劇場公開日 2003年12月13日

「末っ子を亡くしてしまった母親の想い」イン・アメリカ 三つの小さな願いごと talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0末っ子を亡くしてしまった母親の想い

2025年2月6日
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鑑賞方法:DVD/BD

サラが自分の命を賭してまで産むことにこだわったのは、やはりフランキーを亡くしていたことと無関係ではなかったのでしょう。
そう思うと胸が痛みます。

それだけに、母親の心中を察しているかのよな姉妹が亡きフランキーに託す「三つの願いごと」が、胸に響きます。

加えて、本当に温かな家族だなぁと思いました。ジョニーとサラとニ姉妹のこの家族は。

本作の設定ではアイルランドからアメリカへの移民という設定でした。
移民一家ということでは、アメリカ社会でも、決して上層の階層に属する訳ではない否、むしろ移民ゆえの困難・苦労もあるようです。

しかし、この家族のことですから(フランキーの存命中にはなおいっそう)温かな家族関係を築いていたことと思うと、それだけで、観終わって、こちらの気持ちまでもが温かくなる作品として、充分に佳作としての評価ができる一本だったとも、評論子は思います。

(追記)
アメリカはボランタリズム、そしてその活動資金源となる寄付の習慣が根づいた社会で、そういう風土を知らずに進出した日系企業は、市民からの寄付の要請のあまりの多さに驚くとも聞き及びますけれども。

そのことから言えば、「叫ぶ男」として周囲からは奇異の目で見られていたロテオの行為は、アメリカ市民社会のボランタリズムの象徴ということなのかも知れません。

(追記)
本作は、別作品『メッセンジャー』(2009)で、主人公の新たな恋人役を見事に演じていたサマンサ・モートンの出演作品ということで鑑賞することにした作品でしたけれども。

本作でも、末っ子を亡くした母親を好演し、その点でも、評論子には、当初の期待を裏切らない一本だったとも思います。

talkie