劇場公開日 2000年9月23日

マルコヴィッチの穴のレビュー・感想・評価

全29件中、1~20件目を表示

4.5【”7 1/2階のエレヴェーターのドアをグイッとこじ開けて入るオフィスの中に或る穴。そして人形の使いの夢。”今作は映画観賞履歴の中でもベスト3に入るヘンテコ映画であり、何度も観ると深い作品である。】

2025年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

笑える

知的

難しい

<Caution!内容に触れています。>

■妻ロッテ(キャメロン・ディアス)に促され、渋々レスター社と言う会社に行く”人形遣いのクレイグ”(ジョン・キューザック)。
 ビルに着きエレベーターに乗ると、同乗していた黒人女性(オクタヴィア・スペンサー)が慣れた感じで”7 1/2階ね!”と言うと、早業で7階を通り過ぎた瞬間にボタンを押し、備え付けの鉄棒を隙間にグイっと入れて(何度も行っているらしく、隙間がボコボコ。)ドアを開けると、そこは腰をかがめないと歩けない高さが異常に低いフロアなのである。

 このシーンから可笑しいのであるが、レスター社長(オーソン・ビーン)の言っている”普通がオカシクて、オカシーのが普通”と言う擦れ違い会話から、尋常ではない会社という事が分かる。

 クレイグはフロアで出会った美女マキシン(キャサリン・ターナー)をチャッカリ、ナンパしつつ、会社の備品棚の裏に開いて居た穴を見つけるのである。
 その穴に四つん這いで入り、進んで行くと突然”すいーっと”吸い込まれると、そこはジョン・マルコヴィッチ(ジョン・マルコヴィッチ)の頭の中であり、彼が見ている世界を共有出来るのである。驚愕するクレイグだが、15分すると車が走る幹線道路脇の土手にドサッと落ちるのである。

 【”人形遣いのクレイグ”は、その事をマキシンに告げると、彼女はそれで一儲けしようというのである。15分、200ドルでジョン・マルコヴィッチの頭の中に入れる穴】は、評判を呼ぶのだが、多くの人が腰を屈めて穴に入る順番待ちのシーンは可笑しい。
 ー けれども、このシーンは人間が他人の頭の中に入りたいという願望を可視化したシーンでもあるのである。ー

 その後、性倒錯者と自称するロッテも、その穴の中に入るのである。そしてジョン・マルコヴィッチの恋人になっていたマキシンと、倒錯的なセックスをするのである。ウーム。不条理だなあ・・。

 自分の身体が乗っ取られている事に気付いたジョン・マルコヴィッチが列に強引に割り込み、”すいーっと”吸い込まれると、そこに展開されていたのは、ウェイトレスも、お客も、メニューも、皆が喋る言葉も、皆”ジョン・マルコヴィッチ”なのである。
ー このシーンは超有名である。不条理シーンとしても一級品の構成である。どのように撮影したのかなあ・・。クスクス。-

 ”人形遣いのクレイグ”は、ジョン・マルコヴィッチの頭の中に入り込み、彼を支配してジョン・マルコヴィッチは有名俳優から、人形遣いになるのである。その過程で徐々に”人形遣いのクレイグ”の人格はジョン・マルコヴィッチの人格を乗っ取って行くのである。少し怖いシーンである。マキシンも又、それに協力するのである。
 だが、それに反発したロッテは、レスター社長に助けを求めるのである。レスターの正体は”穴の中で生き続ける”マーティン船長だったのである。観ていると可なり混乱してくるのである。

 数か月後、 ”人形遣いのクレイグ”が乗っ取ったジョン・マルコヴィッチはマキシンと結婚するが、妊娠中の彼女は誘拐され、”人形遣いのクレイグ”はレスター社長からマキシンを助けたければ、ジョン・マルコヴィッチの身体から出て行けといわれ、逆にジョン・マルコヴィッチの身体の中には、レスター社長とその仲間達が永遠の命を得るために、入り込むのである。もう何が何だか分かりません・・。

 今作では、チャーリーシーンや、ショーン・ペンも実名で登場するのもアクセントとして面白いのである。そして、8年後。見事に禿げあがったチャーリーシーンも登場するのだが、そこは本筋には関係が無い。
 マキシンとロッテはお腹の中に居た”彼女達の女の子”と暮らしているのだが、女の子の中にはジョン・マルコヴィッチの中に戻ろうとしていて、胎児の中に入ってしまった”人形遣いのクレイグ”が居て、二人をプールの中から、じっと見ているのである。

