「日本映画の新たなる金字塔」嫌われ松子の一生 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
日本映画の新たなる金字塔
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父親からの愛を受けたい為の努力。
唄を歌っていればみんなが振り向いてくれる。
ひとりぼっちにはなりたくない、家庭の温もりが欲しい。
そんな松子の想いとは裏腹に神様は彼女に人生の試練を与え、‘自分の為に生きる’事より“人の為に役立つ”事に気付いた時に、それまで必死になって靴を鳴らそうとしても鳴らなかった、届かなかった[荒川=筑後川]へもやっと帰る事が出来た。
それはまるで《虹に乗った》【ドロシー】の様に。
一見やり過ぎな所も見受けられる映像の数々、出演者達にも力量不足と思える人もいる。しかしながら当時の時代背景を巧みに取り入れ、独特なセンスとノリの画面の連続にはついつい嵌ってしまう事でしょう。
これは平成の『西鶴一代女』と言っても過言ではないと思います。
「ただいま」
そして…。
「お帰りなさい」
素晴らしい日本映画の名作の誕生に拍手を贈りたいと思います。
(2006年5月27日TOHOシネマズ錦糸町No.6スクリーン)
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