メメントのレビュー・感想・評価
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とても良い映画
前から気になっていたこの作品…暇つぶしにと思い、借りてみたら、まさかのクリストファー・ノーラン!(笑) 初っ端の場面に、過去の記憶を辿るかのような、まさかの逆回しのシーンが(笑)…今まさに公開中の『テネット』のアイディアは、すでにこの時からあった!?(笑)…まだそちらは観てないけど。 で、この作品、前向性健忘に見舞われた男のサスペンス・ドラマ…最後まで目の離せない展開のストーリーで、とても面白かったです。『インセプション』もそうでしたが、この監督は、ひねりの利いた、というか一筋縄で行かない物語が好みなんですかねぇ…観ている方はなかなか大変ですが(笑) 主人公を演じたガイ・ピアーズが、狂気と正常の間(はざま)のギリギリさ加減を見事に演じています…そして、その心の不安を、監督が見事に演出しており、秀逸でした。 もう一回観ると、見逃した事もまた発見出来そうな、そんな作品でした。 オススメ!
【書き換えられる記憶】
弾丸が銃口に戻る場面は、確かにTENET を彷彿とさせる。 また、記憶を断片的に過去に遡る手法は、単に時系列に従ってストーリーを追うのと異なり、僕達の記憶にチャレンジしてるかのようだ。 そして、結末を知りながら、大元となる事件に辿り着き、また、それが結末であるという仕掛けにハッとする。 こうしたところがクリストファー・ノーランの独自で独特な手法なのだと思う。 映画の様々な手法は、ほぼ出尽くしたのだと言われて久しいが、クリストファー・ノーランはTENET などで、なお挑戦を続けているのかもしれない。 真実とは何だろうか。 僕達の長期記憶の中にある「真実」と信じているものと、10分間の記憶の繰り返しの中でしか生きられないレナードが「真実」と信じているものに決定的な差はあるのだろうか。 心理学者によると、人は、3度同じ嘘をつくと、その脳は、それを事実として認識し始めるようになるらしい。 僕達の記憶が如何に危ういのか。 僕達も自らの都合に合うように記憶を書き換えていないか。 (以下ネタバレ含みます) ↓ ストーカーも実は似たようなものかもしれない。 あの人は、自分に優しい。 あの人は、きっと自分のことが好きに違いない。 あの人は、自分のことが好きだ。 絶対好きだ。 だから、自分を拒絶はしない。 しかし、 何かの間違いだ。 誰かに騙されているんだ。 他に誰か好きな人が出来たんだ。 これは決して精神障害ではないだろう。 レナードもたった10分の間に、自身の感情にそぐわないものを消去したり、改竄していく。 きっと、重要なのは、感情なのだ。 レナードにとって、それは妻を失った深い悲しみだ。 僕達の記憶は、自ら改竄されていないか。 深い悲しみのほか、怒り、一時の喜びなども記憶を書き換えているかもしれない。 苦い記憶も楽しい思い出も様々あるだろう。 この作品の実はプロローグとなるエピローグは切ない。 妻を直接死に追いやったのはレナード自身なのだ。 妻はレイプされ、自分は殴られ短期記憶に障害を負う。 妻は、10分しか続かない記憶を利用して、糖尿病のインスリンの注射をレナードに何度も打たせ、命を絶つ。 なぜ、妻は死を選んだのか。 レイプ? レナードの障害? 将来への絶望? もしかしたら全て? 僕が想像するに、妻が去り、決して答えの得られない深い悲しみは、たとえ短くても記憶を改竄するには十分だろう。 いつのまにか、自分や妻以外に原因を求めても不思議はないのだ。 自分の記憶を奪ったのは誰だ。 そいつが妻を殺したのだ。 妻が亡くなったストーリーは他人に置き換え、自分の物語を構築していく。 復讐しなくてはならない。 記憶は長短に関わらず、感情によって書き換えられてしまうのではないのか。 レナードは、彼の短い記憶の障害もあって、ループした世界に止まらざるを得ない。 特定の記憶に囚われて生きるのは悲しい。 しかし、もし人が特定の感情に囚われて生きているのであれば、レナード同様、悲しい存在なのではないか。 クリストファー・ノーランは、こうしたことも示唆しているのではないか。 そして、よく考えてみたら、歴史もそうだ。 古い歴史は為政者によって、大きく書き換えられてきた。 そして、悲劇も繰り返されてきた。 僕達も、その時々の感情によって、レナードがメメント(断片や記念物)に少し手を入れるように書き換え、歴史もその時々に都合よく書き換えられ、皆、大きなループの中に止まって生きているに過ぎないのかもしれない。
記憶を維持出来ない、という擬似体験。