<今作は私の映画観賞履歴の中でもベスト3に入るヘンテコ映画であり、何度も観ると深くて、ちょっと怖い作品なのである。
 個人的な意見であるが、マア、今作は、2回観ると中々だと思います。>

コメントする (0件)
共感した! 4件)
NOBU

4.0コメディ作品なのに哲学的なことを色々と考えさせられます

2025年7月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

マルコビッチの穴
1999年公開

奇想天外な稀代のカルト映画です
コメディ作品なのに哲学的なことを色々と考えさせられます

人形使いと人形の実体はどちら?
そりゃ人形使いに決まってます
不道徳な人形劇を子供に見せたなら親から殴られるのは人形使いで人形ではありません

クレイグとマルコビッチなら実体はどちら?
クレイグ?
マルコビッチが誰かに失礼を働けば、殴られるのはマルコビッチ
クレイグは、意識だけなのだから殴られてはいない?
失礼を働いたのはそのように肉体を操り、その罰を受けたマルコビッチの肉体の痛みをクレイグは意識として受けることになる
本当に殴られたのはどちら?
まあそのようなどうでもいいことをグルグルといつまでも考えさせられる映画です

なんで7階1/2 ?
もちろん大人になりきれない大人の為のフロアのこと
モラトリアムなクレイグの居場所?
そういう意味のはず
終盤になってやっと大人になったクレイグはこのフロアから用無しになったのです
考え始めると幾らでも考えられる映画です
でもそんなどうでもいいことをいつまでも考えているようなら、モラトリアムのフロアの住人になってしまいます
タンスの後ろ側の壁にマルコビッチの穴が空いてしまうかも知れません
それでもヤッパリ考えさせられます
それほど魅力的なカルト映画です

コメントする (0件)
共感した! 9件)
あき240

4.0見る人を強烈な世界に誘う映画

2025年5月7日
スマートフォンから投稿

もう何十年も観ていないのですが、その頃は何十回も鑑賞した映画です。強烈なアイディアにより物語の進行はパラレル!! 妙な方向世界と同時進行してゆく。次第に登場人物達は、そのパラレルの虜となり切なくも幸せな状態に陥いると言うもの。

“なんだこれは”の連続

マルコビッチは実在の俳優。
その人がその人で登場。
穴による彼の戸惑い
穴による思惑と行動
その結果は幸せであり
悲しくもある。

最初の思いを寄せる暗く切ないシーンは、ラストの明るく切ないシーンと繋がるのでは無いかと思う。楽しく笑えて驚いて、ちょっと切ない映画です。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
星組

3.5まごうことなき奇作 人の頭の中に入りその人の生活を覗いてみたいとい...

2024年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

まごうことなき奇作

人の頭の中に入りその人の生活を覗いてみたいという欲求
他人になりすまし称賛を浴びたい欲求
男になりたい欲求

ニッチな欲求を満たせるマルコヴィッチになれる穴

のっけから不思議な世界で7と1/2階にあるオフィス
言葉の通じない秘書
何かがずれた社長
そして動物をたくさん飼ってるクズ主人公(妻有)

不思議な世界観を出したいのかあくまでファンタジーですよと強調したいのか唐突に出る割にその後活きることはあまりない

個人のアイデンティティーを題材にしている部分はぶっ飛んだ設定から現実的に考えられていてよかった

だけど永遠に生きるとか言い始めたところがよくわからなかった
そこはさらっと流すだけで終わってしまうし

抵抗不可能な上乗っ取られまでされるマルコヴィッチがひたすら不憫な映画でもある

突飛な発想でいい作品なのに作品内で消化しきれていないといった具合の感想

コメントする (0件)
共感した! 2件)
高い坂

3.0見えた。

2023年12月31日
PCから投稿

評判いい映画ですが、よくわからない。謎。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
プライア

4.57階と8階の間にある、腰を曲げないと歩けないほど天井の低い7と1/...

