七人の侍のレビュー・感想・評価
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生まれる前の映画か・・・
面白いにつきる。
豪華俳優陣でさらに盛り上がる。
確かに長いが休憩もちゃんと入ってる!?
荒野の7人を観たとき、ユル・ブリンナーがこの映画のストーリーを気に入りアメリカ版の西部劇に仕立て上げたと聞いた。
自分は先に荒野の7人を見ていたので大まかなストーリーはわかっていたがそれでも見応え十分で面白かった。
特に志村喬の演技が光っていた。
ラストシーンは荒野の7人とは違っていて菊千代は村に残る物と思っていたら最後は描かれてなかった。
ユル・ブリンナーは書き足したんやなあ。
そういう意味で言うと見終わった後の幸せ感は荒野の7人の方があったかも。
志村喬が三船敏郎に「おまえは残れ」と言ったと想像しておこう。
いや、そのシーンを見落としていたかもしれん。
自分史上最高の日本映画
・3時間半にもかかわらす無駄なシーンが一切無い。
・戦シーン序盤で七人のうちの1人が死んでしまう。これにより残りの侍が死にはしないかとハラハラしながら観ることになる。
・自分は侍を集めるシーンが特に好きだ。1人1人集まる度にワクワクする。
・お荷物的な存在だった菊千代は侍と百姓が団結するうえで重要な存在となっていく。
・七人の侍の中で1番好きなのは片山五郎兵衛。
黒澤時代劇の傑作
感想
神も仏もない、戦乱が続く世界。秩序は乱れ、その日を生きることさえ、かなわない世の中。
野伏の襲撃が横行し、苦渋し、疲弊しきった農民が野伏退治を託す侍を傭おうと町に出てくる。生きる事も死ぬ事も紙一重の世界で、農民達は島田勘兵衛という義と理を兼ね備える侍に巡り会う事になる。
勘兵衛は農民の苦渋の想いを人の理として受け止め、農民の意に賛同する侍を集めようとする。勘兵衛が剣の腕が立ち心根の良さを認める者。勘兵衛を慕う若き侍との出会い。戦場の古女房と呼ぶ古参の武士との再会。さらに十戦無敗の強者武士、喧嘩巧者で荒くれ者の自称侍を名乗る男など、勘兵衛とその選ばれし者が、様々な人間的な魅力に溢れる人々を集める事になる。
さらに里山での野伏軍団とのダイナミックかつ痛快、壮絶な戦いが描かれていく。その激動の状況下に生きる武士と農民、それぞれの立場の人間としての生き様を生々しく克明に描き出す事により、人とは、生きるとは、どういうことかを観るものに考えさせ強烈な印象を残す。
とにかくよく考えられた完成された脚本。細かい人物描写の上の大胆な物語の展開。世界的にも評価の高い黒澤明監督の傑作のひとつである。
映画冒頭部分、街角を横切る侍に若き日の無名時代の仲代達矢氏が観れる。それだけでも興奮する。
志村、三船、稲葉、加藤大、宮口、千秋、木村、各氏の名演は知っての通り。農民達の想いを代弁する人足役の多々良純氏の熱演が印象的で感動する大好きな場面の一つである。
視覚効果的にも数多くの仕掛けを創造した黒澤作品だが、その中でも人が斬られた時の高速度撮影は、画期的な描写であったとあらためて感じる。
劇画とはまさに是なり。息が止まる感覚に緊張感は増すばかりである。
死の描写に殺しの美学があると言わしめた、鬼才サム・ペキンパーはこの描写に感銘し、黒澤を師と仰ぎ、自身の作品に絶対的オマージュとして、映像スタイルを確立し、その後の映像クリエイター達に大きな影響を与えたのは有名な話だ。
⭐️5
さすがの脚本。ハリウッドが真似をしたのはわかる
集落を守るために侍を七人集めて、数に勝る野武士を知力でやっつける、という全体の構成が素晴らしい。侍の中心になる勘兵衛(志村喬)、狂言回しであり道化役でもある菊千代(三船)、優れた剣技の久蔵ら、魅力的なキャラクター設定もよく練られている。話の展開がハリウッドにリメイク版を作らせるほどなわけで「さすが」と思った。
