七人の侍のレビュー・感想・評価
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恋も戦いもハラハラドキドキ
何度観ても感動する、素晴らしい名画!
日本が世界に誇る大傑作中の大傑作!!
207分の長尺が体感2時間程度のあっという間、70年前の作品とは思えない、見応え満点の“人間を描いた”スペクタクルアクション巨編!!
前半分は傭兵のリクルート、後半分は村を挙げての野武士との死闘、というグイグイ引き込まれる見事な脚本で3時間半まったく飽きさせないのが驚異的
野武士達も酷いけど、農民の方も生きるために残酷・残虐だったり、姑息だったり、貪欲だったり、するというシニカルなメッセージは納得がいくし現代にも通じる普遍的なテーマ
キャスティングも素晴らしい
島田勘兵衛を演じる志村喬さんがめちゃくちゃシブい、菊千代を演じる三船敏郎さんがめちゃくちゃエネルギッシュ、そのほか 千秋実さんや加東大介さん等々の最高のアンサンブルキャストが最高です
1ショット1ショットにこだわりを感じる、大巨匠 黒澤明監督の画力に圧倒されます
特に馬に乗って村を襲撃する野武士達や火を放たれた家屋の燃え盛る炎、そしてクライマックスの雨の中でのバトルシーンは大迫力、さすが世界の映画史に刻まれる大傑作の風格を備え、本作を観ること自体が素晴らしく意義のある体験でした
いまさら
農民を知るための映画でしょうか。
言わずと知れた名作だか、いかんせん邦画はセリフが聞き取りづらく、更に年代物はまったく何を言ってるか、であったが、字幕、という便利な機能を知り、3回目にしてようやく全編見れました。余談であるが、この機能なら羅城門も観る気になれる。
さて、肝心の内容は、、
ハリウッドリメイク含め、7人ものはある程度観ており好きな映画ではある。そして本家本元。
物語、それぞれの侍のキャラ、というより気になるのは農民のボンクラ、無知能さぶり。そこの描写にただならぬこだわりを感じる。
当時の農民の無教養と、愚かさ、恍惚さと、侍の対比を通じた時代描写が裏テーマなんだろうか。ラスト、一夜の契はなかったものとして、農民に戻る娘。うむ、士農工商の壁はれっきとして越えられず、何人失おうとも、また田んぼを陽気に耕す。
最後に何人か侍は死ぬが、そこの死は必要なかったのかなあ。
持ち上げすぎ
黒澤明の最高傑作
監督脚本は"世界のクロサワ"黒澤明。
【ストーリー】
時は戦国末期。
戦乱につかれ、国内はことごとく荒れ果てていた。
あるうらぶれた寒村に、くり返し野伏たちの集団がおとずれ、狼藉をはたらいていた。
「このままでは村が滅ぶ。侍をやとって、用心棒として来てもらおう」
長老の儀作と若い利助は、町に出て侍をつのるがうまくいかない。
そんな折、盗賊が人質をとって家屋に立てこもる事件がおこる。
そこに居あわせた初老の侍が、髪を落とし、僧のふりをして盗賊を斬り伏せ、鮮やかに解決する。
男は島田官兵衛。
負け戦をいくつも重ねた、浪人であった。
官兵衛は仲間をあつめ、合計七人の腕におぼえある侍たちと、村を守る戦いにその身を投じる。
初めて見た感想は、
「長い」
「侍じゃなくて農民の話じゃん」
でした。
5年ほど漬け物にしておいて再鑑賞したら、まったく逆の感想になってました。
そのあいだに『用心棒』『椿三十郎』『羅生門』『隠し砦の三悪人』『乱』『影武者』『生きる』『赤ひげ』『蜘蛛の巣城』なんかをつづけて見て、どれも傑作級映画で、予習も終わったとさあ見なおしました。
いい。
まあこれがめっちゃいい。
侍たちの生きざまも、農民たちの苦しみも、それぞれ一方向にギュッと集合して流れてゆく重厚な群像劇で、そりゃジョージ・ルーカスや秋山瑞人が新作に取りかかる前に、必ず一丁見なおすわと。
剣戟も野伏との戦いも攻撃のタイミングがリアルで、この映画の影響で時代劇でリアル侍ムービーがたくさん作られたそうです。
