親切なクムジャさんのレビュー・感想・評価
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面白くなるまでに時間がかかるスロースタートな映画
序盤は時系列がコロコロ変わり、登場人物も多く相関図が分かりづらくて混乱した。さらにテンポも悪く中盤までは退屈。全体像が見えてきたのが終盤で面白くなるまでに時間がかかるスロースタートな映画だった。
演出面は音楽と人物を舐め回すようなカットが多くてくどい。オシャレな感じを出してる感が苦手かも。単純に韓国映画特有のゴリゴリの復讐系を期待してたから自分には合わないなー。
最後の処刑シーン、被害者たちでゾロゾロ殺しに行くのはシュールで面白い。警官がナイフの使い方教えたり、順番待ち中に身代金の話をしたりリアルに感じた。緊迫感あるシーンなのにコントっぽく見える。シリアスとコメディの絶妙なライン。
「親切」の衣を着せた強(したた)かさ。
服役中も、他人(他の服役囚)に親切にできるほどの余裕を持つことができたということは、それだけ、クムジャが心の奥底に秘めた英会話講師・ペクへの復讐の念が固かったからということなのでしょう。
出所後の他の服役囚たちの協力が得られるようにとの計算も、彼女にはあったのかも知れませんけれども。
それでも、彼女の親切が、結果として他の服役囚たちの協力を呼び起こしていったと見るのが妥当なように思われます。
評論子としては。
結果として、被害児童の親たちにも、復讐のチャンスを作ってあげるほどの、彼女の「親切」も、その決意の固さの成せる業(わざ)とでもいうべきでしょう。
彼女の「決心の硬さ」から来る彼女の所為の「恐ろしさ」のほか、少しく「捻(ひね)りの利いたサスペンス」としては、そこそこの良作の範囲には置くことのできた一本だったと思いました。
評論子は。
(追記)
服役中から復讐の決意を固めてきたクムジャでしたけれども。
しかし、復讐からは本当の心の(魂の?)救済は得られなかったというのは、彼女にしてみれば割り切れない矛盾だったことだとは思いますけれども。
復讐からは何も生まれないという監督からのメッセージが、そこに含意されていたとみるのは、評論子の穿(うが)ち過ぎというものでしょうか。
(追記)
韓国では、子供の行方不明(誘拐)少なくないらしいですけれども。
「かつて」か「現在でも」かは、決して韓国の国内事情に明るくはない評論子には分かりかねますけれども。
しかし、身代金目的にしろ、労働力としてにしろ、そのことをテーマとした作品は、数多く製作されて公開されているとは承知しています。
評論子がいま住んでいる街でも女子高校生の行方不明事件が発生しており、事件の発生は2001年なのですけれど、彼女が最後に目撃された大型ショッピングセンター近くのバス停には、彼女の(当時の)写真入りで、情報提供を呼びかける立て看板が設置されていたりもしています。
それでも、比較的には治安のよい国に生まれ育って、いまも生活していられることの僥倖を、評論子は思わずにはいられません。
(追記)
極限状態にある人たちの精神状態を活写することに長けている監督さんなのでしょうか。
本作のパク・チャヌク監督は。
そういう中でも、ある種のユーモアを交えながら。
そんな作風の監督さんとお見受けしました。
評論子には。
本作は、評論子が観てきた作品でいえば『別れる決心』『JSA』などを手懸けた同監督の手になる、『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』と並ぶ、いわゆる「復讐三部作」の一本となる作品だそうです。
そういう雰囲気を感じさせないタイトルとは裏腹に、本当に怖い、怖い一本でした。
これからご覧になる方は、タイトルのニュアンスには騙されることなく、相応の覚悟を決めて鑑賞することを、いちおうお勧めしておきます。
後半のあのシーンをあえて見せない演出は凄っ
復讐させる場面で直接的なシーンが無くて持って行った凶器と返り血のみでこちらに想像させる演出って凄いです!
後半そうなるとは思って無くてビックリでした!
