メメントのレビュー・感想・評価
全179件中、61~80件目を表示
記憶は全て自分の都合のいいように書き変えられていく。
TENETを観た後にこの作品の存在を知り観たが、ノーランの真髄がここにあることがわかった。
ストーリーは、ノーランの他の映画と同様に1回観ただけではわからないくらい難解。
でも、引き込まれていくところが、彼の作品の最大の魅力だと思う。
10分しか持たない記憶の中で生きていくことを疑似体験する感覚は、TENETで感じたような時間への混乱を生じ、
自分が今見ているものは現実なのか過去なのか夢なのか、足元がグラグラするような感覚に襲われる。
まったく別の話になるのかもしれないが、「サピエンス全史」によると、文字ができる前までは、人間は全てを記憶していたとのこと。
どの草は食べて良く、何が毒なのか、動物を仕留める方法や道具の作り方、誰が仲間で、敵は誰なのか、季節の移り変わりや天気の変化や歩いていく道や
全てを覚えている、または、口伝えで伝えていくことが生きていくためには必要だったとのこと。
だから、脳の大きさもホモサピエンスより、最終的に文字を持たずに絶滅したネアンデルタール人の方が大きかったということも納得できる。
文字ができたことにより、また、文字を紙で残し、伝えていくことができるようになってから、
人間は、全てを記憶しなくても、記録をして残しておくことで、過去を知ることができるようになった。
しかし、それは、残っているものが正しいものという錯覚を引き起こしているのかもしれない。
現代の私たちの脳は、色々なデバイスを使いながら、どんどん楽をし、自分にとって都合のいいように記録を残している。
積み重なる記憶と記録によって、自分を何に翻弄されているのかを考えさせられた映画だった。
ノーランよ、小品に戻れ。
再々見。TENETよりこっち。
過去が記憶が人を人たらしめる、か。
この監督の撮りたいのは断然こちらと見て取れる。
主役の阿呆面が怖いと思えたから成功作。
クリストファーノーランは小品に戻るべきだ。
クリストファー・ノーラン作品が観たくなって
テネットを観て、他どんな作品があったかなと思い探していたところ、昔観た映画があり、久々に観ました。
これも、「時間」がテーマの作品で、テネットの様な「時間の逆行」とは違いますが、過去に遡っていく作品です。
1回目観たときは、難しすぎてあまり理解が出来ませんでしたが、今回久しぶりに観て、バラバラだったピースがどんどんとはまっていく感覚で、最後、そういう事だったんだ!と、とても満足した気持ちになりました。
次また観た時に、新たな発見などを期待して、星マイナス1です。
時間というテーマを追求
20089.テネット後に再鑑賞。まさにフィルムノアール。メメントはフォロウィングに続く、ノーラン監督の長編2作目。この2作において、既にテネットの世界観が表現されている。レッドとブルーに対して、モノクロとカラー、短髪と長髪。時間をシャッフルするのではなく、順行と逆行が平行し、逆行が順行に繋がるテネットの映像に改めて感嘆
時系列がバラバラで難解だけど面白い。
『メメント』鑑賞。
*主演*
ガイ・ピアース
*感想*
ノーラン作品が盛り上がってるので、メメント鑑賞。←2回目ですがw
記憶障害を持つ主人公が妻を殺した犯人に復讐するお話ですが、かなり複雑です!
何故かといいますと、この映画は時系列が逆向きに進行していくので、エンディングから始まるんです。
犯人の手掛かりが彫られた刺青、写真とメモをとりながら主人公は犯人を見つけ出す為、奮闘!しかし、新しい記憶が10分間しか保てない為、数分前の出来事がすぐに忘れてしまいます。これがなかなか厄介!
2回目で、やっとわかりましたが、それでも細かい部分がありますね~(特にナタリーとモノクロのシーン。)
難解なストーリーでしたが、面白かったです。
アイデア、演技、演出、構成、全てが噛み合っている
久々に観たけど面白い。
ストーリーを理解できるかどうか?で言えば、ほぼ初見殺しの映画ではある。これ以上難しくしたら、逆につまらなくなるんだろうなと思う。しかし鑑賞者に対し、絶妙な具合にネタを小出しにしてくる。だから先が気になってしょうがなくなるのがにくい。
時間軸が逆行していく、というアイデアが斬新すぎるのはいわずもがな。要はそのアイデアをどのように観る人に伝えて行くのか?その演出だったり構成がまた秀逸すぎる。
役者陣がまた良い。ガイピアースが混乱する時の演技がリアルで良い。こっちまで緊張してしまう程の緊迫感。彼を利用しようとする脇役陣のうさんくささも絶妙だ。
アイデア、演技、演出、構成。色んなことが重なって名作になっていると感じる。
ただその難解さから、人を選ぶだろうなとは思う。
とても良い映画
前から気になっていたこの作品…暇つぶしにと思い、借りてみたら、まさかのクリストファー・ノーラン!(笑)
初っ端の場面に、過去の記憶を辿るかのような、まさかの逆回しのシーンが(笑)…今まさに公開中の『テネット』のアイディアは、すでにこの時からあった!?(笑)…まだそちらは観てないけど。
で、この作品、前向性健忘に見舞われた男のサスペンス・ドラマ…最後まで目の離せない展開のストーリーで、とても面白かったです。『インセプション』もそうでしたが、この監督は、ひねりの利いた、というか一筋縄で行かない物語が好みなんですかねぇ…観ている方はなかなか大変ですが(笑)
主人公を演じたガイ・ピアーズが、狂気と正常の間(はざま)のギリギリさ加減を見事に演じています…そして、その心の不安を、監督が見事に演出しており、秀逸でした。
もう一回観ると、見逃した事もまた発見出来そうな、そんな作品でした。
オススメ!