こだわりのあるアクションのために、殺陣師、いわゆる剣術の振付に、本物の古武道の達人を呼んでます。
香取神道流の杉村嘉男さん、その後黒澤作品はじめ数多くの映画やドラマの剣戟指導を担当されたとか。
この方、国際古武道団体から、十段の称号を贈られてます……かっけえ……。
初期の黒澤チャンバラ映画は架空の舞台がおおく、この『七人の侍』もその一つなんですが、それでも説得力と生々しい生命感をおぼえるのは、演技演出を徹底しておこなうから。
数多い登場人物の、いずれもおざなりには撮られておらず、中でも傑出してるのは黒澤作品ではおなじみの侍頭・志村喬さんと、菊千代役の三船敏郎。
お二人とも、演技もいいけど剣戟もいい。
仲間を集めるあたりなんか、肉体の操縦術や身体能力の高さがうかがえて、見返したらたまらんですな。
撮影時のおもしろエピソードとしては、村が襲われて村人の女性が背中を矢で打たれて倒れたシーンに黒澤監督、
「殺された者があんな声をあげるわけがない!」
と撮り直しを要求したら、やられ役の女優さんがもろ肌脱いで背中をむけて、
「刺さってるでしょうが! 血が出てるでしょうが!」
とケガした部分をズイズイ見せてきたという。
なんか、防護用の板を入れてたそうですけど、ちょっと貫通しちゃってたんですって。あぶないね。
あんまりの迫力に、黒澤監督めずらしく主張をひっこめて、そのシーンは無事そのまま使われることになったそうです。めでたいね。
世界中の映画ランキングに入りまくる、日本映画の稀代の傑作。
白黒と嫌わず音が悪いと避けず、今からでもぜひぜひ見てほしい大傑作ですよ。
劇場で初鑑賞
燦然と輝く時代劇アクションであり、冒険活劇の最高傑作。
7人の侍(浪人)が、野盗と化した野武士の襲撃に悩む農民に雇われ、集落を守るべく、野武士集団との戦いに挑む姿を描く。世界で最も有名な日本映画の1つ。
劇場型の躍動感、気持ちが高ぶるストーリー、1人1人の侍たちの生き様と俳優陣の熱演、ダイナミックな戦闘シーンに満ちている。黒澤明監督ほど、画面を縦横無尽に使い尽くし、広大に見せる監督もそうはいないと感じた作品。
「チームを組んで目的を達する」というプロットが、西部劇だけでなく、世界中の映画に多大な影響を与えている。
武士と農民の葛藤、ユーモラスで人間味あふれたキャラクター、ロマンスも適切なタイミングで盛り込んでいる。機知に満ちた脚本に基づく、驚くべき冒険活劇であり、輝かしい時代劇アクションとして、最高傑作の1つだと思う。
【"勝ったのは、百姓たちだ・・。”今作は邦画が世界に大いなる影響を与えた名作である。だが、叱られることを重々承知の上で、以前から思っている事を、ドキドキしながら記す。怒っちゃ嫌よ。】
■作品内容については、これだけの名作であるので敢えて割愛する。
ご存じの通り今作は米国で2作がリメイク制作されている。
「荒野の七人」は配信で鑑賞し、その後アントン・フークア監督により制作された「マグニフィセント・セブン」は劇場で鑑賞した。
とても、面白かったモノである。
<感想というか、率直な意見。・・重ねて記すが、怒っちゃ嫌よ。>
・今作は、少し前に「午前十時の映画祭」映画祭で鑑賞した。とても面白かったのであるが、フラストレーションも感じたモノである。
フラストレーションの理由は、キッパリ書くが特に<休憩>の前の、名優揃いの役者陣の一部の台詞が聞き取りずらいのである。と言うか、何を言っているのか分からない部分も有った。
因みに、劇場で観た際には、私は40歳になったばかりで、且つ会社での健康診断での聴力検査は、全く問題なしで有った。
普段から、ブリティッシュ・ロックをハイハイボリュームで車内で聴いていたにも関わらず。
