風に解いていく…。
面白いです。
一度は見た方がいい!
かなり好きな作品です!
映画の作り方を覆して、結末から戻っていくと言うこの作り方にまず痺れましたw
是非見た事ない人は見てほしいです!
映画の内容を楽しみながら、映画の作りの良さも味わえると思います!
嘘で塗り固められた記憶
時系列を遡るプロットということで初めは混乱していたが、ドッドが登場してきたあたりから面白くなってきました。レナードを利用しているテディとナタリーは互いを「嘘つき」だと言い、こちら側までも疑心暗鬼になり、物語へ引き込まれた。個人的にゾッとしたのは、ナタリーが自宅中のペンを隠し、レナードがメモを取れなくした時点で、レナードに自分を殴らせ、レナードの記憶が無くなるまで車で待ったあとで「ドッドに殴られた」と言ったシーン。おーおーおー嘘ついてるこいつ!ってなりました。あとレナードが刺青したメモというのが、単なるメモではなくて、レナード自身に都合のいいメモだったというのもそう。記憶が無いことをいいことに、自らの記憶を改竄している。レナードが何人のジョン・Gを殺してきたか知らないが、記憶が無いなら立証は難しいんだろうな…と思った。テディを殺害したあとレナードはまた写真を燃やし、テディを殺害したことを忘れてしまうのだろう。
THE映画
小説では決して再現できない、THE映画と言っていい作品でした。
時系列が真逆で進むため、あやふやになることが何度もあり、なかなか頭が混乱する映画でした。
何度も見れば見るほど理解していける映画ですね。
一度見ただけじゃ理解し難いと思います。
結果、記憶がなくなるのをいいことに利用し合う人間達、自分自身の記憶障害すらを利用する主人公。
複雑で悲しい物語でした。
ハッピー要素はゼロでしたね。
以前字幕で見た際にすごく面白いと感じたのですが久々に見返して見たら、そこまででした。
見終わった後に頭にどしんと重くのしかかるような複雑な話でした。 今...
見終わった後に頭にどしんと重くのしかかるような複雑な話でした。
今まで観た映画の中で1番頭使いました。
時系列を遡る映画でこれがあそこに繋がってだからああなってっていう確認の連続なのでまあ観ていて飽きません笑
もう一回見た方がきっと理解できるのだけれども、少し時間置いてからまた見たいです(考えるのが疲れる笑)
「記憶は自分を確認するためのものだ」
私も日々の生活の中で「あれなんでこんな事したんだっけ…」となることはたまーにあるのですが(冷蔵庫に冷凍のひき肉を入れてしまったり笑)
そういったことが連続してあると自分を疑うし、こんな事知らずにやった自分に恐怖すら覚えます…
主人公は忘れる恐怖に毎回付き合うとなると普通記憶してる人だと辛いと感じる感覚が、忘られることでその感覚すらないとなるとある意味幸せなのか、、その分周りが辛いだろうけど…
しかし、サミーの話で彼は記憶障害なのに調査員のレナードに会った時、前にも会ったような目をする。普通の生活が送れないことに恥じて少しでも普通の人と同じように振舞おうとする姿勢があるということにやるせない気持ちでした…
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