ハチミツとクローバーのレビュー・感想・評価
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魔法のコトバ
スピッツのこの「魔法のコトバ」が僕は大好きで、
エンディング曲として使われているらしいと聞いたので本編を鑑賞。
美大生たちの物語だ。
若いって素晴らしいじゃないか。
模索する青春の時を
彼らもその指先と絵筆で、そして粘土や絵の具で探っている。
抽象を具象に変える場所だから、彼らの心もこうして見えるカタチに現れてくるのだろう。
だから映画の冒頭にこんなにステキなフレーズが現れる
「草原を作るには
蜂蜜とクローバーが必要だ」
―――――エミリー・ディキンソン
とにかくスピッツ推しで観たものだから、そこから遡って美大生たちのすべてがキラキラしてて、僕の目には眩しく写ったな。
2006年!
出演俳優たちの若さもとてもいいのだ。すんごく良い“素材”とか“原石”とかが、この映画のために集合していたことがわかる。
アクターやシンガーたちの事も「ARTIST」とくくって称ぶのは、これは正解なのかもしれないね。
うちの娘も、美大生だったが、悔やまれることに彼女の在籍は「コロナ禍」とばっちりバッティングしちゃって・・
学生同士の切磋琢磨 (飲み会とか、共同製作とか、みんなで遊ぶこととか、ケンカとか、旅とか) が味わえなかったのがホント残念。
「人間=素材たち」から芸術作品が生まれ出るのだって体験を、うまく味わえなかったはずだ。
ぶつかって、傷付いて、好きになって、ぶっ壊れて、
そこから何かが生まれ出すはずだもん。
・・・・・・・・・・・・・
【魔法のコトバ】
草野マサムネの詞。
2番の最初の2行が好きだ。
ガールフレンドにこのYoutubeを送った僕も、もしかしたらまだ青春してるんだと思うよ。
【1】
あふれそうな気持ち 無理やりかくして
今日もまた 遠くばっかり見ていた
君と語り合った 下らないアレコレ
抱きしめて どうにか生きてるけど
魔法のコトバ 二人だけにはわかる
夢見るとか そんな暇もない この頃
思い出して おかしくてうれしくて
また会えるよ 約束しなくても
【2】
倒れるように寝て 泣きながら目覚めて
人混みの中でボソボソ歌う
君は何してる? 笑顔が見たいぞ
振りかぶって わがまま空に投げた
魔法のコトバ 口にすれば短く
だけど効果は 凄いものがあるってことで
誰も知らない バレても色あせない
その後のストーリー 分け合える日まで
(Cメロ)
花は美しく トゲも美しく
根っこも美しいはずさ
(リフレイン)
魔法のコトバ 二人だけにはわかる
夢見るとか そんな暇もない この頃
思い出して おかしくてうれしくて
また会えるよ 約束しなくても
会えるよ 会えるよ
♪
ただ早く「終わってくれ!!」
映画館で見ている最中「早く終わってくれ!早く終わってくれ!!」と、何度も
思いました。
人生の中で、この作品ほど何回も時計を見た映画は、ありません!
とにかく「早く時間が流れて、上映時間よ終了してくれ!」と…
昭和から続く「恋愛ごっこ」の作品と、何も変わりません。
その上、登場人物の性格が痛過ぎます!