なんとなくクリスマスに見たくなるんだよなあ笑笑
パク・チャヌクの到達点
刑期を終えて出所したクムジャに、出迎えた司祭が盆に載せた豆腐を差し出す。真っ白になって出直せという、出所者へのはなむけだ。しかしクムジャはそれを撥ね退ける。これから始まる彼女の壮絶な戦いへの決意を新たにするように。
「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続くパク・チャヌク復讐3部作の最終章だ。その卓越した映像表現と衝撃的な復讐劇の展開は前2作に勝るとも劣らない。復讐する者の怨念と哀しみ、そしてそれを見つめる作者の慈愛に満ちた眼差しは、むしろ、本作においてより深いものになったと言ってよい。
復讐にこだわりながらもこの作者が描くものは、それによって得ることが出来る壮快感や溜飲が下がる思いといったものではなく、復讐心にとらわれた人間の心の暗闇、苦しみや悲しみである。パク・チャヌクの描く主人公たちは復讐に突き進むことに躊躇しない。そのつのりつのった怨念が噴出する時、常人には思いもよらない残忍な方法で、その思いを晴らすのである。だがそのあとに来るものは何か。本作が前2作を凌ぐ秀作だと確信するのは実はここにある。
復讐を遂げはしたもののクムジャの心は晴れない。彼女はその復讐に巻き込んだ人々に自分の作ったケーキをとり分ける。その黒いケーキが彼女の心の暗闇を象徴している。それを他者に分け与えることで自身の暗闇を少しでも晴らそうとするかのようだ。そしてクムジャは娘のために真っ白なケーキを作る。その真っ白なクリームを娘は指で掬いその指を舐め、今度は母のためにクリームを指で掬う。しかしクムジャはそれを舐めることが出来ない。そんな母を許すように、娘は母の代わりにそれを舐める。たまらずクムジャは真っ白なケーキに顔を埋めてしまうのだ。
真っ白になれなかった自分を真っ白なケーキに埋め尽くしてしまおうとするその母を、娘が優しく抱きしめる。そんなふたりの上に真っ白な雪が降りそそぐ。荒んだ心も何もかも、真っ白になれと祈るように雪がふたりを包んでゆく。
復讐にこだわり続けたパク・チャヌクが第三作にしてようやく辿り着いた心の救済。映画史上稀に見る美しいラストシーンである。
綺麗なお姉さんと汚いおじさん
劇場公開時鑑賞。『オールドボーイ』に衝撃を受けたパク・チャヌク監督の新作だったのと、清純派まっしぐらという印象のイ・ヨンエ(チャングムはチラチラ観てた)が復讐する人物ということだったのだが。
頭をカチ割られた後では、感覚が麻痺したせいか、生ぬるく感じた。ガンホさんが出番は少ないながらも印象に残る。
【美しきイ・ヨンエが演じる”クムジャさん”の”チャングム”とのギャップが凄き作品。イ・ヨンエさんと言えば、「チャングム」じゃなかったのかい!。美しき人の壮絶な復讐物語である。】
■ある男に娘を人質に取られたイ・クムジャ(イ・ヨンエ)は、誘拐殺人犯の身代わりとして13年を刑務所で過ごす。
優しく美しい彼女は「親切なクムジャさん」と慕われていたが、全ては復讐のためだった。
やがて刑期を終えたクムジャは、仲間の協力を得て男、ペク先生(チェ・ミンシク)を拉致する。
◆感想
・いつも通り、パク・チャヌク監督作品は、とっつきにくい。
― 分かり易いのは初期の「JSA」だろう。-
・だが、パク・チャヌク監督作品は近作の「別れる決心」を含め、キチンと見ないと分かりにくいが、今作は可なり分かり易い。
・イ・ヨンエ演じるクムジャさんは、誘拐した子殺しとして長年獄に繋がれるのであるが、真犯人は別にいた。
ー この辺りの描き方が粗いので、評価は低いのであろう。-
<イ・ヨンエさんと言えば、小学生時代に観ていた「チャングムの誓い」である。子供心ながらに、こんなに美しい人がいるんだ!と思った事を思いだす。
だが、今作でのイ・ヨンエさんは非情なる人である。吃驚である。
けれど、彼女の復讐する姿は、美しく、且つ非情なるのである。>
パクチャヌク、えげつない。
異次元だよ、この人。
悲劇の極冠だと思う
あのラストシーン、誰が思い付くよ。
周りを真っ白にしていく中で、
クムジャさんだけが白くなれず、
むしろ漆黒に染まってしまって、
もう手の打ちようがないのよな…。
けれども周りはそんな彼女を天使のように
見ているという。
こんな皮肉あるんかいな。
あと、心臓が悪いお母さん。
なに彼女の顔。もう最高だったんですが。
笑ってしまうくらい、怖かったよ。
韓国映画って音楽もいいのよなあ…。
あの曲が流れるだけで、作品のクオリティを上げるというか、高貴なものとさえ思えてくるのよ。
あと演出というのか、カメラ割というのか。
すべてに凝っていて、ワンシーンワンシーンが
