メゾン・ド・ヒミコのレビュー・感想・評価
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壁を溶かす。
静かな、優しさで包み込むような作品。
柴咲コウが大声張り上げるシーンは単調に感じたし、めちゃめちゃ盛り上がるトコがある訳ではないけれど、己の欲するままに生きることと、そうもいかない現実との擦り合わせ。スクリーンの外の世界と地続きで好感が持てます。
ラストも嫌いじゃないです。
さらけ出せるって気持ちよさそう
メゾン・ド・ヒミコの住人はゲイで変な人が多いけれど、なぜか居心地は悪くない。お盆の頃にはみんなで亡き魂を弔う、やさしい人たち。いろいろな人生があって良い、そんなことをふっと思わせてくれた作品。
オダギリジョーがこんな魅力のある人とはしらなんだ(笑)
柴崎コウもじっと見つめる表情が可愛らしい。場面場面の切り替えに海や空、遠くの緑などのショットがとても素敵で和んだ。
エンディングのオペラ調の曲『母の教え給いし歌』もこの作品にぴったりでサントラに興味がわいた。ちょっと馴染めないところもあったけれどきらいじゃないな、この感じ♪
同性愛
を否定するわけでもなく賛成してもない。
むしろこの映画にとってそんなに関係ないんじゃないかとも思えた。
同性愛じゃなくただ、愛、とゆう概念を描きたかったのではないか
その愛とゆうのはいろんな形がありこの映画が描いた愛はただの一例であり、愛を描く映画は五万とある。
だが、このような愛に着目した映画は初めて見た。
ホームに集うオカマおじさんを演じた役者はすごくハマっていて、オダギリジョーがおじさんとキスするシーンは正直引いたが驚いた。
そんなこんなでこの映画は面白い!
あと、自分はこの映画を適当に予備知識なく借りてきて見たため、西島秀俊に最初は全くわからなく終盤で、あっ!まさか!ってゆう展開になって見終わった後調べて、うおー、やっぱなーってなって面白かった
ある愛の形という意味では興味深いとは思うけれど…
ある愛の形という意味では興味深いとは思うけれど、個人的に同性愛は受け入れられない世界観なのでダメ。主役の焦点が異性愛に置かれていたことが唯一の救い。後はアウト。
切なく暖かい
同性愛故に、異性の愛する人を愛せない、愛し合えないもどかしさと、どうにも出来ない切なさが上手く表現されていた。
最後のルビーの落書きシーンで涙がそそられた。
柴崎コウのダークな演技に終始魅了される。
メソン・ド・ヒミコの存在理由
同性愛や性同一性障害は、近年日本でも認知されはじめ、これらをテーマとした映画も多数製作されるようになってきた。しかしそのほとんどは当該者が主人公であり、自分の性癖に悩み、無理解な周囲と対立しつつも、自己に目覚めていくという内容がほとんどだろう。だが、本作はゲイの父親を持った娘の目線で描かれている(オリジナル脚本の着眼点の勝利!)。舞台となる「メゾン・ド・ヒミコ」は、ゲイのための老人ホームだ。家族を捨て、自分の思うままに生きてきた男たち(女たち?)の終の棲家。そこの住人は皆明るいが、その笑顔の裏に何らかの傷を抱えている。キュートな彼らを愛おしく思うが、それは客観的に見られる第三者の感想だ。血の繋がった家族だからこそ許せないことがある。それは理性ではない感情的なものだが、憎しみも愛情の裏返し、それが家族の“絆”なのだろう。本作の主人公は、幼いころ自分と母親を捨てて出て行った父親を憎んでいる。ヒロインを演じた柴咲コウが、いつもの華やかな印象を捨て、ノーメイクで見た目も性格もブスな地味女を好演している。しかし本作で私が一番衝撃を受けたのは、田中泯演じるヒロインの父。彼の何と優雅なこと!伝説のゲイバーのママで、このホームのオーナー、ヒミコ。『蜘蛛女のキス』のウィリアム・ハートを彷彿させる長いガウン姿。百合の花を抱えて足音もなく滑るように部屋へ入って来た登場シーンに軽いショックを受けた。立ち居振る舞いの優雅さは舞踏家であるゆえんか。どちらかと言うといかつい顔付きのこの人を「美しい」と思った。ヒミコの美しさは姿形ではなく、自分のライフスタイルを貫いた人生経験からにじみ出るものだろう。彼のライフスタイルは、部屋のインテリアに如実に表れている。エゴン・シーレ風の絵画から壁紙、窓すらも外に見える海を風景とした額縁に見える。美しいレースの天蓋のついたベッドに横たわる姿。癌のため余命いくばくもないが、彼の人生に後悔はない。静かに息を引き取った時、天蓋のレースが静かに下ろされたのがたまらなく哀しかった。世の中の偏見に耐えながら、それでも静かな老後を望む人々。彼らの人生にどんなことがあったかは分からない。ヒロインのように今も苦しんでいる家族がいるかもしれない。死ぬまで和解できないかもしれない。それでもヒミコのように安らかな死を迎えるために、「メソン・ド・ヒミコ」は在り続けなければならない。
柴咲コウを愛でる映画
「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心監督と渡辺あやのコンビの第2作は、ゲイのために作られた老人ホーム、メゾン・ド・ヒミコを舞台に繰り広げられる悲喜こもごもの人間劇。
感情移入できるかどうか、という1点で論じてしまえば、ある意味ベタな恋愛ものの「ジョゼ~」の方に軍配が上がると思うし、僕自身もあの映画は好きなのだけど、内容の豊かさという点で言えば、人生の不可思議さを描いている本作の方に、何とも抗いがたい魅力を感じてしまう。
その豊かな物語の構成に貢献しているのが、一連の役者陣。オダギリジョーの好演、老人ホームのカリスマ・オーナー卑弥呼を演じた田中泯の存在感、そして、新入社員に必ず手をつけるロクデナシ若社長役の西島秀俊や、個性豊かなゲイ、ニューハーフの面々など脇を固める役者まで、みながイイ仕事をしている。
中でも特筆すべきは、柴咲コウ。メイクダウンしてまで地味な事務員を演じた彼女だが、メゾン・ド・ヒミコの住人たちと出会ったことで心が解放されてゆく過程を実に魅力的に演じていて、コスプレショーまで披露するサービスぶり。そこからは彼女自身も撮影を楽しんでいた様子が垣間見えるし、いつも不機嫌そうな顔をしている印象の強い柴咲が、何とも可愛く見える瞬間があるのだ。そういう意味で、本作は柴咲を愛でる映画だ。ただし、“脱ぐ”ことが映画の重要な要素であった作品なのに、思い切って脱げなかったのはマイナスポイント。決してスケベ心だけで言ってるわけではないので、あしからず。
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