七人の侍のレビュー・感想・評価
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日本映画を代表する名作
日本を代表する黒澤明監督の名作中の名作。
海外にも轟き、多くの映画そして監督に影響を与えたと聞きます。
ある意味で「七人の侍」は三船敏朗のコメディアン振りに見惚れる映画でもありました。
三船敏朗って本当に、米と味噌汁と塩ジャケをを食べて育ったんでしょうか?
演技がエネルギッシュでバタ臭い・・・ステーキとオムレツ食べてたと思うけど・・・どうでしょうね。
「七人の侍」でも一人ではしゃいで走り回り、褌一丁で川に潜って素手で魚を取ってました。
生でむしゃぶりつくのか?と見てると焚き火で焼いてて一安心(笑)
駄馬を乗り回すかと思えば、振り落とされて馬を必死で追って走って行く。
(落馬シーンは、端折ってました。至宝三船を怪我させては大変、笑)
ともかく人間臭い。
農民や仲間が死ぬと落ち込んで、寝食を忘れて嘆きます。
大騒ぎして、はしゃいで、大酒喰らって、ボコっと殴られたり、ぜんぜん三枚目です。
素敵さも美貌も封印ですよ、この映画では。
でも並の身体能力ではないです。
演技の驚くほどの多様性・・・菊千代(三船)と名乗る農民上がりの侍は、
馬小屋だろうと気にも留めずに爆睡します。
菊千代の名前だって借り物!
野武士との戦いは二日二晩続き、敵も味方もヘトヘトになり、野武士たちはほぼ兵糧攻め。
野武士たちにとっても、こんなに手こずった経験はない筈。
そしてラストの雨の中の最終決着へと雪崩れ込んで行きます。
馬の疾走、いななき、雪崩れ落ち落馬する野武士たち。
迫力の映像でした・・・スペクタル時代劇です。
結論的には、農民は底力がある。
農民は虐げられることに慣れている。
だから彼らは打たれ強いのです。
長い歴史の中で、戦時にヘコタレないのは土を耕す農民。
米を作り野菜を栽培する農民。
土と共に生きること・・・侍には敵わないのです。
志村喬の言葉『今度も負け戦だったなあ、勝ったのは農民さ!!」
それが正解でいい。
過去鑑賞
やっぱり凄い
やっぱり凄かった…
リマスター版は3回目だが、とにかく「セリフがわかる」。
「以前」は8割何を言ってたかわからなかった三船のがなり声の内容が9割わかるようになった。(いや正味の話、)
そうすると何が変わるかって言うと、今まで主に後半の合戦シーンに圧倒されて高評価してたのが、実は前半の密度の濃さ、面白さ、ドラマティックさがもの凄い破壊力であることがわかってくる。
(馬喰が百姓の肩を持つシーンなどは映画史上に残る名場面だと思っている。)
勘兵衛他どのキャラクターも魅力的だが、特に菊千代。
百姓と侍のハイブリットである彼の存在はこのストーリーにおいて不可欠なものだった。
まあ理屈はともあれ3時間を遥かに超える尺があっという間。こんなの見るとホントに「面白さ」に「古い新しい」は直接関係ないと痛感する。
新文芸坐さん、ありがとうございました!
七人の侍
たしかに長いが面白い。時間はそれほど感じさせない。
「用心棒」を見ていたので、同じくらいすっきりした映画だと思っていた。
が、終わってみると気分は晴れない。
守られるべき被害者だった百姓は、ストーリーが進むに連れ違う描き方をされている。
最後には礼を言うどころか、志村さん御一行と絡む描写も無い。(ここのせいでモヤモヤが深まった気がする。これ以前にも布石はうたれてたけど。)
「勝ったのは百姓」
悪を倒しても、村に平和が戻っても気分は晴れきりませんでした。善人で、か弱い村人と共闘して悪をやっつけ、感謝される話だったらもっと気分楽だったろうけど。笑
(宮口精二さん演じる侍破茶滅茶かっこよかった。侍!)
百姓が侍を探すシーン、探している百姓達の顔付近だけ写してキョロキョロしている描写がある。これが割と長いのだが、用心棒でも同じような描写を観た。注視する先を写さず注視している人達を長い時間写しているのは気になった。
カッコ良すぎて惚れた。
『七人の侍』鑑賞。
*主演*
三船敏郎
志村喬
*感想*
初めて黒沢明監督の作品を見ました。
全編モノクロ。長編作品なので、前編と後編それぞれ見ました。
百姓に雇われた七人の侍が村を守る為に野武士に立ち向かうお話。
前編は百姓が七人の侍をスカウト、野武士の襲撃に備えての準備。
後編は七人の侍+百姓vs野武士の戦いが描かれてました。
勝四郎と志乃の惹かれ合いもありました。でも、あのお父さん、いくらなんでも叩きすぎ(^^;
七人の侍達がかっこ良かった。特に三船敏郎さんが演じる菊池代と志村喬さんが演じる勘兵衛が渋い!足も速い!刀を抜くシーンもカッコいいし、惚れました!