【書き換えられる記憶】
弾丸が銃口に戻る場面は、確かにTENET を彷彿とさせる。
また、記憶を断片的に過去に遡る手法は、単に時系列に従ってストーリーを追うのと異なり、僕達の記憶にチャレンジしてるかのようだ。
そして、結末を知りながら、大元となる事件に辿り着き、また、それが結末であるという仕掛けにハッとする。
こうしたところがクリストファー・ノーランの独自で独特な手法なのだと思う。
映画の様々な手法は、ほぼ出尽くしたのだと言われて久しいが、クリストファー・ノーランはTENET などで、なお挑戦を続けているのかもしれない。
真実とは何だろうか。
僕達の長期記憶の中にある「真実」と信じているものと、10分間の記憶の繰り返しの中でしか生きられないレナードが「真実」と信じているものに決定的な差はあるのだろうか。
心理学者によると、人は、3度同じ嘘をつくと、その脳は、それを事実として認識し始めるようになるらしい。
僕達の記憶が如何に危ういのか。
僕達も自らの都合に合うように記憶を書き換えていないか。
(以下ネタバレ含みます)
↓
ストーカーも実は似たようなものかもしれない。
あの人は、自分に優しい。
あの人は、きっと自分のことが好きに違いない。
あの人は、自分のことが好きだ。
絶対好きだ。
だから、自分を拒絶はしない。
しかし、
何かの間違いだ。
誰かに騙されているんだ。
他に誰か好きな人が出来たんだ。
これは決して精神障害ではないだろう。
レナードもたった10分の間に、自身の感情にそぐわないものを消去したり、改竄していく。
きっと、重要なのは、感情なのだ。
レナードにとって、それは妻を失った深い悲しみだ。
僕達の記憶は、自ら改竄されていないか。
深い悲しみのほか、怒り、一時の喜びなども記憶を書き換えているかもしれない。
苦い記憶も楽しい思い出も様々あるだろう。
この作品の実はプロローグとなるエピローグは切ない。
妻を直接死に追いやったのはレナード自身なのだ。
妻はレイプされ、自分は殴られ短期記憶に障害を負う。
妻は、10分しか続かない記憶を利用して、糖尿病のインスリンの注射をレナードに何度も打たせ、命を絶つ。
なぜ、妻は死を選んだのか。
レイプ?
レナードの障害?
将来への絶望?
もしかしたら全て?
僕が想像するに、妻が去り、決して答えの得られない深い悲しみは、たとえ短くても記憶を改竄するには十分だろう。
いつのまにか、自分や妻以外に原因を求めても不思議はないのだ。
自分の記憶を奪ったのは誰だ。
そいつが妻を殺したのだ。
妻が亡くなったストーリーは他人に置き換え、自分の物語を構築していく。
復讐しなくてはならない。
記憶は長短に関わらず、感情によって書き換えられてしまうのではないのか。
レナードは、彼の短い記憶の障害もあって、ループした世界に止まらざるを得ない。
特定の記憶に囚われて生きるのは悲しい。
しかし、もし人が特定の感情に囚われて生きているのであれば、レナード同様、悲しい存在なのではないか。
クリストファー・ノーランは、こうしたことも示唆しているのではないか。
そして、よく考えてみたら、歴史もそうだ。
古い歴史は為政者によって、大きく書き換えられてきた。
そして、悲劇も繰り返されてきた。
僕達も、その時々の感情によって、レナードがメメント(断片や記念物)に少し手を入れるように書き換え、歴史もその時々に都合よく書き換えられ、皆、大きなループの中に止まって生きているに過ぎないのかもしれない。
記憶を維持出来ない、という擬似体験。
何が本当で、何が嘘なのか。自分のメモすら信じられない世界を、レナードと一緒に記憶を断片的に繋げていく。
10分しか記憶が保てないというのが分かれば、自分の都合良く利用しようとする人達ばかり。と思いながら観てしまうので、登場人物全員の誰の言葉も信用出来ないまま、監督の思うツボにハマっていってしまう。
モノクロのシーンと、カラーのシーン、この仕組みに途中から気付いたものの、どうしても記憶の断片を組み上げられず。冒頭のシーンから伏線扱いとなっているが、テディのラストシーンでの告白でも、自身の理解力では70%程度が限界でした笑
徐々に真実が明らかになっていくだが、全ては『妻を愛している』ただそれに尽きる。10分という今と、鮮明な過去の記憶。その記憶の危うさ、メモ(記録)の重要性、それをラスト全て覆してくるのもさすが。
娯楽としても、作品としても、文句無し。数十年前の映画とは思えない完成度の高さ。推理系サスペンス好きにはたまらない。
秀逸な脚本
10分しか記憶を保つ事の出来ないレナードは妻を殺害した犯人を写真とメモを頼りに追い続けるが…。
クリストファー・ノーラン監督作。犯人の射殺から始まり徐々に物語を遡っていく異質な作品で、起承転結をひっくり返しても起承転結が出来上がる脚本の緻密さが好きな作品です。
メモがあるかぎり
彼は同じ事を繰り返すんだろうね。なんか切ないやら悲しいやら。
時系列に沿わず、チグハグな繋ぎ方。でもそれがいい。
短期記憶障害の主人公を上手く使ったストーリー。結局自分がメモした事を信じるしかない。なぜかテディは信用できないし。
終わり方はとても不完全燃焼。勧善懲悪でもない。マジで糞ムズイ内容。
全179件中、61~80件目を表示