七人の侍のレビュー・感想・評価
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人が生きている。暮らしている。
エキストラなんて出でいない。
役名のない人たちも映画の中で生きている。
その時代、その時、その宿場町に生き暮らしている人のように演出している。
それを思い知ったのは、たとえば久蔵の真剣での決闘シーン。
見守る勘兵衛と勝四郎の大写し。彼ら二人の目の動き。
その二人の後ろで決闘を見守るたくさんの人たちの表情と動き。
さらに決闘後。木賃宿に戻る勘兵衛が五郎兵衛に
「今、人一人を斬るのを見てきた」と告げた時に
その現場に向かう人たちと少しでも離れようとする人たち。
スクリーンで、DVDで、サブスクで、何度見ただろうか。
見るたびに発見があり、この映画の凄みを実感する。
まだまだ黒澤明監督の凄みがわかる場面があるはずだ。
あと、何度この映画を見るだろうか。
実際、戦闘だけじゃない
黒澤明作品の中で初めて観ました
みんな言ってることだけど、とても面白かった。
戦闘シーンの迫力感はただならないものがある。みんな言ってることだが、迫力感では現在でも他の追随を許していないと思う。少なくとも僕は、これを超える戦争シーンを観たことない。雨の中、泥まみれになりながら戦うシーンは凄まじかった。
でも、実はすごいのはアクションだけじゃないことに気づいた。
例えば、ユーモアがある。この作品はクスッと笑えるネタが随所に散りばめられている。
この作品は古い上に、白黒で、しかもストーリーも結構ドロドロしている。その上、長いので軽く観れる作品ではない。
でも、実際には観ている間はあんまり気にならない。ユーモアやアクション、映像美が緩衝材になって、重苦しい雰囲気を和らげてくれる。要は、器用貧乏ではないのに、バランスがとても良い。
観て、大したことのない、という感想を持つ人はあんまりいないだろうと思うほど、優れた作品なので、気になるなら観てほしいです。
欠点から見れば…
もはや、言うまでもない名作だが、新たな評価をする為に、あえて
この作品の欠点を上げよう。
一つ目、侍が7人集まるまでに時間がかかり、7人が村に到達した
時点で、まだ中盤という長い展開に、飽きる人がいる。
二つ目、痛快娯楽エンタテイメントとして見るには、映画のラストが
後味が悪く描かれる。
…だが、それ以外は俳優、映像、演出、音楽、全てにおいて、世界の
映画史に残る名作の金字塔である為、映画好きなら一見の価値はある。
ただし、自分が20歳で初めて見た黒澤明監督映画が、いきなり
「七人の侍」は、ハードルが高過ぎ、よく理解できなかったので、
黒澤明監督作品を見る初心者は、娯楽エンタテイメント的なのは
「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」、文芸的なのは「羅生門」から見る事を
お勧めするよ。
世界で一番好きな映画‼️
思い起こせば32年前、1991年に最後の劇場公開を観てからズーッとNo.1の映画です。高校1年生だった私はあまりの面白さにソフト化されていない事も知らず、街中のレンタルビデオ屋巡りをしたものです。毎年野武士の襲撃に悩まされている百姓たちが侍を雇って戦う。ただこれだけのストーリーの中に、人間性や人間社会の全てが込められています。侍と百姓という決して相容れない階級が存在し、そこに百姓生まれの侍・菊千代を配する事で非常に深い物語に
なっております。そういう意味で、やはり三船さん。世間では久蔵役の宮口精二さんの評価が高そうですが、やはりキモは三船さん!!侍たちに百姓の愚劣さを訴えるシーンや、燃え盛る風車小屋の前で赤子を抱えるシーンなどは忘れられません。流れてくるだけで胸がワクワクする侍のテーマ、土砂降りのクライマックスに代表されるアクションシーンの素晴らしさ、刀が刺されている墓に旗がなびくシーンなどの印象深い構図などなど、語り出したらキリがありません。とにかくこの作品は最高の時代劇のみならず、映画史上最高のアクション映画‼️こんな素晴らしい名作がわが日本で生まれた事に感謝‼️世界のクロサワ、世界のミフネに超感謝‼️
とうとう観た 「七人の侍」、たしかに面白かったです!
TVでも観たことがなく、これが自分史上ホントに初めての鑑賞だ。それもLIVE ZOUNDの迫力ある音響で。ありがとう、チネチッタ。百周年、おめでとうございます。200年まで頑張ってください!
