マルコヴィッチの穴 : 特集
で、マルコヴィッチって何者?
(編集部)
この映画で、他人に脳を乗っ取られるという気の毒な役回りを演じるのがジョン・マルコヴィッチである。イリノイ州生まれの現在46歳。大学卒業と同時にシカゴでゲイリー・シニーズと劇団ステッペンウルフ・カンパニーを設立。以来、舞台に映画に八面六臂の少々ワーカホリック気味の俳優である。スピルバーグ、ベルトルッチ、ウッディ・アレン、ウォルフガング・ペーターゼン、スティーブン・フリアーズ、リュック・ベッソンなどなど、その出演作の監督を列挙するだけでも、映画界で彼がどれほど重宝されているかが分かるというもの。「プレイス・イン・ザ・ハート」と「ザ・シークレット・サービス」ではオスカーにノミネートされ、今回の「マルコヴィッチの穴」では、ニューヨーク映画批評家協会賞で助演男優賞を受賞している。
決して大スターではなく、“顔は知られているが、知名度が今ひとつ”という典型的なバイプレイヤーなのだが、確かな演技力と、狂気の宿る眼差しが印象的。まさにこの作品の題材にぴったりハマった感がある。この映画を見る前に、何でもいいから1本彼の出演作を見ておくことをおすすめしておこう。
■主な出演作
▼1984
「プレイス・イン・ザ・ハート」(監督:ロバート・ベントン)
「キリング・フィールド」(監督:ローランド・ジョフィ)
▼1987
「ガラスの動物園」(監督:ポール・ニューマン)
「太陽の帝国」(監督:スティーブン・スピルバーグ)
▼1988
「危険な関係」(監督:スティーブン・フリアーズ)
▼1990
「シェルタリング・スカイ」(監督:ベルナルド・ベルトルッチ)
「ウディ・アレンの影と霧」(監督:ウディ・アレン)
「二十日鼠と人間」(監督:ゲイリー・シニーズ)
▼1993
「ザ・シークレット・サービス」(監督:ウォルフガング・ペーターゼン)
▼1995
「愛のめぐりあい」(監督:ミケランジェロ・アントニオーニ、ヴィム・ヴェンダース)
▼1996
「ある貴婦人の肖像」(監督:ジェーン・カンピオン)
▼1997
「コン・エアー」(監督:サイモン・ウエスト)
▼1998
「仮面の男」(監督:ランドール・ウォレス)
▼1998
「ジャンヌ・ダルク」(監督:リュック・ベッソン)