終盤で、雨の中の激しい攻防戦が圧巻!泥まみれになりながら野武士を倒すシーンやカメラワークも迫力があって凄かった!\(^^)/
普段はあまり時代劇を見ないけど、とても面白かったです!
面白すぎて困惑!
初めて207分ちゃんと観た。古めかしい歴史格闘物かと思っていたがド直球エンタメアトラクションだった!個人的には後半の怒涛の戦闘シーンより、前半のヒューマンドラマの方が心踊って好き。ラストも繊細で日本人らしい風情があるね。志村喬に惚れてしまった。
黒澤では下位。
私は非支持。
美術照明撮影の濃度は買うが。
スターウォーズ級の凡庸冗長な脚本に、ひとり尻丸出しで対峙し飛び跳ねる三船のケツ肉だけでもたせた一本。
黒澤でなく当時の三船が凄いのだ。
怒鳴り早口は修復しても聞き取れぬが許す。
黒澤では下位。
黒澤なら天国と地獄、羅生門、赤ひげ。
ルーツ
現代を生きるわたしたちがシェイクスピアを読んでも、そこに普遍性を感じない。けっこうややこしいストーリーを持っていて、むしろ一風変わったドラマに感じられる。でも黒澤明には普遍性を感じる。全部入っている気がする。元となるものがそこにある気がする。
こんにち誰がつくった映画にも、意識と無意識にかかわらず、黒澤明の影響があると思う。そこまで普遍的なものを知らない。絶対で、何か/誰かと比較のしようがなく、かつ総てに通じる。
海外誌が編集した歴代映画100選のこの映画の選評に、ブロックバスターであり、かつアートハウスでもある、という言い回しがあった。ミーハーな庶民も、こまっしゃくれた映画通も、どっちも喝采する映画だという意味で、黒澤明の普遍性を簡潔に言いあらわしていると思う。
社会から高潔という形容の対象がいなくなってしまっても七人の侍のなかにはいる。わたしはいかなるメディアでもこの映画の久蔵/宮口精二より高潔なヒーローを見たことがない。
2015年のアメリカ映画mifune the last samurai。三船敏郎のドキュメンタリーだが、無数の魅惑的な未公開画像が出てくる。そこで、撮影中なのだろう、はしょりの甚平でラーメンを食べている三船敏郎の写真を見た。舞台裏の姿がとても印象的だった反面、侍たちの活躍もつくりものだということに気づくのである。
映画といえども、人がつくったものだ。あたりまえのことだが、それが映画であれ音楽であれ、あるいは小説、彫刻、絵画、漫画、ほかの何であれ、誰かがつくっている。そして人は人の創造物を愛でる。わたしを含め、世界じゅうの人々にとって、誰かの創造物を愛するきっかけが、黒澤明またはその亜種だった可能性がある。
何度見返しても何を言ってるのかさっぱり聞き取れない。海外で評価が高...
何度見返しても何を言ってるのかさっぱり聞き取れない。海外で評価が高いのは字幕のおかげだろう。しかし、それを差し引いても名作。頑張れ録音部。
世界で最も有名な日本映画のひとつ
『荒野の七人』はじめ、いろんな形でリメイクされるなど、今も世界中に影響を与え続ける日本映画のひとつ。
まぁわかりやすいストーリーをダイナミックな映像で製作。これは世界中の誰でも楽しめる(^^)b
ただ、笑い担当で見事な演技を見せてくれた三船敏郎だったけど、セリフは聞き取りづらい(^_^;)
それにしても3時間半という大長編。
長い…けど面白いからあっという間。
とにかく映画好きなら、絶対見ないとね。
世界の黒澤
3時間半と長い映画だったので二日掛けて鑑賞。
声が聞き取りにくかったので字幕があればいいなと思いましたので、
Wikipediaであらすじを見つつ鑑賞しました。
粗い映像と間の取り方が今の映画では見ない緊張感を生んでいてドキドキしました。
世界的に評価されている作品を日本人である自分が見ないわけにもいかないという
謎の使命感から見た今作でしたが、・・・良かったです。
次見るときは字幕入りで見たいですね。
映画館で観てよかった映画No.1
鑑賞3回目!
