劇場公開日 2005年11月12日

親切なクムジャさん : 映画評論・批評

2005年11月8日更新

2005年11月12日よりシネマスクエアとうきゅうほかにてロードショー

それなりの覚悟はしてお出かけを

イ・ヨンエの韓国内のイメージは日本で言えば誰だろうか? 往年の吉永小百合だろうか? NHK地上波の深夜帯ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」で形作られたイメージからいえば。

そのイ・ヨンエを主役に起用しての復讐ドラマが「親切なクムジャさん」なのだが、韓国では「親切なチャングムさん」として、イメージの連続性の上で誰もが見に行ったとおぼしいし、監督パク・チャヌクもイメージの連続性を借りながらそこに“児童誘拐の上殺害”の大罪で服役という黒い糸を織り込む。なぜ彼女がそんなおそろしいことを? これが起点だ。

パク・チャヌクの復讐3部作の最後を飾るこの作品は、素晴らしく練られた脚本、そしてこの脚本の映像化する際のあふれるアイデアにただただ感嘆する。ユーモアという甘味料のためにこれまでの2作、拘束具フェチな「復讐者に憐れみを」、「オールド・ボーイ」のような猛毒(このために人にはおいそれと勧められない)は一見隠されているかにみえる……が、しかし……。それなりの覚悟はしてお出かけを。「チング」で覚えた儀式として豆腐を食べる(純白に戻る)という韓国特有の慣習が本作でも2回出てくるが、そこにも伏線が仕掛けられている。パンフに書いております、是非お買いあげを。

(滝本誠)

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