劇場公開日 2006年7月22日

ハチミツとクローバー : 映画評論・批評

2006年7月25日更新

2006年7月22日よりシネマライズにてロードショー

青春のきらめきがまぶしすぎるぜ、ハニー!

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美大生とは思えないほど平凡な竹本は、一心不乱にキャンバスに向かうはぐみに一目ボレ。天才肌の森田もまた、才能豊かなはぐみに心奪われるが……。

美大生たちの恋模様や夢を描く羽海野チカの人気漫画を実写化した群像ドラマだ。互いの才能に呼応するはぐみと森田。ふたりを軸に平凡さを自覚した竹本の自分探しの旅や恋ゆえにストーカーまがいの行動をしてしまう真山、ヤバい(?)真山を密かに想うあゆみというキャラ設定は原作通り。キャッチフレーズ「全員片思い」らしく、恋愛成就の高揚感や愛憎なかばのドロドロ感とは無縁なまま人間関係が進んでいく。純粋すぎる思いやりやベタなセリフは、原作を知らない人にはかなりこそばゆいはず。青春が終った人ならば、そのきらめきに目を覆いたくなったりして? ハニー、眩しすぎるぜ!

繊細で独特のユーモア感覚を持った羽海野の世界観にいかに近づくかが映画版のポイントで、主役はぐみを蒼井優が演じたのは大正解。身長こそ設定より高いが、そよ風のような不思議な存在感と柔らかな間合いに漫画のファンも満足するはずだ。まさに、リアルはぐ! 美術界の異端児、森田役の伊勢谷が美大出身の利を生かしてエキセントリック男をリアル&コミカルに分析したのも高ポイント。今までのかっこつけた役と違い、本作の伊勢谷は等身大感があって、好感度アップするはずだ。

山縣みどり

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