月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとして
1回目に観た時は歴史的名作の迫力に圧倒されて
感想を文字に残す余裕がありませんでした。
2回目にやっと世界が認める娯楽作品の
楽しさ面白さを私の言葉で文字に残せるところまで来ました。
そして3回目に七人の侍
一人一人の魅力的な人物描写に魅了され
観終わった後、涙が出ました〜〜
私もあの貧しい村の一人になって
現在ならさしずめ「理想の上司No.1」の
志村喬演じる勘兵衛さんや稲葉義男演じる五郎兵衛さんに
もっと色々教えてもらいたかった!
三船敏郎演じる破天荒な菊千代や、
スッとぼけていながら優しさの滲み出る千秋実の平八さんや
加東大介演じる戦慣れした七郎次さんと一緒にお酒が飲みたかった!
宮口精二が演じたクールな久蔵さんの見事な剣の腕前に
木村功演じる若侍、勝四郎と一緒にもっと魅了されたかった!
あの世界に行きたい!
あの七人と会いたい!
これが本当に惚れると言うことやね〜〜
しっかりキャラの立った七人の侍たち
だからこそ、現在でもこんなに心に響くのでしょうね〜
以下は
2回目の2018年7月9日 鑑賞時の感想です。
この映画を「別に普通」と言う人もいるが、そりゃそうだ!
この映画があったから、その後の殆どの娯楽アクションものが
この映画をいわば真似してる訳で〜
「普通」を最初にを創り出したのがこの映画と言う事。
台詞が解らないと言う人もいる。そりゃそうだ!
そもそも50年前の映画なのだから50年も過ぎれば言葉も変わっちゃうし
日本語スキルが劣化した私らに合わせた台詞は一言も無い。
それなのに地球上で1億強しか話さない原語の映画が
世界で同時多発的に色んな国の映画人から賞賛されている訳で、
要するに少々セリフが解らなくとも
真面目に観れば、ちゃんと解るように作られてるんだよ!
名作名作と構えずに気楽に観たら良い!
面白い娯楽作品なんだから〜!
福田里香氏の「フード理論」の最高峰は「七人の侍」である!
と言う評論を耳にして、改めてこの作品を観ると
食べる事=生きる事の重さが胸に迫って来る。
作ってる自分たちでさえ一粒も口に出来ない一番大事な米を
差し出すしかない農民と、そんな農民の困窮を見兼ねて
出世にも俸禄にもならない仕事を引き受けた侍達の矜持と、
意義ある死に場所を求める気持が合致して話が進んで行く。
侍の話だけでなく、農民たちの困窮しながらも
実はしたたかに生き抜く狡猾さも描かれている。
死にかけの落ち武者を竹槍で追い回して奪った槍や兜〜
決戦前夜、いつのまにやら始まった酒盛りや
若い性の暴走などは誰にも止められない〜
生きるとは、綺麗事では無く、時には人を欺いたり
文字通り命がけなのだと、観るものに伝わってくる。
実は農民の出である三角じるしの菊千代が目指すものは
「本当の侍」になること。
だから勘兵衛に「本当の侍」の理想を見てついて来たのであり
久蔵の振る舞いを褒め称える勝四郎の「本当の侍」の言葉に
触発されて、逆に「本当の侍」にあるまじき行為を行なってしまう。
その反省が、最後は彼を「本当の侍」にしたのだと思う。
今回改めてやっぱ三船敏郎って凄いな〜〜
圧倒的な存在感と、大きな動き、豊かな表情!
そして画面全体を照らし出す、溢れる様な愛嬌!!
彼の愛嬌があればこそこの映画が単に重い話で終らず、
メリハリのある活劇になってるんでしょうね。
こんな役者は今のハリウッドを含めてもちょっと居ない気がする。
1回目が2016.10.19日でした。
今回2度目だけど、2度目だからこそ
前回見落としていた部分を再確認しました。
本当に中身が詰まってます。
@もう一度観るなら?
「定期的に映画館で!(笑)」
日本映画の極地点
洋画では『アラビアのロレンス』、邦画ではこの作品が、個人的な永遠のベストムービーです。いま改めて観ると、1954年製作とは思えない斬新でリアルな設定です。時代劇なのにヒーローは存在せず、戦術や殺陣も乾いたようなリアル感満載で、登場人物が戦死するシーンもあっさりしてる所がクールです。今回、大画面の4Kデジタル映像で観られたのは嬉しかったです。TVドラマの延長やマンガの映画化ばかりでなく、優れた作品をリマスターして公開する文化的意義は大きいですね。
孤高の領域にある映画。
午前10時の映画祭で4Kデジタルリマスター版を鑑賞、やはり映画は大画面でなければならないことを改めて感じた。
何度も見慣れた作品なんだけど、観る度に新たな発見と感動を与えてくれますね。
今回の鑑賞ではダーウィンの進化論を思い出しました。
生き残るのは強い種(侍)ではなく、変化する種(百姓)である。
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