「多分 多分 多分 ヘブン」花様年華 momoさんの映画レビュー(感想・評価)
多分 多分 多分 ヘブン
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ユニコーンの、ウルトラヘブンスーパーマイルドという曲で奥田民生が 多分 多分 多分 と歌っている。
多分 多分 多分がつまり、この映画の中で流れるキサス キサス キサスに当たる。
多分こうなんじゃないかなと観客の想像に委ねる作品だ。
不倫は褒められたことじゃないし、妻や夫に不倫されて悲しいからって自分たちが不倫するのはどうなのよと葛藤しつつも恋に落ちてしまう。
もどかしい感じが美しい映像とワルツの三拍子に乗せて耽美的に描かれていく。
妻や夫の顔は出てこない。
キスシーンも出てこない。
ましてや裸にもならない。
タクシーでもたれかかった後はどうなのよ?というところも雲の切れ間からうっすら見える程度の描写から想像するしかない。
あくまでも多分なんだけど、墓場まで持っていかねばならない秘めた恋をしたんだな。
誰にも言えないから王様の耳はロバの耳!的に穴に向かって、わざわざカンボジアで、こっそり言うしかないんだな。
多分なんだけど別れた後に生まれた息子が誰の子かってことは、想像出来てしまうけど、あえてそれは明かさない。
秘すれば花。
花様年華のタイトルが示すように、素晴らしい時期って短い。
後から振り返ることができる素敵な思い出がある人はその瞬間の花のような思い出だけで残りの人生生きていけるのだ。
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