ハイ・フィデリティのレビュー・感想・評価
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原作のロンドンを大胆にシカゴへ置き換えた傑作カルチャー映画
主人公が第4の壁を超えて、これほど観る者に向かって自分語りを繰り広げる作品も珍しい。身の回りにこんな鬱陶しい奴がいたらぶん殴ってやりたいところだが、しかしフリアーズ監督の采配の巧さというべきか、ジョン・キューザックのどこか大人になりきれないベイビーフェイスのなせる技というべきか、本作ではついつい黙って聞き入ってしまうのだから、これは相手の術数に完全にはまり込んでいると言わざるをえない。
ところで、本作は英国作家ニック・ホーンビィの原作ではロンドンが舞台だった。それを完全にアメリカ映画、それもシカゴを舞台にしたローカル映画へと置き換えてしまっているあたりが興味深い。それでも脚色チームは迷った時には原作の魂を忠実にたどることを心がけたとか。同様の流れは『2番目のキス』でも見られる。表層的には英米で大きく異なれども、核にあるものは変わらない。そこがホーンビィ作品が愛される理由なのかもしれない。
マイナス
これはものすごくつまらない最低映画です。
フラフラした中途半端な女たらし男の女性遍歴を追う。
非常にどーでもいいし退屈そのもの。
で最終的にその中の一人と結婚するんだったか何だか忘れた。どーでもいい。
っていうかあまりにしょーもなすぎて、途中からDS始めてよく覚えてない。
私の中では歴代何位かくらいに格付けされるしょーもなさ。
全然おもしろくない映画を±0とすると、
見てる事が苦痛になる映画はマイナスということになる。
<マイナス映画優秀者たち>
ロボコン
茶の味
いぬのえいが
間宮兄弟
この映画
上記以外、すぐには出てこない・・・
洋画では1位かもしれない・・・・
でもどーでもいい・・・・
若いモンなんてこんなもんよ
男女の機微ももよくわからず、ロック聞きながらあちこち手を出して、なんだか中途半端で煮え切らない、よくいるタイプのしょーがない男と、これまた大したことない女たちのフラフラの日常を、恐らく原作小説の雰囲気を再現するためと思いますが、主人公がカメラに向かって心の内を説明しながら話を進める演出が独特、且つ文芸的です。
男も女も所詮こんなもんよ、っていう現実的な視点と、オタクの二人の演技がイケてます。
主人公の本能のままで生きて、全部自分に跳ね返ってくる感じわかるな ...
主人公の本能のままで生きて、全部自分に跳ね返ってくる感じわかるな
馬鹿最高だけど、もっと音楽馬鹿でよかったかも
もっと音楽でテンション上がりたかった
キューザック・ファミリー
基本的にはボヤキ風に進むストーリーで、失恋トップ5を筆頭に何でもトップ5を作っちゃうところが最高!夢の職業トップ5が良かったな。音楽では、かなりオタクなミュージシャンの名前も出てくるので楽しい。本筋の恋愛に関するロブの行動は異常とも思えるくらい未練がましいもので、付き合うこと=セックスと思い込んでるようでもあり、同情もできないのだがストーカーっぽくもないし、不思議と可愛く見えるのだ。
キューザック4兄弟やB・スプリングスティーン、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ティム・ロビンスなど、出演者も豪華で面白い。ジャック・ブラックの音楽オタクの原点なのかな。ラストのボーカルは最高!!
