「見たこともないような マイクロフォンの握り方で、聞いた事もないような 歌い方するよ。 ダレるところもあるが、それも魅力のうちか…?」リンダ リンダ リンダ たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
見たこともないような マイクロフォンの握り方で、聞いた事もないような 歌い方するよ。 ダレるところもあるが、それも魅力のうちか…?
軽音楽部の女子高生3人と韓国からの留学生が、力を合わせて文化祭ライブを成功させようとする青春音楽劇。
監督/脚本は『リアリズムの宿』の山下敦弘。
主人公である韓国からの留学生、ソンを演じるのは『ほえる犬は噛まない』『復讐者に憐みを』のペ・ドゥナ。
ソンに告白する男子生徒、槙原裕作を演じるのは『アカルイミライ』『男たちの大和』の松山ケンイチ。
ギター担当・恵の夢の中に出てくる人物、ピエールさんを演じるのは『RED SHADOW 赤影』『ローレライ』のピエール瀧。
軽音学部の部長、阿部友次を演じるのは『パッチギ!』やテレビドラマ『ごくせん 第2シーズン』の小出恵介。
この映画で扱われるのはロック。しかもあのザ・ブルーハーツ!説明不要の激アツバンド。全ての迷える若者への道標ともいえる偉大な存在である。
1995年に解散してしまったが、中心メンバーである甲本ヒロト(vo.)と真島昌利(g.)は現在「ザ・クロマニヨンズ」として活動している。ブルーハーツが神格化されすぎているせいで影が薄いが、クロマニヨンズもとっても良いバンドですよ。今でもすごい熱気で、ライブだと普通に人が倒れて搬送されたりしちゃいます。そんなカオスな空間を味わう為にも、みんな映画館だけじゃなくライブハウスにも足を運ぼう!!ロッケンロー!🎸🎶🎶
ちょっと脱線してしまった^^;
とにかく、本作はブルハというホットな題材を扱っていながら、その体温はなんとも低い。登場人物が大声で自己主張したり、大粒の涙を流したり、愛の告白をしたり…。青春映画でありがちな、こういった過剰な演出は完全に排除されており、恋愛や友情も非常に淡白に描かれている。
この様なオブビートな演出がえも言われぬリアリティを醸し出しており、「あぁ、高校の文化祭ってこんな温度感だったよなぁ…」と心地良いノスタルジアが込み上げてくる。
映画はクールだが主演の4人は非常にホット!みんな可愛いんだ、コレが!😍
軽音楽部のメンツはスクールカースト上位の女子の感じが上手ーく描かれている。前田亜季の存在感とかすごくリアル。ああいう感じのイケてる女子って居たよな〜。今もイケてるのかな?
特に香椎由宇のルックにはやられた!スタイル良すぎ!綺麗すぎ!あの時リアルに10代だったというのが恐ろしい…。そりゃオダギリジョーも惚れますわ。
パンクバンド映画なのに静的、というユニークな映画なのだが、そういう作風のためやはりダレる場面はある。特に後半の展開は尺が余ったのかと思うほどのダラダラ感というかグダグタ感というか…。
とはいえ、高校生の日常ってそういうダラダラが付き纏うものである訳だし、そこが上手く再現されていたという好意的な捉え方も出来るか。このダルさを受け入れられるか否かは観客次第ってところですかね。
だらっとした日常の中の、モヤッとした感情。その様な言葉にし難いものをブルーハーツの演奏にぶつける。このラストシーンはとても感動的。
ただ、個人の好みで物を言わせてもらうと、クライマックスはもっとバーンと盛り上げて欲しかった。”爆発寸前の火薬のような”パッションが観たい。せっかくのブルーハーツなんだからさ!!
もっと熱い物語を見せてくれっ!ロッケンロー!!という気持ちがないではないが、超上質な青春映画であることは間違いない。一度は観るべき名作だと思います!
いや、しかし、ラストのライブシーンはフェティシズム丸出しだったね。制服×ずぶ濡れ×生足…💕
※ 顧問を演じた甲本雅裕は甲本ヒロトの実弟である。彼がパーランマウムの演奏を嬉しそうに観ているシーンが、この映画で一番の感動ポイントだったりする😭