2023年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

7階と8階の間にある、腰を曲げないと歩けないほど天井の低い7と1/2階のオフィスにある穴を入って行ったら、15分間だけ俳優マルコヴィッチの顕在意識の中に入り込んで彼の見たり聞いたりしたものがリアルタイムで体験できる...そんな狂った発想の作品で面白いです。

途中で脇役でショーンペンやブラッドピッドが一瞬出てきて驚きました。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
にち

2.5着地が難しい

2022年7月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

期待しすぎでした…

最初のマペットの表情と動きが素晴らしく
それだけでも見た甲斐がありましたー
不思議な設定でシュールなら大歓迎だけど
なぜマルコビッチの頭の中なのかが?で
その後の展開が理解できず(理解する必要ないのに)消沈、、、

コメントする (0件)
共感した! 1件)
mamagamasako

3.5※浅い感想※

2022年3月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

GEOで何故かコメディの棚に置いてあったんだが、誰だコレをコメディの棚に置いといたやつ!!!怖かったよ!!!面白かったけどね。

後味が良くない。話変わるけど原題がBeing John Malkovichらしい、しかしこの邦題の方が好き

コメントする (0件)
共感した! 1件)
Twitterの映画感想を再掲する人

4.0マルコヴィッチ!マルコヴィッチ!

2022年2月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

劇場公開時鑑賞。
チャーリー・カウフマンとスパイク・ジョーンズの名前が脳みそに刻み込まれることになった、超絶シュールな怪作。あらすじ見て「ふざけてんの?」と思って観たら、真面目にふざけてるのかふざけながら真面目にやってるのかもわからない。この役受けたマルコヴィッチがすごいわ、尊敬する。
マルコヴィッチが入っていった先のシーンが一番お気に入り。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
なお

2.0まるでわからない実験作

2021年11月29日
PCから投稿

よく言えば不条理劇なんでしょうが、よくわからないトンチンカン、100人中95人は、なんじゃこれ?って映画ですよ。
この手の作品を有難がる人にはいいんでしょうが、私はそっち派じゃないので素直に訳がわからないだけですね。ほんとは一点もつかないけどマルコ君すきなので2点にしときました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
越後屋

3.0SF?発想がスゴイ

2021年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

タイトルを見て時空の歪み的なことを想像していたが、そんな普通の発想ではなかった。
他人の脳をジャックできたらどうなるのか…という思考実験のような作品。
グロテスクでもあるのだが、どこかあり得そうな気もして、不思議な感触だった。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
spicaM

5.0君は誰を演じているのだ?

2021年6月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

う~ん、なるほど。

パペットは見事ですね
日本風に言えば、これは人形への入魂開眼か。
命を吹き込まれた人形の動きには目を見張ります。

小学生の時、夜ひとり、バスに乗って文楽、吉田簑助の「心中天網島」を見に行きました。
つばきを飛ばし血を吐くほどに身を乗り出して、まさに鬼気迫る太夫の語りに舞台は最高潮を迎え、頭を操る簑助は黒子の顔覆いを上げて、ついに出演者のすべてが二体の人形に乗り移ります。人間と人形が渾然ひとつに憑依するのですよ。
震えました。大変なものを見てしまった衝撃に、どうやって帰宅したのか覚えていない。僕自身が何者かに変身したかのように夢遊病のように帰りました。

・・・・・・・・・・・・

この映画、
売れない人形師クレイグ。
彼は人知れず人形に話しかけ、人形に溺れていく。
人形にまつわる恐怖の物語。

主客逆転
本末転倒
操る人形師が操られ
肩書きが宿主を差し置いて世の中を歩き出すわけね。
そして
ついには人が人に乗り移って操るとか!
サイケデリックなストーリーを見るうちに、これは僕のことだと、はたと気づいた。

ここのところ、「自分が何をやりたいのか」、「自分はどうしたいのか」、よく分からなくなっているんですよ。
なんか手垢や澱(おり)の染み着いた自分の思考に嫌気が差していたので、合点がいった気がするのです、

忖度や常識という“誰か他人のメガネ”を通してしか物を見られなくなったり、役職や自身の立場をわきまえてしか物事を語ろうとしなかったり・・

はたまたいろいろと頭の中で様々な立場や価値観が合議して、その結論を発声すべく自分の声帯や肺活量にスタンバイをかけているか、
もしくはだんまり作戦を自分に命じたりとか。そんな“身心の離脱”さえも自覚する始末。

【・・つまり自分が誰かの操り人形になってしまった感】。

長生きすると、どこまでが素の自分なのかって、いろいろ着込んだ量が多すぎて、分からなくなっていくものですよ。

程度の差こそあれ、「我々は多重の人格と体裁を生きている」ということでしょう。
幕も近くなればゆえ。

劇中“役者”という“人形”がたくさん登場します。カメオ出演やゲストトークも愉快。彼らも実際、自己と演目の境界線で狂気を纏うような職業を自覚して、この映画をホールドアップの刃物のように突きつけられたはずです。