農民をただおろおろするだけの弱い存在ではなく、したたかさを描いているところが作品の深みを感じさせる。人の価値は強さだけで測るものではないし、ずる賢くても命をつないでいくことなど、人間はいろいろな側面があるということだろうか。
ラストシーンで晴れやかに田植えをしている姿は、壮絶な戦いで勝利したことを「過去のこと」と振り返らず、今の目の前の仕事に集中するしたたかさを示しているのだろう。窮地を救ってくれた侍を「ただの強いやつ」と忘れてしまっているかのよう。
また、この集落の人々が過去に落ち武者狩りも行っていたことがわかり、それを菊千代が大演説をして「ただの弱いやつらではない」と説明するシーンも印象的。
1点減点は、上映時間が長いこと。特に勝四郎と志乃のラブシーンはなくても良いと思った。
大地
黒澤明監督の傑作のひとつ
初見はテアトル東京での1975年リバイバル上映。(チラシとパンフレットは大切に保管)
その後は、日比谷映画、ACTミニシアターなどでも観ている。
1970~80年代の映画館をはじめとして、VHS、DVD、Blu-ray、「4K上映の映画館」(TOHO錦糸町)などで、何十回も観ている。
黒澤明監督の傑作のひとつ。
七人の雇われ侍の個性豊かな描写、農民の挙動も並行して描きながら、野武士との戦いを繰り広げる活劇として、世界に誇る作品となった。
物語は、野武士に収穫期の米などを奪われそうになった農民が困るところから始まる。
農民の重鎮(高堂国典が熱演!)が「侍、雇うだ!腹の減った侍、雇うだ!」なる名セリフ。
農民は町で雇う侍を探す。(後年有名になるが、この通行人の侍の一人に仲代達矢が居る。但し、名前のクレジット無し)
そして七人の個性的な侍を見つける、…というか三船敏郎演じる菊千代は勝手に付いてくる。このあたり、笑いを誘う。
この七人の侍が個性的であり、人間性を信頼される侍=勘兵衛(志村喬)、研ぎ澄まされた剣豪=久蔵(宮口精二)、まだ少年の様な侍=勝四郎(木村功)など、出会いの場面から仲間になるまでの流れが楽しい。
農村に戻ると、村人は侍を怖がって出てこないが、板木を鳴らしたら農民たちは「おさむれー様、おさむれー様…」と出てくる。菊千代が笑わせてくれる。
農民の戦い方練習では、農民の一人(左卜全)がイイ味を出して、楽しい。
野武士がやって来るシーンは、ど迫力!
そして、様々なシチュエーションで戦いが始まる……といった流れで、大雨の中での決戦に至るまで、クライマックス的な場面ばかり。
実に見事な作品であり、こんな凄くて楽しい映画は、なかなか無い。
2018年7月7日にはTOHOシネマズ錦糸町で『七人の侍~4K版』も鑑賞した。
画質も音声もクリアにデジタルリマスターされた207分の大傑作!
4Kスクリーン上映では、特に、怒鳴り声も聞き取れるように改善されていた‼️
何度となく観ている映画だが、全編にわたって「眼を皿」のようにして観た😳w
何度観ても、新鮮に感じるシーンあり、やはり素晴らしい作品である✨
三船敏郎の暴れ具合がアクセント
人が生きている。暮らしている。(4Kリマスター劇場鑑賞後、追記)
DVDで鑑賞したのは数知れず。
劇場で見るのは4度目だろうか。
今回は初の4Kリマスター。
でも少し心配。あまりにも鮮やかすぎると映画の印象さえ変えてしまう。
その経験を「隠し砦の三悪人」BDクラリオン版で経験したからだ。
(寝ていたもぐらたちが暴動を起こしたシーンが明るすぎて…)
それでもこの映画を劇場で見る機会を逃す手はない。
結果、杞憂だった。
休憩をはさんで207分。
登場人物たちの台詞もおよそ覚えていて彼らが口に前にそらんじているのに、
身も心も映画にのめり込んだ。
さらに映像が鮮やかだからだろうか、それとも大きなスクリーンだからだろうか、
アスペクト比4:3なのに奥行きの深さはもちろん広がりも感じた。
そして何より音。家のテレビのスピーカとは違う(当たり前だww)。
登場人物たちの新たな表情と目線の発見はもちろん、さらには着物の柄!
