劇場公開日 2005年8月27日

「オダギリジョーが素晴らしい。あとは生ぬるい」メゾン・ド・ヒミコ Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0オダギリジョーが素晴らしい。あとは生ぬるい

2015年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

単純

幸せ

自分と母親を捨ててゲイとして生きることを決めた父親を、母親の死後もずっと恨んでいる沙織。
そんな沙織の元へ、父の恋人という若くて美しい男、春彦(オダギリジョー)がやってくる。
春彦は、沙織の父が末期の癌で死が近いことを伝え、彼らが経営するゲイ専門の老人ホームの手伝いに来てくれないかと依頼する。
父とは会いたくないが、借金返済のために渋々了承した沙織。
通い始めた老人ホームの人々や、嫌悪していた父親とも僅かながら会話の機会ができたことで、沙織の心境に少しずつ変化が訪れる。

・・・少しずつ変化が訪れる系の映画はもう飽きたんだった。やってもたー
「ベロニカは死ぬことにした」の二の舞、ってか個人的な印象としては完全に一致。笑

でもオダギリジョーがすごく良かった。
ゲイとかストレートとか男とか女とかそういう境界を全て超越する中性的な神々しさがあった。
ニキ・ド・サンファル的な?美輪明宏的な?(なんか違う

ゲイとオカマって違うんだね。
春彦と元教員の政木さんはゲイで、それ以外の人たちはオカマ、って感じ。
この映画において、その違いに何か意味はあるんでしょうかね。

最近はLGBTのカテゴリーが複雑になりすぎて、きちんと理解できてない。
そういうことには敏感でありたいと思っているんだけどね。
ただ、これは性に関することだけに限らずだけど、「こういうふうには言っちゃいけない」っていう理性的な正論が自分の中で増え過ぎると、言葉を発する前に考える時間が長くなりすぎて、もう何も言えなくなってしまう。
そして、そういうタブーによって「傷付いてしまうかもしれない相手」を意識し過ぎると、映画も小説も音楽も何も生み出せないのかも知れないと思う。
でも気にしなくていいわけじゃない。それじゃただの無神経。
たぶん、タブーに切り込みっぱなしの、例えば「コドモのコドモ」とか「愛の渦」みたいな映画は駄作だと思うし、切り込んだ問題を丁寧にフォローしている、せめてしようと努力している作品には価値が生まれるんじゃないかなぁと思う。
「シンドラーのリスト」とか、ドラマだけど「フジコ」とかは辛いテーマだけど好きな作品。

これはどっちだろう。
生暖かくて、あんまりタブーに「切り込んだ」という気がしなかった、って感じだな。
全体の雰囲気はほっこりしていて嫌いじゃない。でも特に印象には残らない。

あ、でも尾崎紀世彦のシーンは好きだったな。
そもそもあの歌が好きなの。
ディスコってみんなあんなんだったの?
振り付けが決まってたり、みんなで輪になって手と手を取り合って踊ったり。
なんかパラパラみたいだな。

あぁなんか園子温が恋しくなった。
そうそう、これってそういう感じの映画なの。笑
「愛のむきだし」もう一回観ようかなー。

Chisa