一例を挙げると、ある少年が女子の友達から、何回も「好き」と言ってもらえます。
その少女は、大変美しいです。
ならば男は、その彼女と付きあってあげればいいのに、意味不明で断り続けます。
更に、その男は、ある大人の女性会社員にストーカー行為を続けます。
その大人の女性、幸が薄くて美人って程の女ではないです。
何故、美しい少女の思いを拒んで、中途半端な顔をした成人女性に
ストーカー行為を続けるのでしょうか?…意味わかりません。
その他の「痛い恋愛ごっこ」も、あった様ですが、ほとんど覚えていません。
ただただ「早く終わってくれ!!」の映画でした。
原作所有、アニメ視聴済、連ドラは…ごめんなさい
劇場公開時鑑賞。
伊勢谷…。実写化する上で森田さんをどうするかが一番難しいポイントだったと思うが、リアル路線できて、うーん仕方がないがごめんなさい。絵は上手いけど。
櫻井くんは正直あんまりうまいとは思わないんだけど、逆に竹本のぎこちなさ不器用さにあっていて、予想よりずっと良かった。
蒼井優は蒼井優だもの、何やったってキッチリものにするもの。まあ子供っぽいはぐちゃんも観たかったが。
真山の加瀬亮とあゆの関さんは当時はあまり良く知らなかったけど、有能なのに恋愛方向だけポンコツというか拗れちゃってる二面性がうまく出てたように思う。
良くも悪くもあっさり薄味フラット。コメディ要素は抑えてあるけど、やっぱりちょっともじもじ恥ずかしい感じ。
羽海野ワールドはやはり難しい。2次元のままにしておくべきだったか。
エンディングでのスピッツ『魔法のコトバ』スガシカオ作の嵐『アオゾラペダル』の『ハチミツ』と『clover』アーティスト揃い踏みは感涙ものだった。羽海野さんが一番嬉しかったろうけど。
原作は見たいと思っているけど未だ未読です。 なんかすごく雰囲気がい...
何度も映像化される作品は、一番最初に観たバージョンのイメージがどう...
何度も映像化される作品は、一番最初に観たバージョンのイメージがどうしても拭えないですよね…
生田斗真バージョンを観てしまったのと、この作品の櫻井くんに(当たり前だけど)昔の櫻井感があり、でもそれでも短パンはどうなんだろう?とか思ってしまい、なんだか集中できませんでした。
それでも蒼井優ちゃんはやっぱりすごい。原作はちらっとしか読んだことがないけど、はぐみだぁ〜と思いました。
そして伊勢谷さんがなんかすごく怖い。
15年も経てば見た目変わるとはいえ、なんだろう、メイク感がないから?痩せてるから??なんかとても怖かった…
あと「主題歌」と「エンディング・テーマ」が存在するって何。ジャニーズそういうとこ!!!
青春してるなぁ~
瑞々しい
胸一杯の甘酸っぱさと、もどかしさ
蒼井優のはぐみは、まさに原作漫画のイメージ通り。森田、真山、山田役も素晴らしい。竹本演ずる櫻井翔も、本当にお見事で素晴らしい。勿論、堺雅人の花本先生もイメージ通りで悪くなし。原作のエピソードの取捨選択も良く、スピッツの主題歌のみならず、音楽も心に染みる。
ただ、羽海野チカさんの大ファンだけに、原作漫画で受けた大きな感動と涙が得られない、もどかしさを感じた。おんぶされた真山の背中で涙する山田さんの絵は、原作漫画でも最高に心打たれたシーンであるが、片思いの本質を抉るそのやるせなさや悲しさが、映画では十分に伝わってこなかった。ここでは、山田のクローズアップを入れる、或いはモノローグを入れるなど、演出上の大きな工夫が欲しかったところ。
あと、森田の凄さは龍の絵とかで伺えたが、はぐみの絵の天才性が自分には感じられなかった。難しいところだが、素人でも凄いと思わせる絵やデッサンがあれば、最高であった。
学生時代の楽しさの空気感
とても印象に残っている。
今見ると実力ある俳優達の共演だった。もう定評が確立しているが──というより、当時既に演技派と見なされていた人たちだが、多数にも関わらず、それぞれの個性を適確に配役し、引き出し、引き立てていた。群像にかかわらず、埋没したキャラクターがいない。
原作は未読だが、平凡な男が、芸術を目指し、すぐれた才能と失恋に遭って、自分を知る──という普遍の青春物語で、好感をもった。
学生時代がまぶしいほど楽しく描かれている。花本先生宅に研究生の面々が集まって親睦会をやる雰囲気がすごく和める。きっと大勢のひとたちが青春時代のどこかを思い出したと思う。