(菊千代の柄が矢羽根だったことを初めて認識した)
砂埃、屋根の上ではためく幟旗、勝四郎が寝転んだ顔の傍で咲き誇る花たち、
遠くから見える最後の決戦で村を必死に走る百姓たち、
野武士が来た時に水車小屋にこもった長老の背中、
菊千代に我が子を差し出した時の瀕死の妻の目、
野武士の頭目を刺殺した後に雨に打たれる菊千代の命が抜けた姿、
燃える火を見、利吉を見てもひとこともしゃべらなかった利吉の女房、
唾を飛ばしながら勘兵衛に百姓が言えないことを訴える人足の髭面…。
いいシーンはいくつでもある。いやすべてがいいシーン。
黒澤監督、黒沢組の人たちはどこまでこの映画を計算し、
シナリオを描きカット割りをし、フィルムに写す俳優たちの立ち位置を決めたのだろう。
映画が終わってからもしばらく立てなかった。
いつもだったらすぐに喫茶店に入って小説を読み始めるんだが、それもできなかった。
(映画のことを考えながらずっと歩き回った)
余韻と、その余韻を楽しむ歓び。
いい映画ってこういうことなんだろうと感じた。
(前回レビュー)-----------------------------------------------------
エキストラなんて出でいない。
役名のない人たちも映画の中で生きている。
その時代、その時、その宿場町に生き暮らしている人のように演出している。
それを思い知ったのは、たとえば久蔵の真剣での決闘シーン。
見守る勘兵衛と勝四郎の大写し。彼ら二人の目の動き。
その二人の後ろで決闘を見守るたくさんの人たちの表情と動き。
さらに決闘後。木賃宿に戻る勘兵衛が五郎兵衛に
「今、人一人を斬るのを見てきた」と告げた時に
その現場に向かう人たちと少しでも離れようとする人たち。
スクリーンで、DVDで、サブスクで、何度見ただろうか。
見るたびに発見があり、この映画の凄みを実感する。
まだまだ黒澤明監督の凄みがわかる場面があるはずだ。
あと、何度この映画を見るだろうか。
実際、戦闘だけじゃない
黒澤明作品の中で初めて観ました
みんな言ってることだけど、とても面白かった。
戦闘シーンの迫力感はただならないものがある。みんな言ってることだが、迫力感では現在でも他の追随を許していないと思う。少なくとも僕は、これを超える戦争シーンを観たことない。雨の中、泥まみれになりながら戦うシーンは凄まじかった。
でも、実はすごいのはアクションだけじゃないことに気づいた。
例えば、ユーモアがある。この作品はクスッと笑えるネタが随所に散りばめられている。
この作品は古い上に、白黒で、しかもストーリーも結構ドロドロしている。その上、長いので軽く観れる作品ではない。
でも、実際には観ている間はあんまり気にならない。ユーモアやアクション、映像美が緩衝材になって、重苦しい雰囲気を和らげてくれる。要は、器用貧乏ではないのに、バランスがとても良い。
観て、大したことのない、という感想を持つ人はあんまりいないだろうと思うほど、優れた作品なので、気になるなら観てほしいです。
本当に勝ったのはだれ?
