マレーナのレビュー・感想・評価
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グラマーな大人の女に憧れて、覗いたり下着を盗む戦時中の少年
今月ようやくhuluで配信されたので視聴。
10分追加されたディレクターズカット版が観たかったが、配信を観て満足したので円盤は買わないことにした。
大人のレナードのナレーションから始まり、大人のレナードのナレーションで終わる。
本編は、まるっと回想シーンなのである。
レナードに感情移入してしまう。
序盤は特にマレーナ(モニカ・ベルッチ)の妖艶な美貌にくぎ付けになる。
第二次世界大戦の軍服って、どの国も同じようなデザインだったことを確認。
イタリア・シチリア島の建造物や景色は見ごたえがある。
――――――トリビア――――――――
マレーナという女性名はマッダレーナの愛称で、もともとは“マグダラのもの”をあらわしている。
モニカ・ベルッチはキリストの受難を描いた映画『パッション(The Passion of the Christ)』(2004年公開)でも「マグダラのマリア」を演じている。
もはや普通の恋では満足できないのでは
モニカ・ベルッチ。
ずいぶん肉感的で、なにやら直視するのも
困ってしまう。
あまりにも
フェロモン出てると尻込みしてしまう(観るほうが)。
西洋の感覚は微妙に違うよね、と思っていたが
この映画を観ると
ボディだけはないのねとわかる。
役のせいか、常に伏し目がち。
物悲しい、翳を感じる。
魔性だ!
さて、中盤までは
少年の淡い、初恋&妄想の話。
少々しつこいエロ方面の妄想やらなんやらかんやらが
食傷気味になる。
しかし終盤の展開になんといっていいやら。
少年はその後何度も恋をして、
別れるたびに女に忘れないでと言われたが、
今も胸に残るのはマレーナだけ、とささやく。
初恋に、強烈なエロスと、
人間の醜悪さ、一途な愛、戦争からの人々の復活。
これらすべてがいっしょくたになってしまったわけで。
父さん、それじゃあ、普通の恋愛なんてもう、
満ち足りないわけで…。
これがモニカ・ベルッチの代表作か? 可哀想な女優さんだ。
吉永小百合と同じように私が出演作品に恵まれないと思っているもうひとりの女優がモニカ・ベルッチだ。せっかくの美貌とオーラを持ちながら、映画史に残る作品に出演していない。このままではそのうち忘れ去られていくだろう。まだ吉永小百合はいい。「キューポラのある街」に出演しているから。
第二次世界大戦後、日本と同じようにイタリアでも世界に誇れる映画監督を輩出した。ロッセリー二、フェリー二、ヴィスコンティ、デシーカ、ピエトロ・ジェミニ。
ベルッチももっと早く生まれていたら、この巨匠たちは彼女を起用したに違いない。ヴィスコンティ作品に彼女はピッタリはまる。本当に残念だ。
後半までこの作品の猥雑さに呆れた。美人の裸体を見るのは個人的には嬉しいが安売りだ。いい加減にして欲しいと感じる。
本当に面白くなるのは、後半モニカ・ベルッチが広場に引きづり出され、周りの女達から罵倒され髪を切られる場面から。そのモニカ・ベルッチの美しさは壮絶だ。ここからさすが「ニューシネマパラダイス」の監督だ。
ああ無情
少年なら誰だって・・・
「ませガキ!」と言ってしまえばそれまでだが、レナート少年の年上女性に対するはかない想いと甘美な妄想とが上手く描き出されていた。しかし、単なる「少年の性への目覚め」のような作品ではないと思います。
エロチックな妄想の他にも、レナートと家族とのやり取りがユーモラスに描かれていて物語を引き締めて完成度の高い作品です。その中でもイタリアの性教育ってすごい!と笑ってしまいました。
一種のストーカーのような行動には現代社会では引いてしまいますが、戦時中の荒んだ民衆の心の中にあるからこそ映画として成り立ってるのでしょうね。映像的にも美しい海辺の風景と街中での空襲のシーンがアンバランスでゾっとさせられました。それにしてもさすがはトルナトーレ監督、泣かせてくれます。(女性の方はひいてしまう?)
少年のストーカー物語
モニカ・ベルッチの美しさが光輝く!
無口で節目がちな姿がとても美しい。悲劇が重なると、さらに美しさが増す!
第二次世界大戦の戦時下で、身を売るしか生きる術がなかったマレーナ。一夜にして金髪に真っ赤な口紅をして現れた様、嫉妬に狂った女たちの集団リンチに泣き叫ぶ様、そして、生還した夫と共に戻ってきた様、言葉ではなく、表情や立ち居振る舞いで表現していたことが素晴らしい。
マレーナの悲劇を無力な少年レナードの視点から描いていくストーリーは斬新!父親とのやり取りがイタリアのコメディっぽくておもしろいのも、マレーナの悲劇と対象的でいい。最後は、少しだけ大人になったレナードがマレーナと刹那的に会話をする。初恋の終止符。なんとも切ない恋物語だったね。
明朗な青春回顧に刻まれた女性讃歌
女にとって幸せって、、
うぶな少年が、困難な時代のなかで
大人になっていく。
思春期、青年期はそれだけで難しいのだが、ましてファシズム支配下のイタリア、、
ひとりの美しい女性が夫を無くし、
混乱期に売春婦にまでなる。
戦争の終わりには、自由とあかるさがやってくるはずが、
女たちのリンチが待っていた。
彼女をもてはやした男たちさえ、
女たちのリンチを受ける彼女を
誰一人救わない。
マレーナはひとり、違う町へ旅立つ。
そして、片腕を失った夫が、町に帰ってくる。
彼女を真に愛していた夫と、
またふたり生きて行くマレーナ。
ハッピーエンドというには
あまりに痛ましい美女の
壮絶な半生だった。
少年の視点からみていること、
シチリアの美しい自然が
印象的であった。
エロティシズムや残酷さが
もう少し抑えられていたら
もっと沁みる映画だったはずだが。
泣かされてしまった
過剰な演出に少なからず嫌気を覚えたけれど、見る者を惹きつけて離さない不思議な吸引力というか演出というか…何とも言えない魅力が、最後まで飽きることなく、しかも最終的には涙を催す結果となってしまった。
のぞき趣味、エロ、子供じみた仕返しや悪さ、ギャーギャーわめき散らすだけの喧嘩などなど、とにかく見ていて嫌になる演出が多くて、何度見るのを断念しようとしたけれど、それをも上回るモリコーネの音楽と切なく悲しげな美しい映像が、ぐいぐい自分の心を引き込んでいった。
デフォルメされ過ぎと感じる本筋も、歴史的事実とうまく絡めることで、全くの絵空事とは思えず、むしろ過剰なその話がリアリティをもって余計に感情をくすぐるものとなっていた。
トルナトーレの眼差しというべき作品だと感じた。
最後の、ごくありふれた言葉、しかし普通そんなに多く言わないけれど、誰しもが一度は誰かに言ったことがあるはずのその台詞、その一言だけで涙がぼろぼろと流れてしまった。
The king firm for cherry boys
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