何が本当で、何が嘘なのか。自分のメモすら信じられない世界を、レナードと一緒に記憶を断片的に繋げていく。 10分しか記憶が保てないというのが分かれば、自分の都合良く利用しようとする人達ばかり。と思いながら観てしまうので、登場人物全員の誰の言葉も信用出来ないまま、監督の思うツボにハマっていってしまう。 モノクロのシーンと、カラーのシーン、この仕組みに途中から気付いたものの、どうしても記憶の断片を組み上げられず。冒頭のシーンから伏線扱いとなっているが、テディのラストシーンでの告白でも、自身の理解力では70%程度が限界でした笑 徐々に真実が明らかになっていくだが、全ては『妻を愛している』ただそれに尽きる。10分という今と、鮮明な過去の記憶。その記憶の危うさ、メモ(記録)の重要性、それをラスト全て覆してくるのもさすが。 娯楽としても、作品としても、文句無し。数十年前の映画とは思えない完成度の高さ。推理系サスペンス好きにはたまらない。
秀逸な脚本
10分しか記憶を保つ事の出来ないレナードは妻を殺害した犯人を写真とメモを頼りに追い続けるが…。 クリストファー・ノーラン監督作。犯人の射殺から始まり徐々に物語を遡っていく異質な作品で、起承転結をひっくり返しても起承転結が出来上がる脚本の緻密さが好きな作品です。
メモがあるかぎり
彼は同じ事を繰り返すんだろうね。なんか切ないやら悲しいやら。 時系列に沿わず、チグハグな繋ぎ方。でもそれがいい。 短期記憶障害の主人公を上手く使ったストーリー。結局自分がメモした事を信じるしかない。なぜかテディは信用できないし。 終わり方はとても不完全燃焼。勧善懲悪でもない。マジで糞ムズイ内容。
頭の混乱と納得感。
本作は、時間の流れと、時折挟まれる主人公の個人のカットで、鑑賞者の頭を混乱させながら ストーリー全体に意味を持たせている作りをしているように見受けられます。 私は頭悪いので、時間の流れと主人公の個人のカットが意味する内容を理解できず ネット上に落ちている解説を見て納得いたしました。 最初は空っぽで見てみてもいいかもしれませんし、 旧作ですのでVODやレンタルDVDとうで順次内容を理解し、進めていくのも 面白いかもしれません。
ノーラン監督の弟の短編小説が原案
・記憶喪失ものというジャンルが存在する ・記憶喪失ものでは、どうにでもできちゃう可能性を秘めてる(らしい)けど、短期記憶喪失は制約がある ・記憶喪失の疑似体験映画 ・主人公には時間感覚がないから、観客も時間感覚を失うように時系列が逆転している。しかも、二つの時系列がカットバックし、合間に回想シーンも挟んでる! ・人の記憶は巧妙に、自分の都合のいいように仕掛けることがある ・その映画の本質はマルホランドドライブ的ともいえるかも ・人は世界を見たいようにしか見ない ・そのために、自分の行動を選択する ・そのなかで利害関係が一致する他人と一緒にいる ・テディの憎めないキャラが魅力的 ・バーにいたオヤジもいい味だしてる! ・視野の狭い人間は周りの利用される ・普通に時系列通りにつないだら、主人公を客観的にみることになるが、時系列を崩すことで主人公自身の視点でみることになる。 ・主人公の視点になるのは記憶喪失ものの強みでもあるけど、編集がその効果をより強めている ・クリストファーノーランは、ダンケルクもそうだけど、観客に体験を届けようとしている。 ・人はなぜ写真を撮るのか。それは自分の記憶の曖昧さを補うためではないのか。
時間軸の斬新さは今も変わらず
公開当時、時間軸の斬新さで話題になっていて、それを強く意識して見て、手法や映像スタイルに相当見入った記憶がある。 物語の構図はさておき、映画そのものの構図が理解できてそこに面白みを感じるだけで満足したような・・・ どういう映画なのかわかった上でもう一度見ると、ストーリーはよくわからない作品だというのが印象強い。複雑でしかもすべてを丁寧に説明しきっていないように思えたため、難解さを感じる。繰り返し見るとそれだけ謎が見えて、さらに見て理解しようとするけれど、意外と明確な情報は少ないような気がする。あくまで予測や想像で具体的な内容を見つけていく必要がある。それが面白いか面倒かは、個人差があるだろうが、かなりの時間を要することだけは確かな気がする。 とはいえ、この作品の醍醐味は一見しただけで理解できるし、その特徴は未だに色褪せていない気がする。 クリストファー・ノーランの監督作品の面白さは、ストーリーテリングにはないということを再確認したような気がする。
ややこしい
結末を最初に見せて、一から順に結末に向けて話を見せるってのは漫画何かでもよくあるけど、結末から逆再生っていうこのやり方は斬新、ただややこしいw 今が現在なのか、過去なのか、未来を見せてるのかわからなくなる時がある、インセプションみたい。 さすがクリストファーノーラン!