・・・・・・・・・・・・

日本版なら「脳内ポイズンベリー」がオススメ。わざとチープな舞台作りで人間の精神の分裂を非常に上手く表現している。

大林宣彦の「転校生」やアニメ「君の名は。」のような、“若者同士の入れ替わり”なら可愛いし美しくもあるけれど、生や若さにしがみつく老人=Its me= がこれをやると醜悪だなぁと思わされた次第。

チンパンジーでさえ、自分の過去に縛られているなら、いわんや人間をや。

コメントする 3件)
共感した! 5件)
きりん

4.0変身願望を叶えてくれる映画

2021年3月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

えっ、なにっ、キモっ!ハゲたおじさんがいっぱいが最初の印象。でも観てみると面白い。7と1/2階という不思議なフロアにある穴を抜けると、そこは…。他人になってみたい。誰もが思い描く単純な欲望。それをここまで面白く脚本出来るとは!センスの良さを感じる映画です。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
movie freaks

4.0欲望には限度が無い

2021年1月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

自分ではない誰かになりたい。特に有名人だったら楽しそうという妄想が作品になった感じです。自分の顔がブサイク、女性だけど男性になってみたい、年寄りだけど若返りたい。人間の持つ欲望には本当限度がないですね。

だけど他人の身体を乗っ取っても実は幸せにはなれないのかも。他人に身体を乗っ取ることばかり考えてるエゴイストは、仮に他人に身体を乗っ取られたら、どうするの?

作品から、エゴ、エゴ、エゴの塊を見せつけられて、実は、自分自身のエゴに気がつかされるという、哲学的な作品でした。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
ミカ

4.0深読みを誘う脚本の書き殴り感

2020年12月18日
iPhoneアプリから投稿

ドラえもん的仕掛けで延々遊び、死生観宇宙観を刺激し深読みを誘う脚本の殴り書き感。
優れた役者のカリスマ性シャーマン性の根拠に通じて奇想天外な物語が変に円環する心地好さ。
カメオ出演の出の量の少なさが正しい。
これに似た映画を知らない。
また見る。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
きねまっきい

4.0ジョン・キューザック!

2020年9月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ほんのちょっとだけのネタをここまで拡げることができるのも才能でしょう。本来ならば10分くらいのコントで終わりそうなのに(笑)。最初は見えるだけだったのが、徐々にマルコヴィッチの意識・言葉とシンクロしてしまう。マキシンという女性もちょっとおかしいが。

 ジョン・キューザックの映画を何本か観た後では、彼が映画オタクとしか思えなくなります。この映画もそんな雰囲気がある。ブラッド・ピットもその気があるかもしれない。もちろん、チャーリー・シーンも。

コメントする 1件)
共感した! 5件)
kossy

2.0マルコビッチである必然性は

2018年1月9日
PCから投稿

怖い

他人の頭(意識)の中に、15分だけ入れる穴があったら…。
設定としては面白いけど、本作が面白かったかというと「うーん」。

主人公のクレイグが人形師ってことで「攻殻機動隊」を連想するし、
実際に「肉体と精神」みたいなテーマではあるけれど、
個人的には「マルコビッチである必然性」が気になってしまって
他の部分まであまり意識が向かなかったのが残念。

全体的に気味が悪い映画だけど良くも悪くも、
印象に残る作品ということだけは確か。

チンパンジーが縄を解くシーンは好きでした。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
mar

2.5パッケージからしてどんなやつかと 期待してたけど後半だれてきて と...

2017年2月27日
PCから投稿

パッケージからしてどんなやつかと
期待してたけど後半だれてきて
とくにそこまでだった

コメントする (0件)
共感した! 0件)
文た

3.0マルコヴィッチには興味ナシ

2017年1月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

だが違う理由でJ・マルコヴィッチに入りたがる二人の男女に楽しむ女。

全員がマルコヴィッチなのは可笑しくて最高な場面。

複雑さを醸し出してはいるが要は男女の三角関係。

S・ペンのインタビューにチラっとB・ピットも楽しめる。

縄を解くチンパンジーの過去に表情の哀愁漂う感じが堪らない。

マルコヴィッチ潜入時間が終了してから落ちる場面は高過ぎて打ち所が悪かったら死んじゃうヨ!?

コメントする (0件)
共感した! 3件)
万年 東一
PR U-NEXTで本編を観る