「失われた香港への愛」花様年華 くーにー62さんの映画レビュー(感想・評価)
失われた香港への愛
WKW初鑑賞。
何という色香。何という禁欲。何というじれったさ! これが狙いか!!
60年代の香港が舞台だから、かくもプラトニックな不倫物語(ガサツな表現で失礼)が成立するのかね。画面はビスタでロングショットはほぼなく、常にミディアムかアップ。衣装もチャイナドレスとタイドアップがお約束のようで、そのシェイプをいやが上にも艶かしく映す。
失われた香港、花のように美しい時代、これが裏テーマなのはわかる。香港人の圧倒的な喪失感を、決して満たされない愛に仮託したのだ。
生殺しのように中国に組み込まれた香港への鎮魂歌なんだな。
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