贅沢なんですよ。
もうパクチャヌクだいすき。
また絶対映画作ってほしい。
なんだろう。
魅力的な人物作りがうまいのか、
それとも飽きさせない展開がうまいのか。
わからんな、全てが魅力だな。
余計に語らないのも、また良いのよ。
いや、にしても…
クムジャさんの魂は救われなかったか…。
切ない復讐劇
クムジャさんが13年服役していた時に誰にでも親切にしていた理由が出所した後にわかりますが後半からビックリするほどバイオレンスでぶっ飛びます。
しかし、チェ・ミンシクはゲス男を演じさせたら韓国一ですね(笑)
「オールドボーイ」「悪魔を見た」と一度見たら忘れられない俳優さんで今回の映画もゲスっぷり炸裂です。
映画の題名とは想像つかないほど刺激が強い作品なので覚悟して見たほうが良いですよ。
主人公の考えた計画は面白かった
そこまでのストーリーの組み立てはとても上手だった.相当複雑で訳分からなくて腹たってきたけどまぁ中盤までくるとよくわかって,あ,なるほどと思った.しかしそれがわかってきた後から急につまんなくなった.時間で言ったら一時間半ぐらいだったとこらへんかな. 物語というものは主人公の気持ちを、その意欲を、流れを、変化をきちっと持ってかないと持たないと思った.途中から主人公と違う人たちに主役をバトンタッチしてしまったようになったのが失敗だった.しかもその方々はそれまで全然出てこないので。途中から突然でてこられても感情移入できなかった.急にそこら辺から退屈になって見るのやめた.
設定は良いですし、お話としても悪くないのですが、もうひとつ強烈な印...
設定は良いですし、お話としても悪くないのですが、もうひとつ強烈な印象が欲しかった感じです。
他の2作に比べると全体的に生温く、クムジャさんの悲哀を強調する演出が長い上に多い印象で、これが効果的になっていれば良いのですが、自分の心には響かず、残念。
その反面、結構好きなシーンもあったのですが、しかし、細かい設定が結局分からずじまいで説明不足でもありますし、こちらが観たいと思うシーンがなかったりと、期待していた分だけ“これじゃない感”も強かったです。
全く面白くなかったわけではないので、やりようによってはもっと面白くなっただろうだけに惜しく思える作品でした。
総合的にはすごい面白かった。 後半とくにそう感じるのだけれど長い場...
総合的にはすごい面白かった。
後半とくにそう感じるのだけれど長い場面が多い。 銃が完成したシーンがこの映画のドキドキのピーク。これ以降は期待値を大きく下回る。
銃の威力を確かめる?のは必要あったのだろうか、カボチャでいいだろうに。
そんなに全部をやらなくてももうわかったよ、と思うシーンが多かった。
両足の甲を撃ち抜いた以降ストーリー展開がよくない。
落し所が見つからなかったみたいなラスト。
シンプルさがあれば良かったと思う。
豆腐?
冒頭、設定を伝えるのに場面が転がりすぎて難しかったが、
仲間そしてチームが出来上がっていくのは観てて楽しい。
復讐3部作と言われる、前2作(オールドボーイ・復讐者に憐れみを)
よりもこちらは、その復讐の達成感は増している。
前2作は「応酬」だったがこれは割とワンサイド。
でも、達成されても残るこの虚無感。
この虚無感の中で、クムジャは今後どう生きるのか。
そこはもっと隠しても良かったかも。
ラストの「豆腐(だよね?ひょっとしてケーキ?)」はあまり要らないかな。
復讐シーンのウィスキー一気がサイコー。
事が済んだ後の記念撮影も笑った。
捕まえたところで髪を切ったのは何でだ?
あと埋める前に空砲撃ったのも何故だ?
イヨンエはやっぱかわいい。
18~31の役だが、それ相応にかわいい。
シーン毎に顔が全く違って見えるのも凄い。
その他もチェミンシク初め「パクチャヌクファミリー」勢揃いで
ずっと観てる人には嬉しい。
“あの”ソンガンホと、
「高地戦」で香川真司と見間違えたシンハギュンが、
驚くほどちょい役で登場。
話的には前2作ほどの衝撃は無いが
パクチャヌク作品に外れ無しのクオリティ。
復讐も虚しい
何ともスッキリしない。警察もこんなことに協力するのか?とか、牧師らしき人がなぜお金をもらってクムジャさんを隠し撮りして報告してたのかとか、色々と疑問が残る。
そして、ラストの方のオーストラリアから養女を迎えに来た二人はガスで死んでしまったのかと思ったけど、違ったのですね。韓国の冬を知らないから、暖房が、ガスかと勘違い。
主人公は顔だけ知っていた女優さん チャングム!とか、
この日と観たことある!と豪華メンバーなのだけど兎に角、暗いです。
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