劇場公開日 2003年12月6日

「日本と侍を真面目に理解しようと努めたハリウッド作品」ラスト サムライ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本と侍を真面目に理解しようと努めたハリウッド作品

2013年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

総合:75点
ストーリー: 65
キャスト: 80
演出: 85
ビジュアル: 75
音楽: 60

 かつてハリウッドが描く日本と言えば、日本人から見るとわけのわからない神秘主義だったり日本人も知らない変な習慣をもっていたりとへんてこなものばかりか、或いは少し西洋と違う日本を見下したようなものが多い。本作もそうかと思って最初は少し身構えていた。多少変な部分や侍を美化しすぎるという部分はあったが、全体としてけっこう真面目に日本や侍を理解しようとしている姿勢が見られて好感が持てた。

 特にいいのは殺陣。最初はスターウォーズのみたいな子供のチャンバラのようなものだったら嫌だなと思っていた。勿論ある程度は映画用の演出らしい派手な見せるための場面もあったが、だが疾走感もあるし剣道の技がそれなりに使われていて安っぽくなかった。そこらへんの日本の時代劇よりもよほど真に迫っている。
 渡辺謙も良かった。洋画に出てくる日本人といえば、日本人役だから出ている日本人というのが多い。しかし松田優作以降、久しぶりにハリウッドで通用する力のある俳優がやっと出てきたというのを嬉しく思った。

 物語は史実とは違うので日本人からするとこれは何が原因で戦っているのかと思う。しかしフィクションとして見れば、時代遅れになり滅び行く侍たちの魂の話としていいのではないか。公開当時アメリカにいた私は、度々これは本当の話かとか聞かれて歴史的背景を説明するのが面倒だった。だが一方で外国人から日本の歴史と侍が注目を浴びて興味を持ってもらえているという意味で悪い気はしなかった。電気製品や車じゃなくても日本が注目されつつあるのだと感じた。

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Cape God