・志村喬さんが演じた勘兵衛の台詞は良く聞こえた。落ち着き払った言動や、野武士たちからの襲撃を恐れ、助けを求めて来つつ、一部の百姓が逃げようとした際の、毅然とした良く響く台詞は、沁みたモノである。
・だが、今作の主役の一人である菊千代を演じた世界の三船敏郎氏の台詞が、役柄もあるのかもしれないが、良く聴きとれないのである。
場合によっては仕草から、類推したモノである。
■勿論、最後半の激しい雨中での戦闘シーンは、白眉である。このシーンには台詞は要らない。斃れゆく剣の求道者、宮口精二演じる久蔵の姿。
七人の侍たちが、農民の為に命を懸けて戦う姿は名シーンである。
■で、久方ぶりに配信で鑑賞した。フルボリュームで。
だが、多くの台詞が聞き取れない。自然音と同時に録音していたのだろうか、聞き取れない。
そして、思ったのである。今作が、海外でも高い評価を得たのは、内容のハイレベルな事は当たり前としても、【字幕で】上映されたからではないだろうか、と言う事である。
<私が記載した事が的外れな事であれば大変申し訳ない限りである。だが、私はこの作品の内容を貶しているわけではない。逆にキチンとこの名作を細部まで理解し堪能したいのである。
出来得ればの話だが、この作品を最近多い日本語字幕付きで、何処かの配信会社で上映してはくれないだろうか。
私は、この名作をクリアーな音声で観たいのである。切なる願いである。>
難しいのかと思っていた
生まれる前の映画か・・・
面白いにつきる。
豪華俳優陣でさらに盛り上がる。
確かに長いが休憩もちゃんと入ってる!?
荒野の7人を観たとき、ユル・ブリンナーがこの映画のストーリーを気に入りアメリカ版の西部劇に仕立て上げたと聞いた。
自分は先に荒野の7人を見ていたので大まかなストーリーはわかっていたがそれでも見応え十分で面白かった。
特に志村喬の演技が光っていた。
ラストシーンは荒野の7人とは違っていて菊千代は村に残る物と思っていたら最後は描かれてなかった。
ユル・ブリンナーは書き足したんやなあ。
そういう意味で言うと見終わった後の幸せ感は荒野の7人の方があったかも。
志村喬が三船敏郎に「おまえは残れ」と言ったと想像しておこう。
いや、そのシーンを見落としていたかもしれん。
黒澤時代劇の傑作
感想
神も仏もない、戦乱が続く世界。秩序は乱れ、その日を生きることさえ、かなわない世の中。
野伏の襲撃が横行し、苦渋し、疲弊しきった農民が野伏退治を託す侍を傭おうと町に出てくる。生きる事も死ぬ事も紙一重の世界で、農民達は島田勘兵衛という義と理を兼ね備える侍に巡り会う事になる。
勘兵衛は農民の苦渋の想いを人の理として受け止め、農民の意に賛同する侍を集めようとする。勘兵衛が剣の腕が立ち心根の良さを認める者。勘兵衛を慕う若き侍との出会い。戦場の古女房と呼ぶ古参の武士との再会。さらに十戦無敗の強者武士、喧嘩巧者で荒くれ者の自称侍を名乗る男など、勘兵衛とその選ばれし者が、様々な人間的な魅力に溢れる人々を集める事になる。
さらに里山での野伏軍団とのダイナミックかつ痛快、壮絶な戦いが描かれていく。その激動の状況下に生きる武士と農民、それぞれの立場の人間としての生き様を生々しく克明に描き出す事により、人とは、生きるとは、どういうことかを観るものに考えさせ強烈な印象を残す。
とにかくよく考えられた完成された脚本。細かい人物描写の上の大胆な物語の展開。世界的にも評価の高い黒澤明監督の傑作のひとつである。
映画冒頭部分、街角を横切る侍に若き日の無名時代の仲代達矢氏が観れる。それだけでも興奮する。
志村、三船、稲葉、加藤大、宮口、千秋、木村、各氏の名演は知っての通り。農民達の想いを代弁する人足役の多々良純氏の熱演が印象的で感動する大好きな場面の一つである。
視覚効果的にも数多くの仕掛けを創造した黒澤作品だが、その中でも人が斬られた時の高速度撮影は、画期的な描写であったとあらためて感じる。
劇画とはまさに是なり。息が止まる感覚に緊張感は増すばかりである。
