劇場公開日 2004年2月21日

「【”母のためだけの東ドイツ”東西ドイツの統一が為されても、旧東ドイツの一部の人々が愛する母のために実行した”優しき嘘”を描いたヒューマンコメディ。あんな時代もあったなあ・・。】」グッバイ、レーニン! NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”母のためだけの東ドイツ”東西ドイツの統一が為されても、旧東ドイツの一部の人々が愛する母のために実行した”優しき嘘”を描いたヒューマンコメディ。あんな時代もあったなあ・・。】

2022年4月24日
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鑑賞方法:VOD

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ー 東西ドイツが統合された事は、前年に起きたベルリンの壁を叩き壊す人々の姿を捉えた映像と共に良く覚えている。
  そして、東西ドイツ統合という名の下、実際には旧東ドイツに西側の民主主義文化が流入し、今作に描かれているように、一部の旧東ドイツの人々が財産、職を失った事も、後年学んだ。-

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・今作は、東西ドイツの統合を背景とした、家族の愛の物語であると思う。
特に息子アレックス(ダニエル・ブリュール:若いなあ・・。)が、夫ローベルトの西ドイツ亡命により、東ドイツ愛国心を強めた母に対する想いである。
ー アレックスが反社会主義デモに参加し警官と衝突した光景を見て、心臓発作で倒れた母のために、彼が母の死まで懸命に行った事が、コミカル要素を絡めつつ上手く描かれている。-

・母は昏睡状態で八カ月を過ごすが奇跡的に目覚める。だが、その間に東西ドイツは統一されていた。
ー 母の病室から見えるコカ・コーラの大きな広告。ヘリで吊り下げられ運ばれる上半身だけのレーニン像。バーガーキングで働き始めた姉。(そして、西ドイツに亡命した父の姿を見る。)
 当時のドイツの世の変化に対する人々の戸惑いを、具体的事象を画の中に取り込むことで実に上手く表現している。-

・東ドイツが健在であることを、母に示すため紛争するアレックスの姿がオカシクも切ない。
ー アレックスの友人で、映画監督を目指す若き男が、半ズボンで上着だけ背広の姿で東ドイツのニュースを作りTV放映するシーン・・。実に良い奴である。友人に加えたい・・。-

・母が二度目の心臓発作を起こした時に、アレックスが父に会いに行くシーン。
冒頭で東ドイツ時代ソユーズ31号でドイツ人として初めて宇宙に行った事でヒーローになった、ジークムント・イェーンが統一後タクシードライバーになっていて、彼を父の家に送っていったり・・。
そして、久しぶりに会った父と母は一時間以上も話し込む。
ー ジークムント・イェーン、宇宙飛行士よりも、タクシー運転手の時の方が格好良いし、良い事言ってます・・。ー

<今作では、母が子供たちに夫ローベルトが西側に亡命したという”嘘”を隠し通し、更に”東ドイツはもうない・・、”という事を薄々知りつつも、息子の”優しい嘘”を信じるフリをしている事がコミカル要素を塗しながら、描かれている。今作は、真の家族愛を描いた作品であると私は思う。>

NOBU
asicaさんのコメント
2022年4月24日

そうなんですよね。優しい嘘に包まれて安らかにお亡くなりになるママ、最も幸せだったろうと思いますよね。
広〜〜〜い意味での先輩、は多分そうだと思います。
謎かけが難しくて鈍い私にはその程度の理解なんですけれど、合ってます?

asica