【映像の中で”時”を魔術師の如く操るクリストファー・ノーラン。究極の”ループムービー”でもある。】
頭脳、フル回転で観る映画。 実に面白い。 モノクローム画とカラー画の使い分け方・・・。 ■メメント:”思い出せ” ■メメント・モリ ”死を思え” - クリストファー・ノーラン監督が、騙し絵の”エッシャーの大ファン”であることは有名だが、今作で彼は観客を騙す(惑わす)事が出来たのか・・。- ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ■レナード(ガイ・ピアース)は妻を犯され、殺される。 その際に受けた頭への傷が原因で、”新しい記憶が消えてしまう”事に悩まされつつも、 ・周囲での出来事を”ポラロイドカメラ”で写し、写真の裏にコメントを残し ・身体中にタトゥでメモを残しながら、 犯人を捜すが・・。 ■数々のメモ(可成りミスリードされる。上手いなあ、凄いなあ・・。) ・胸には”ジョンGが妻を犯し、殺した” ・”サミーを忘れるな”・・・ - レナードが保険屋だった頃、顧客だった、サミーの妻が、夫の記憶障害を確かめるために”ある覚悟”で何度もインシュリン注射をさせる場面。ー (サミーが出る場面はほぼ、モノクローム画である・・。) 夢か現か・・・。- <解体された時間軸の中で、断片的情報を”フラッシュバックを効果的に用い”、錯綜する物語を整然と造り上げた作品。> ■何度観ても、鑑賞後の解釈にブレが生じる作品でもある。 完全にクリストファー・ノーラン監督の勝利である・・・。
★3.5
間違いなく名作の1つですね タトゥーでメモを取るとゆう発想がインパクトに残る表紙にも生かされてる よめないストーリー展開でレナードの立場になってみてみるとより一層おもしろい 逆から進んでいくとゆう斬新な話の進行具合は人によってはごちゃごちゃになりそうだけど個人的にはおもしろかった とりあえずレナードに抱かれたい
脳を使う映画
なんの予備知識もなく見てしまうとかなり混乱する。 なんとか理解しよう、理解しようと脳をフル回転させて見る感じ。 かなりの集中力がいる作品なので、疲れている時にはおススメしま せん(^^;) 見て良かった!という内容ではないけれど、 こういう作り方もあるんだなーと知れた作品かな。
記憶とは果たして正確なのか…
めちゃくちゃ難解映画。 DVDの時系列を戻したバージョンを観て完全に理解した。 正直、物語自体はあんま深くない普通のサスペンスなのだが、時系列を崩すことにより伏線が散らばり伏線に気付いたときの爽快感といったらすごい。 この作品で学んだこと 記憶は不確かでありメモは大切。しかしそれ以上にノーランはやっぱり天才!
映画を見た後、他の人が書いた考察を読んで「ああ~!そういう事!!」と感動できる映画。
この映画は1回、いや2回見ても「??」となる人が多いと思う。 けれど映画の作りがうまく探求心をひどくくすぐられるので「あのシーンの意味は?」「あの人の目的は?」「結局主人公はこれからどうなるの?」と気になってしまう。 幸いな事に、メメントは他の人がたくさんネットに考察を載せている。 だからそれを見よう!! そうすると、「ああ~~~そういう事!!」と感動する。 この映画の内容が理解できなければできないほど、他の人の考察を読めばまるでコナンの謎解きのように「はっ…!」となる体験ができる。 だからこの映画は、映画を見る自分+それを考察してくれる他人の力が合わさって初めて完成された作品なんじゃないかと思う。 コナンで例えるなら映画が謎パートで、他人の考察が謎解きパートなのだ。 映画自体はしっかり作られていて考察に耐えられるよう綿密に練られた構成をしているので、見て損はないぞ!
難解かつ独特なストーリー展開
題名にもある通りこの作品は物語の展開が独特で開始10分くらいまで物語の進行についていけなかった。というのも、普通は起承転結で物語が進行していくのに対し、この物語は結末から始まり一定の間隔で『起』に戻り、また一定の間隔で『結』の続きに戻りと交互にストーリーが進行して最終的にはそれぞれ『起』と『結』から進行したストーリーがくっついて物語の真相が分かるという独特の展開であったからだ。 また、主人公レナードは後遺症により10分程度しか記憶を保つことができずポラロイドカメラで撮った写真や自身が書き残したメモを頼りに行動するため、何が本当で何が嘘なのか、今まで自分が何をしていたのか、彼は覚えておらず、結末から戻る形でストーリーを観ている我々にもわからない。これらの要素がこの作品を読み解くのを難しくしている理由である。 あらすじを見てこの映画を視聴したにも関わらず物語の進行についていけなかったのが悔しかった。物語の最後に『起』から『結』まで分かりやすいようにまとめてくれるのではないかと期待していたがそのような描写はなかった。独特なストーリー展開、10分の記憶、嘘をつく人物、これらが視聴者を混乱に陥れている要素であり、僕はこれに完全に踊らされ、真相を知った後も全くスッキリせずに視聴を終えてしまった。
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