「チャイナドレス!」花様年華 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
チャイナドレス!
ウォン・カーウァイの代表作を初見。大人の男女の不倫ドラマをとことんスタイリッシュに描いている。
的確なショットの積み重ね、ここぞのスローモーション、シーンの反復・ずらしといった演出技法はもとより、濃淡や色味を強調したカメラ、音楽の繰り返しなどで、独自の映像世界を作り上げている。
さらに特筆すべきなのは、衣装。上品で色気のあるマギー・チャンのチャイナドレス姿に、見惚れてしまう。髪を横分けで固めたスーツ姿のトニー・レオンも、やさ男振りが際立っている。
物語としては、二人のプラトニックさがあまりに綺麗すぎる気がするが、ラスト近くのすれ違いシーンなどは、まさしく映画的。「欲望の翼」でも感じたが、一種の「南方趣味」のようなものも興味深い。
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