スタッフ、キャストの手書きテロップに続き、「ひづめの音が、庶民(百姓)の恐怖だった頃・・」 という手書きのテロップで始まるオープニング。
さっそく描かれる、野武士たちに毎年収穫を蹂躙される農民たちの嘆き。しかし聞き取れない、何言ってるのか雰囲気だけで聞く。リアリティを出すために、当時の百姓はこんなしゃべり方だったことを忠実にトレースした結果だそうだが、できれば字幕がほしいぞ、というレベル。心して観てください。
あらすじは書くまでもないかもしれないが、そんな百姓が「侍を雇って野武士をやっつけてもらおう。白い飯をたらふく食える、という返礼しかないが、きっと何人かやってくれる侍もいるだろう」 という一縷の望みをかけて街に出る。前半は、集まるまで。ゆうに100分をそこに費やす。それだけ途方もない望みだということが観ているこちらにも痛感。後半は、集まった侍が百姓をしたがえて野武士たちと戦う、ひたすら戦う。
冒頭に書いた手書きテロップのとおり、後半は最初から最後まで、ずっと、大音量の蹄(ひづめ)の音を聞き続ける。それが今回チネチッタがLIVE ZOUND劇場で本作を上映してくれた狙いだろうし、100%満喫した。ありがとう、チネチッタ。
三船さん(敏郎)演じる菊千代。百姓なのに侍になりたくて侍の真似をしている男。彼がこの映画の狂言回し。ある時は百姓の苦悩を当事者側から伝えるともなく伝え、またある時は圧倒的強者に見える侍と圧倒的弱者に見える百姓をそういう風に切り分けない視点を提供してくる。そこらへんがこの映画の脚本のうまいところなんだろうなあ。菊千代、正直うるさいんだけど。
金でなく、かつ(落ち武者狩りの戦果を見せられるので)100%百姓に同情するわけでもなく、それでも彼らのために戦う男たち。う~む。ハードボイルド。そこに、なにも残らず、勝ったのはただ百姓たちばかりだったとしてもいいじゃないか、と思えてしまう俺でした。とうとう観た 「七人の侍」、たしか面白かったです!
おまけ1
うわ。本レビューはいつのまにか1,000レビューめだ。いい映画が1,000レビューめで、なんかよかった。
おまけ2
アンディ・ロビンソンさんのレビューが面白かった。この映画、もちろん名作と思うが、その歴史にはいろいろな経緯があったんだなあ。離散していたフィルムをつなぎあわせて作ったのが 207分の本編だとしたら、すばらしい本編にも 「編集の妙」 という点はないのかもしれないなと感じた。同時にいまは観られないらしい 「160分の 海外版、凱旋公開バージョン」 も観てみたいなあ。
おまけ3
とあるホームページで知ったが、なんと、「マルチカメラ方式を初めて採用した映画」 なんだね。それまではカメラ1台だったのか。お金って大切なんだな。そのホームページには 「その効果や迫力は想像を超えるものがあり」 とあるが、そうだろうね。自分たちも比較して観ることができたら、明らかにわかるだろうね。遠景とアップが切り替わるという今では当たり前のことも、シングルカメラじゃ2回撮らない限り実現できないんだものね。1954年ってそういう時代なんだね。(自分も、80年代のMTVを見て、いまとの違いに唖然とした経験からわかる気がする。80年代のMTVではカメラが動く(近づく)はごく少ないんだよね。これは今みたいにジングルが進化していないので、カメラを動かすにはレールが必要だったんだろうな、と想像してます)
そして同じホームページでみた 「みなが走る」 という点のすごさ。そうか、言われてみてわかったが、オートフォーカスじゃないんだ。走って動いたら、カメラは焦点をあわせ続けなければいけないんだね。
ちなみに上記で自分が参照したホームページは、「『七人の侍』 を100倍楽しもう」 です。
おまけ4
武士たちの中に一人だけ農民の心の男がいたことによって、「弱い農民を救う強き俺たち」というヒロイック幻想が、主人公たちからも、観ている俺たちからも消し飛び、しかしそれでも、いやそれだからこそ、事を成し遂げようとする主人公たちの姿があらためて清々しく感じられて、とても好きな映画です!
外国人が思う「武士道精神」はこの映画が色濃く影響しているのかもしれないな、と思う。
日本映画を代表する名作
日本を代表する黒澤明監督の名作中の名作。
海外にも轟き、多くの映画そして監督に影響を与えたと聞きます。
ある意味で「七人の侍」は三船敏朗のコメディアン振りに見惚れる映画でもありました。
三船敏朗って本当に、米と味噌汁と塩ジャケをを食べて育ったんでしょうか?
