劇場公開日 2006年7月22日

「胸一杯の甘酸っぱさと、もどかしさ」ハチミツとクローバー Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0胸一杯の甘酸っぱさと、もどかしさ

2020年8月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

蒼井優のはぐみは、まさに原作漫画のイメージ通り。森田、真山、山田役も素晴らしい。竹本演ずる櫻井翔も、本当にお見事で素晴らしい。勿論、堺雅人の花本先生もイメージ通りで悪くなし。原作のエピソードの取捨選択も良く、スピッツの主題歌のみならず、音楽も心に染みる。

ただ、羽海野チカさんの大ファンだけに、原作漫画で受けた大きな感動と涙が得られない、もどかしさを感じた。おんぶされた真山の背中で涙する山田さんの絵は、原作漫画でも最高に心打たれたシーンであるが、片思いの本質を抉るそのやるせなさや悲しさが、映画では十分に伝わってこなかった。ここでは、山田のクローズアップを入れる、或いはモノローグを入れるなど、演出上の大きな工夫が欲しかったところ。

あと、森田の凄さは龍の絵とかで伺えたが、はぐみの絵の天才性が自分には感じられなかった。難しいところだが、素人でも凄いと思わせる絵やデッサンがあれば、最高であった。

Kazu Ann