イン・アメリカ 三つの小さな願いごとのレビュー・感想・評価
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末っ子を亡くしてしまった母親の想い
サラが自分の命を賭してまで産むことにこだわったのは、やはりフランキーを亡くしていたことと無関係ではなかったのでしょう。
そう思うと胸が痛みます。
それだけに、母親の心中を察しているかのよな姉妹が亡きフランキーに託す「三つの願いごと」が、胸に響きます。
加えて、本当に温かな家族だなぁと思いました。ジョニーとサラとニ姉妹のこの家族は。
本作の設定ではアイルランドからアメリカへの移民という設定でした。
移民一家ということでは、アメリカ社会でも、決して上層の階層に属する訳ではない否、むしろ移民ゆえの困難・苦労もあるようです。
しかし、この家族のことですから(フランキーの存命中にはなおいっそう)温かな家族関係を築いていたことと思うと、それだけで、観終わって、こちらの気持ちまでもが温かくなる作品として、充分に佳作としての評価ができる一本だったとも、評論子は思います。
(追記)
アメリカはボランタリズム、そしてその活動資金源となる寄付の習慣が根づいた社会で、そういう風土を知らずに進出した日系企業は、市民からの寄付の要請のあまりの多さに驚くとも聞き及びますけれども。
そのことから言えば、「叫ぶ男」として周囲からは奇異の目で見られていたロテオの行為は、アメリカ市民社会のボランタリズムの象徴ということなのかも知れません。
(追記)
本作は、別作品『メッセンジャー』(2009)で、主人公の新たな恋人役を見事に演じていたサマンサ・モートンの出演作品ということで鑑賞することにした作品でしたけれども。
本作でも、末っ子を亡くした母親を好演し、その点でも、評論子には、当初の期待を裏切らない一本だったとも思います。
小さな幸せに気付かせてくれる
無条件にめでたいと思うことがある。
結婚と出産だ。
自分が今現在の年まで生きて動けていることが天文学的数字の確率であるということを日々感じて暮らしてる人は少ないと思う。
人生ではいくつもの出会いと別れを繰り返す。そのたびに何かを受け取っているんだなあと思う。
近親だけでなく、今より昔、もっと歴史的に昔の人々も。いつも今よりはいい世界になるように、子どもたちが幸せに暮らせる世の中であるようにと現在の世界を作ってくれてきてるのだ。
意識しないとそのことを忘れて失敗や苦労にばかり目がいってしまう。
実は日々小さな幸せの恩恵にあずかっているのにだ。
ときにはありがたみを思い出すともっと幸福に一分一秒を過ごせると思う。
そのことを思い出させてくれる映画です。
しみじみ味わい深い
デスペラード♪
アメリカの貧困層の現実を移民の目から上手く描いた作品だ。実際の姉妹を配役として起用していることもリアリティを増している。『E.T.』を見事にストーリーの中に取り入れて、奇跡に対する信心深さもテーマとしていたようだ。
物語は10歳の娘クリスティンの目を通して描かれるのだが、「三つの願いごと」を奇跡のごとく扱って一家を幸せに導いていく。三つの願いごとというテーマ自体は古典落語や小説の中で語り尽くされているが、本作品でも二つ目までは"しまった!と思わせるくらいどうでもいいこと"に使われてしまう。「さてさて、3つ目の願いは何かな~?」と観客を想像させ、結局はハートフルな映画のため通俗的な欲を排除してしまう手法で観客の涙腺を緩ませてくれた。実際、3つ目の願いが、子供の命、マテオの命、病院の支払、どれに来るんだ~?とドキドキさせられた(笑)。
レイトショーのため映画館では一人でした。「デスペラード」は思いっきり一緒に唄ったぞ!(歌詞があやふやだったけど・・・)
見所は、オンボロクーラーを運ぶジョニーの姿。「矢でも鉄砲でも持ってこ~い!」て感じで、交通ルールを全く無視です。タクシーの運転手のシーンはデ・ニーロとかぶってしまった。
家族の絆って素敵!
少女の見る家族の癒しと再生
総合:80点
ストーリー:75
キャスト:85
演出:80
ビジュアル:70
音楽:70
俳優としての成功を夢見てやってきたはずのニューヨークに待ち受けるのは貧困だけ。家族には埋めきれない過去の傷がありうまくゆかない現実に直面して辛いはずなのだが、それでも少女の目線から描かれる生活は家族愛があってどことなく救いがある。登場した家族はみんな魅力的だったが、特に長女のクリスティは素晴らしかった。
実際に演技を学ぶために妻と二人の娘と共にニューヨークにやってきた監督の自伝的作品ということで、 普通の映画にありがちな大成功もないしアメリカン・ドリームとは程遠い。また監督はフランキーという息子はいなかったけれど、本国でフランキーという弟を亡くしたらしい。それでも社会の底辺でその日暮らしをしながらも、異国の地で傷を浄化してささやかな希望を未来に抱いて再生されていく家族模様に癒される。決して派手さはなく、むしろ小さな話なのだが、そのために現実感があって心に染みる。実際に監督の経験から作られたのだからそれも当然かもしれないが、その小さな話をちょっと物悲しいけれど心の洗われる話にしっかりと仕上げた演出と演技が評価できる。
こころに響く、幼い姉妹演じる素晴らしい作品
待ちの輝きと子供たちの笑顔
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