いつも「おまえらのことはぜんぶわかっているぞ」みたいな余裕の笑みを浮かべている花本先生が、堺雅人に合致していた。
それを言うなら、いつも不慣れな新人AD風態度の櫻井翔も適任だったし、バイト先の経営者にストーカー的恋心を抱く根暗な真山も加瀬亮を置いて他に居なかったであろうし、はぐみも蒼井優でなければ単なる知恵遅れにしか見えなかったであろうし、強引で自信満々の森田も伊勢谷友介にふさわしかったし、真山に一途に寄せる山田も関めぐみの勝気と純情がはまっていたし、真山に惚れられた西田尚美も魅力的な年上の女だったし、ちょっとだけ出る宮大工の中村獅童も親心ある頭領に見えた。
配役で映画があらかた成功していた。
絵がうまい──と言ったばあい、それは絵が写実的で、対象そっくりに描かれていることを指している。だから抽象画は、うまいか、うまくないのか解らない。それでもそれを優れていると感じるのは、主観に基づく。三段論法でいくと、ゆえに芸術とは主観に基づくものだ──となる。
だが、なんとなく絵心は解るものだ。あわせて才能があるか、ないのかも、なんとなく解る。造詣や練熟があるなら、明瞭に解る。だから芸術をやろうとした初端──学生の段階で、じぶんには才能があるのかないのか、概ね解る。
だがはぐみの絵はわたしには解らない。造詣があっても明瞭に解る絵だとは思わない。それでも絵を続けるならあとはお金やスポンサーとの天秤になる。
芸術にはそのジレンマがある。青春のときめきを交えながらも、その芸術に対する溜め息がこの映画には描かれていると思う。「いいな、わかものは」頭領の台詞は物語を集約していたと思う。優れたSoul-searching映画であり、マンガの実写化の成功例でもあると思うが、なぜか監督はこれ一作しか撮っていない。
残念です...。
ハチクロ
『頭文字D』の主役の車はハチロクだが、この映画の略はハチクロ。『NANA』のハチは宮崎あおいだが、この映画のはぐみは蒼井優だ。と、ろくでもない文ではじめてすみません。
この作品のタイトルは原作者の羽海野チカがスピッツのアルバム「ハチミツ」とスガシカオのアルバム「clover」を聴いていたことによって決定したらしいけど、この映画のテーマソングにもなっているスピッツの「魔法のコトバ」が情感たっぷりに歌われて、思わず青春君したくなってきました。スピッツが主題歌を歌うといったら、どうしてもTV『白線流し』を思い出してしまいますが、このハチクロも同じく若者5人が中心人物でした。映画の中で、「長野県民の4割は海を見たことがない」という台詞が妙に印象に残ってしまうのですが、『白線流し』も海のない長野県が舞台。そして原作者の名前といい、舞台となる大学が浜美大といったことからも、クローバーよりも海がテーマだったに違いありません(違います)。
やっぱり青春モノは男3女2がピタリときますが、最近はTVドラマにしろ映画にしろドロドロな関係になってしまうパターンが多いのに、この映画は純情すぎるほどの登場人物ばかりで、片思いばかり。「まるで中学生」という言葉にも表されているように珍しいくらいの純情路線なのです。そこがかえって新鮮に映り、日頃から鬱積した肉欲的雑念を洗い流してくれるほど。映画鑑賞後には海へ行って「好きだー!」と叫びたくなること間違いなしです。
美大というトコロは入ったこともないので、どれだけ精神的自由が約束されているのかわかりませんが、これほど自分を表現できる教育機関はないでしょう。在籍中のまま個展を開き、作品を発表できるなんてうらやましい限りです。『純情きらり』の時代だったら、特高警察に全部没収されるところですよ。しかも森田が最後にとった行動は、現代の金銭至上主義に対抗してるかのようで、むしろ清々しい思いにさせてくれました。
蒼井優ならこの台詞の少ない役柄は難なくこなすだろうと安心して観ていられたし、関めぐみの演技もちょっとキュンっとなってしまうほど良かった。青春しすぎてバカっぽく見えるのに慶応出身の櫻井くん。彼はかねてより憧れの修復師に出会うけど、飲酒運転だけはしないように心がけてもらいたいものだ。万が一捕まったら、「美大生って面白・・・」などと言われますよ!
これはどんな人向けなのか。多くの人は淡々としたストーリーと素人な演...
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