死の描写に殺しの美学があると言わしめた、鬼才サム・ペキンパーはこの描写に感銘し、黒澤を師と仰ぎ、自身の作品に絶対的オマージュとして、映像スタイルを確立し、その後の映像クリエイター達に大きな影響を与えたのは有名な話だ。
⭐️5
さすがの脚本。ハリウッドが真似をしたのはわかる
集落を守るために侍を七人集めて、数に勝る野武士を知力でやっつける、という全体の構成が素晴らしい。侍の中心になる勘兵衛(志村喬)、狂言回しであり道化役でもある菊千代(三船)、優れた剣技の久蔵ら、魅力的なキャラクター設定もよく練られている。話の展開がハリウッドにリメイク版を作らせるほどなわけで「さすが」と思った。
農民をただおろおろするだけの弱い存在ではなく、したたかさを描いているところが作品の深みを感じさせる。人の価値は強さだけで測るものではないし、ずる賢くても命をつないでいくことなど、人間はいろいろな側面があるということだろうか。
ラストシーンで晴れやかに田植えをしている姿は、壮絶な戦いで勝利したことを「過去のこと」と振り返らず、今の目の前の仕事に集中するしたたかさを示しているのだろう。窮地を救ってくれた侍を「ただの強いやつ」と忘れてしまっているかのよう。
また、この集落の人々が過去に落ち武者狩りも行っていたことがわかり、それを菊千代が大演説をして「ただの弱いやつらではない」と説明するシーンも印象的。
1点減点は、上映時間が長いこと。特に勝四郎と志乃のラブシーンはなくても良いと思った。
大地
黒澤明監督の傑作のひとつ
初見はテアトル東京での1975年リバイバル上映。(チラシとパンフレットは大切に保管)
その後は、日比谷映画、ACTミニシアターなどでも観ている。
1970~80年代の映画館をはじめとして、VHS、DVD、Blu-ray、「4K上映の映画館」(TOHO錦糸町)などで、何十回も観ている。
黒澤明監督の傑作のひとつ。
七人の雇われ侍の個性豊かな描写、農民の挙動も並行して描きながら、野武士との戦いを繰り広げる活劇として、世界に誇る作品となった。
物語は、野武士に収穫期の米などを奪われそうになった農民が困るところから始まる。
農民の重鎮(高堂国典が熱演!)が「侍、雇うだ!腹の減った侍、雇うだ!」なる名セリフ。
農民は町で雇う侍を探す。(後年有名になるが、この通行人の侍の一人に仲代達矢が居る。但し、名前のクレジット無し)
そして七人の個性的な侍を見つける、…というか三船敏郎演じる菊千代は勝手に付いてくる。このあたり、笑いを誘う。
この七人の侍が個性的であり、人間性を信頼される侍=勘兵衛(志村喬)、研ぎ澄まされた剣豪=久蔵(宮口精二)、まだ少年の様な侍=勝四郎(木村功)など、出会いの場面から仲間になるまでの流れが楽しい。
農村に戻ると、村人は侍を怖がって出てこないが、板木を鳴らしたら農民たちは「おさむれー様、おさむれー様…」と出てくる。菊千代が笑わせてくれる。
農民の戦い方練習では、農民の一人(左卜全)がイイ味を出して、楽しい。
野武士がやって来るシーンは、ど迫力!
そして、様々なシチュエーションで戦いが始まる……といった流れで、大雨の中での決戦に至るまで、クライマックス的な場面ばかり。
実に見事な作品であり、こんな凄くて楽しい映画は、なかなか無い。
2018年7月7日にはTOHOシネマズ錦糸町で『七人の侍~4K版』も鑑賞した。
画質も音声もクリアにデジタルリマスターされた207分の大傑作!
4Kスクリーン上映では、特に、怒鳴り声も聞き取れるように改善されていた‼️
何度となく観ている映画だが、全編にわたって「眼を皿」のようにして観た😳w
何度観ても、新鮮に感じるシーンあり、やはり素晴らしい作品である✨
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