武士の一分(いちぶん)
劇場公開日 2006年12月1日
解説
「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」に続く、原作・藤沢周平×山田洋次監督による時代劇3部作の最終章。東北・海坂藩の下級武士、三村新之丞は剣術の腕を認められながらも藩主の毒味役に甘んじていた。そんなある日、新之丞はいつも通りに昼食の毒味をしたところ、赤貝の毒にあたり、失明してしまう……。原作は「隠し剣秋風抄」所収の「盲目剣谺(こだま)返し」。
2006年製作/121分/日本
配給:松竹
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2022年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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キムタクの顔がきれいすぎて、気持ちが入っていかなかったのだけど、失明して荒んでくるとどんどんかっこよくなって色気が凄まじい。現在でも奥さんの浮気は許さない人が多いのだけど、事情も事情だしいいではないかと思う。檀れいがきれいだったけど、きれいなだけでそれほど魅力を感じない。桃井かおりがおしゃべりなおばさんの役。
殺陣がすごい緊張感で圧倒される。
2022年3月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波
ストーリーはシンプルだが、時間配分が物足りない
目が見えなくなる前に武士らしさがあまり無いので、目が見えなくなってから武士の一分だと言われても、取ってつけた感がある
演技は意外と良いと思う
踊る大捜査線が警察という会社で働く公務員なら武士の一分は幕府という会社で働く武士という肩書のサラリーマン。退屈な時代劇ではなく時代劇の衣装を着用してお芝居する現代劇。
2022年2月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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演出も演技も素晴らしい映画だった。
だがラストが腑に落ちない。
新之丞は命をかけて“武士の一分”を果たした。
見ていて気持ちがいい。
では加世は“武士の妻の一分”を果たしたのか?
とてもそうは思えない。
そもそも島田に襲われたとき加世は「怖くて声も出せなかった」と言ったが、武士の妻としてはあまりにも不甲斐ない。自分が手篭めにされるということは自分のみならず夫も家も見くびられるということだが加世はそれを理解していたのか。その場では抵抗ができなかったにせよすぐに夫に報告すべきだが、黙って島田に二度も三度も会いに行ったとなると、加世も被害者であるとはいえ武士の妻としては落ち度がありすぎる。
当時の武家の規範からすれば斬られても文句は言えない。「女敵討(めがたきうち)」といって妻が姦通した際に姦通相手と妻を殺害することを幕府も認めているくらいの時代だ。離縁は最大限に寛大な措置だ。加世はもう新之丞の前に一生顔を出せる身分ではない。
にもかかわらず加世は島田亡き後、新之丞の家に飯炊き女として帰ってくる。これは離縁された武士の元妻としてありえないことだと思う。もちろん新之丞の生活ぶりは酷かったからタブーを犯してでも家に戻りたくなる気持ちは人情としては分かる。だがそれにしても絶対に正体を悟られてはいけないはずだ。それなのにあろうことか加世は初日から新之丞の大好物を作ってしまう。「自分に気づいてくれ」と言わんばかりの行為。理解に苦しむ。
男たちは“武士の一分”を果たしたのに、加世は“武士の妻の一分”を果たしていない。そこにアンバランスさを感じてしまった。
何年もこっそりと飯炊き女として身辺のお世話を続け、正体を悟られた後も「私は加世ではありません、加世はもう死にました」くらい言い張ってくれた方が美しい終わり方だったと思うのだが。
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