エサ箱漁りがしたくなります
突然観たくなって、再見。
都市部を除き、実用レベルのレコ屋がほぼ消滅した今、完全にノスタルジックな気分で観てしまいます。
レコ屋でのやり取りや、ジャケットの数々を眺めているだけで、ほとんど満足。
妙な安心感があります。
女性遍歴については、音楽遍歴と重ねるとちょっと考えさせられますね。
点数については、どうしても小ネタ漁りをしながら観ちゃうので、落ち着いて観賞できなかったから。
でも当然面白く楽しみました。
エサ箱漁りの心理と似ているのかも…
ダメ人間の自覚と焦り
この映画を初めて鑑賞した時、洋楽は全然わからないけどそれでもとっても面白かった。いや、共感できたというべきか。ちょっとしたネタを元に、自分のBEST5を考えちゃうことってありません?思うに、そういう思考傾向が強い人は大抵オタク的素養を持っていると思うんですが、自分を振り返るとまさにそういう傾向があるわけで、そりゃぁ主人公たちに感情移入してしまう、ってもんですよ。そして、いったん感情移入しちゃうと、その物語自体にも深くのめり込んでしまうわけで…。
さて、この作品の場合、(特に音楽の)オタク的素養にあふれている仲間たちと、そうでない人たちのコミュニケーションのギャップが面白おかしく描かれているわけですね。例えば、音楽仲間バリーが、お客さんに対して自分の趣味に合わない曲をさんざんけなしたあげく、自分の嗜好を押しつけるシーン。ここで「あぁ、わかるわかるw」と思ってしまった方は危険です。あなたは、オタクを通り越してダメ人間側に片足を突っ込んでいます。そして、自分もそっち側の人間だったことに気づいた瞬間、単に笑えるだけの映画じゃなくなってくるのが、この作品の恐ろしいところだったり。
さらに。主人公ロブは、人間関係だったり、自分の将来に不安を持っていて、それを乗り越える努力の代わりに音楽という自分の心のよりどころに逃げようとしがち。そんな姿はまさに自分と同じなわけで、そんなダメな姿をスクリーン通して見せられちゃうと、普段はあまり感じない「焦り」という感情を強く意識せずにはいられません。自分の好きなことを仕事にするというのも、一見幸せなのかもしれなけど、だらだらと目標無く仕事を続けるロブの姿と焦りにはなんだか自分を投影しちゃいますね…。はぁぁ。
というわけで、初めて鑑賞したときは、「あ、俺も同じだ、アハハ~」と笑って済んだところが、年をとる(=ロブの年齢に近づいていく)につれて「俺も同じだ…、あ、ハハ…?」と痛くなってたりする。なんてっこたい。でも。気づけば年に1回くらいの頻度で鑑賞している自分もいたり。なんなんだろうね、この中毒性はいったい。。
音楽映画としても、コメディ映画としても、恋愛映画としても、そして人によっては自分を見つめる映画としても楽しめる(?)ので、少しでも興味に触れるキーワードがあれば是非鑑賞してみることをお勧めします。
男ってバカだよねぇ・・・
なんか、作業しながら片手間にDVD流そうと思って再生始めたら、作業なんか手につかなかったよ『ハイ・フィデリティ』。
いやぁー・・・これいいねぇ・・・。
観るのはたぶん1年以上振り、4、5回目だと思うけど、今回が一番“染みた”ね。
「音楽オタクで恋愛オンチ・・・」って、かなりいいコピーだ。
物語としては、器用に生きられない音楽マニアの主人公(中古レコード店オーナー)が今カノに振られるところから始まって、その彼女とのやり取りを『過去の辛かった別れトップ5』のランカー達との思い出と絡めながら見せていく・・・という感じで。
映画の構成上面白いのは、本来ナレーションで済ませるべきところを、全部画面の中で主人公がカメラ目線で喋ること。これ、最初に観た時は「えっ!」って思ったけど、何度か観ていくうちに、この話は、確かにこのスタイルじゃないと成り立たないなって思うようになる。この冒険的な方式を採用した監督とプロデューサーはすごい。
歌の詞や映画の登場人物に自分を重ねて作品を評価するのは公正じゃあないってわかった上で敢えて書きますが。
これは、なんか、主人公の言動・思考が今の僕に通じるところがありすぎてありすぎて(まぁ、元々一般的な男なら誰でも、思い当たるところは沢山あると思うけど)。
僕がもう何ヶ月も・・・っていうかもしかしたら何年も悶え苦しんできた精神状態を、この主人公も通過して、わざとらしくない、非常になまっぽい幸せに終着するこの感じの幸せなこと幸せなこと!!
現実逃避なんだろうけど、僕も少し気が楽になった。
世の男性は「わかるわかる」言いながら楽しんでください。傑作!
(蛇足、タイトルについて:
タイトルの『High Fidelity』、所謂Hi-Fi、つまり『(音楽再生の)忠実度が高い』という意味のオーディオ用語なんだけど、『Fidelity』には『貞節』っていう意味もあって、フラフラ迷ってばかりの主人公の『高い貞節』に辿り着くまでの話、という意味も込めたダブル・ミーニングなんだと思う。ん~、深いなw)
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