武士の一分(いちぶん)

劇場公開日:

解説・あらすじ

「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」に続く、原作・藤沢周平×山田洋次監督による時代劇3部作の最終章。東北・海坂藩の下級武士、三村新之丞は剣術の腕を認められながらも藩主の毒味役に甘んじていた。そんなある日、新之丞はいつも通りに昼食の毒味をしたところ、赤貝の毒にあたり、失明してしまう……。原作は「隠し剣秋風抄」所収の「盲目剣谺(こだま)返し」。

2006年製作/121分/日本
配給:松竹
劇場公開日:2006年12月1日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第30回 日本アカデミー賞(2007年)

受賞

助演男優賞 笹野高史

ノミネート

作品賞  
監督賞 山田洋次
脚本賞 山田洋次 平松恵美子 山本一郎
主演女優賞 檀れい
助演女優賞 桃井かおり
音楽賞 冨田勲
新人俳優賞 檀れい
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映画評論

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(C)2006「武士の一分」製作委員会

映画レビュー

4.0朴訥。

2024年1月4日
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すっかん

正に日本アカデミー賞級のお話。

2025年4月29日
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マサシ

4.0山田洋次監督の《藤沢周平・時代劇3部作》の3作目

2025年1月21日
PCから投稿
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「たそがれ清兵衛」2002年
「隠し剣 鬼の爪」2004年
そして「武士の一分」2006年
3作品揃っていずれ劣らぬ名作でした。

東北にある架空の藩「海坂藩」を舞台に、
貧しい下級武士が政変や諍いに巻き込まれて、
「果し合いをすること」
「恋しい女がいること」
「美しい締めくくりは、ハッピーエンド」
この3つの特徴がある、なんとも美しい時代劇でした。

人気絶頂だったアイドル木村拓哉が、主演。
(方言と時代劇の所作、そして盲人の決闘)
(頑張ったと思います)
役は、上様のお毒見係で、味見した「赤ツブ貝」の毒に当たり
失明してしまう難役。
失明という大事の上に妻の加代(檀れい)は、上級武士の里見
(坂東三津五郎)にだまされて手籠にあってしまいます。
それを知った三村(木村)は、師匠(緒形拳)に果し合いの心得と
剣術の策を教えを請います。

私見なのですが、三村が妻を思う切ない気持ちより、
男として妻を弄ばれた怒りの方が大きく見えてしまいます。
それはもちろん愛しているからこそ、許せないのですが、

檀れいの美しさ、笹野高史の上手さが際立っていました。
ただ「たそがれ」と「隠し剣」は恋する女性との恋が成就するまで、
耐えに耐える話しで、
「武士の一分」は既に妻なので、その辺の切なさが、前2作に較べると
込み上げるものや情感が少ない気がしました。
3作品共に「抑制の美」
それを強く感じました。

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琥珀糖

4.5藤沢周平の情景の見える文章に山田洋次の人間世界が加わった良作

2024年8月6日
PCから投稿

生きた人間のいる原作の文章たち。
素朴に生きる人の深さを感じる映画。

藤沢 x 山田の作品は3本 。それぞれの主演は、、、
「たそがれ清兵衛」→真田広之+宮沢りえ
「隠し剣 鬼の爪」→永瀬正敏+松たか子
「武士の一分」→木村拓哉+壇れい
、、、である。

家族を守り、自分を守る最後の秘剣を持つ武士の姿

これらの武士達は才能豊かな人間ではなく、藩に支え、ごくごく平凡に生き死んでいく予定の人物達だ。前2作に比べ、この「武士の一分」は華やかさのある作品だと思う。それは内容ではなく、主演の木村拓哉にある。彼の存在、立ち振る舞いは、映像の中の空気を掻き乱し整理する天性の雰囲気を持っている。これはこれで素晴らしいが、作品の中では人物の芯が体と心の中心を通っていないという、若干のブレと弱さが見えてしまう。これは彼から武士を感じたかどうかで判断できる。ここは何十回の鑑賞、何十年経っても気になる部分である。しかし、この主人の元、時に静かに、時にかき乱し、観客の心をさらって行った徳平役の笹野高史氏の演技の形は心に残るものがあった。

物語の最後、エンドロールのシーンは山田監督の「息子」と同じ形で、
あの向こうにいる、人の息づく姿を想像するのはなんともいえない。

いい映画です。

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星組