演技がエネルギッシュでバタ臭い・・・ステーキとオムレツ食べてたと思うけど・・・どうでしょうね。
「七人の侍」でも一人ではしゃいで走り回り、褌一丁で川に潜って素手で魚を取ってました。
生でむしゃぶりつくのか?と見てると焚き火で焼いてて一安心(笑)
駄馬を乗り回すかと思えば、振り落とされて馬を必死で追って走って行く。
(落馬シーンは、端折ってました。至宝三船を怪我させては大変、笑)
ともかく人間臭い。
農民や仲間が死ぬと落ち込んで、寝食を忘れて嘆きます。
大騒ぎして、はしゃいで、大酒喰らって、ボコっと殴られたり、ぜんぜん三枚目です。
素敵さも美貌も封印ですよ、この映画では。
でも並の身体能力ではないです。
演技の驚くほどの多様性・・・菊千代(三船)と名乗る農民上がりの侍は、
馬小屋だろうと気にも留めずに爆睡します。
菊千代の名前だって借り物!
野武士との戦いは二日二晩続き、敵も味方もヘトヘトになり、野武士たちはほぼ兵糧攻め。
野武士たちにとっても、こんなに手こずった経験はない筈。
そしてラストの雨の中の最終決着へと雪崩れ込んで行きます。
馬の疾走、いななき、雪崩れ落ち落馬する野武士たち。
迫力の映像でした・・・スペクタル時代劇です。
結論的には、農民は底力がある。
農民は虐げられることに慣れている。
だから彼らは打たれ強いのです。
長い歴史の中で、戦時にヘコタレないのは土を耕す農民。
米を作り野菜を栽培する農民。
土と共に生きること・・・侍には敵わないのです。
志村喬の言葉『今度も負け戦だったなあ、勝ったのは農民さ!!」
それが正解でいい。
過去鑑賞
やっぱり凄い
やっぱり凄かった…
リマスター版は3回目だが、とにかく「セリフがわかる」。
「以前」は8割何を言ってたかわからなかった三船のがなり声の内容が9割わかるようになった。(いや正味の話、)
そうすると何が変わるかって言うと、今まで主に後半の合戦シーンに圧倒されて高評価してたのが、実は前半の密度の濃さ、面白さ、ドラマティックさがもの凄い破壊力であることがわかってくる。
(馬喰が百姓の肩を持つシーンなどは映画史上に残る名場面だと思っている。)
勘兵衛他どのキャラクターも魅力的だが、特に菊千代。
百姓と侍のハイブリットである彼の存在はこのストーリーにおいて不可欠なものだった。
まあ理屈はともあれ3時間を遥かに超える尺があっという間。こんなの見るとホントに「面白さ」に「古い新しい」は直接関係ないと痛感する。
新文芸坐さん、ありがとうございました!
七人の侍
たしかに長いが面白い。時間はそれほど感じさせない。
「用心棒」を見ていたので、同じくらいすっきりした映画だと思っていた。
が、終わってみると気分は晴れない。
守られるべき被害者だった百姓は、ストーリーが進むに連れ違う描き方をされている。
最後には礼を言うどころか、志村さん御一行と絡む描写も無い。(ここのせいでモヤモヤが深まった気がする。これ以前にも布石はうたれてたけど。)
「勝ったのは百姓」
悪を倒しても、村に平和が戻っても気分は晴れきりませんでした。善人で、か弱い村人と共闘して悪をやっつけ、感謝される話だったらもっと気分楽だったろうけど。笑
(宮口精二さん演じる侍破茶滅茶かっこよかった。侍!)
百姓が侍を探すシーン、探している百姓達の顔付近だけ写してキョロキョロしている描写がある。これが割と長いのだが、用心棒でも同じような描写を観た。注視する先を写さず注視している人達を長い時間写しているのは気になった。
カッコ良すぎて惚れた。
『七人の侍』鑑賞。
*主演*
三船敏郎
志村喬
*感想*
初めて黒沢明監督の作品を見ました。
全編モノクロ。長編作品なので、前編と後編それぞれ見ました。
百姓に雇われた七人の侍が村を守る為に野武士に立ち向かうお話。
前編は百姓が七人の侍をスカウト、野武士の襲撃に備えての準備。
後編は七人の侍+百姓vs野武士の戦いが描かれてました。
勝四郎と志乃の惹かれ合いもありました。でも、あのお父さん、いくらなんでも叩きすぎ(^^;
七人の侍達がかっこ良かった。特に三船敏郎さんが演じる菊池代と志村喬さんが演じる勘兵衛が渋い!足も速い!刀を抜くシーンもカッコいいし、惚れました!
終盤で、雨の中の激しい攻防戦が圧巻!泥まみれになりながら野武士を倒すシーンやカメラワークも迫力があって凄かった!\(^^)/
普段はあまり時代劇を見ないけど、とても面白かったです!
面白すぎて困惑!
黒澤では下位。
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