あまりにも有名だからいまさら自分ごときが書くこともない気さえしてしまう。
しちめんどくさいこと抜きにしちゃってもおもしろい。
それは何故か。
スクリーンの中の人間がどれも生き生きとしているからだと思う。
おのおのの事情を抱えながら立ち上がる姿に、現代のわれわれも共感する部分、あります。
最後に勝利を勝ち得たのは農民なのか武士なのか盗賊なのか。
私は何事もなかったかのように戻っていく「日常」を持ってる人たちだろうと思いました。
もう少し短かったらなあ。
欠点から見れば…
もはや、言うまでもない名作だが、新たな評価をする為に、あえて
この作品の欠点を上げよう。
一つ目、侍が7人集まるまでに時間がかかり、7人が村に到達した
時点で、まだ中盤という長い展開に、飽きる人がいる。
二つ目、痛快娯楽エンタテイメントとして見るには、映画のラストが
後味が悪く描かれる。
…だが、それ以外は俳優、映像、演出、音楽、全てにおいて、世界の
映画史に残る名作の金字塔である為、映画好きなら一見の価値はある。
ただし、自分が20歳で初めて見た黒澤明監督映画が、いきなり
「七人の侍」は、ハードルが高過ぎ、よく理解できなかったので、
黒澤明監督作品を見る初心者は、娯楽エンタテイメント的なのは
「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」、文芸的なのは「羅生門」から見る事を
お勧めするよ。
世界で一番好きな映画‼️
思い起こせば32年前、1991年に最後の劇場公開を観てからズーッとNo.1の映画です。高校1年生だった私はあまりの面白さにソフト化されていない事も知らず、街中のレンタルビデオ屋巡りをしたものです。毎年野武士の襲撃に悩まされている百姓たちが侍を雇って戦う。ただこれだけのストーリーの中に、人間性や人間社会の全てが込められています。侍と百姓という決して相容れない階級が存在し、そこに百姓生まれの侍・菊千代を配する事で非常に深い物語に
なっております。そういう意味で、やはり三船さん。世間では久蔵役の宮口精二さんの評価が高そうですが、やはりキモは三船さん!!侍たちに百姓の愚劣さを訴えるシーンや、燃え盛る風車小屋の前で赤子を抱えるシーンなどは忘れられません。流れてくるだけで胸がワクワクする侍のテーマ、土砂降りのクライマックスに代表されるアクションシーンの素晴らしさ、刀が刺されている墓に旗がなびくシーンなどの印象深い構図などなど、語り出したらキリがありません。とにかくこの作品は最高の時代劇のみならず、映画史上最高のアクション映画‼️こんな素晴らしい名作がわが日本で生まれた事に感謝‼️世界のクロサワ、世界のミフネに超感謝‼️
とうとう観た 「七人の侍」、たしかに面白かったです!
TVでも観たことがなく、これが自分史上ホントに初めての鑑賞だ。それもLIVE ZOUNDの迫力ある音響で。ありがとう、チネチッタ。百周年、おめでとうございます。200年まで頑張ってください!
スタッフ、キャストの手書きテロップに続き、「ひづめの音が、庶民(百姓)の恐怖だった頃・・」 という手書きのテロップで始まるオープニング。
さっそく描かれる、野武士たちに毎年収穫を蹂躙される農民たちの嘆き。しかし聞き取れない、何言ってるのか雰囲気だけで聞く。リアリティを出すために、当時の百姓はこんなしゃべり方だったことを忠実にトレースした結果だそうだが、できれば字幕がほしいぞ、というレベル。心して観てください。
あらすじは書くまでもないかもしれないが、そんな百姓が「侍を雇って野武士をやっつけてもらおう。白い飯をたらふく食える、という返礼しかないが、きっと何人かやってくれる侍もいるだろう」 という一縷の望みをかけて街に出る。前半は、集まるまで。ゆうに100分をそこに費やす。それだけ途方もない望みだということが観ているこちらにも痛感。後半は、集まった侍が百姓をしたがえて野武士たちと戦う、ひたすら戦う。
冒頭に書いた手書きテロップのとおり、後半は最初から最後まで、ずっと、大音量の蹄(ひづめ)の音を聞き続ける。それが今回チネチッタがLIVE ZOUND劇場で本作を上映してくれた狙いだろうし、100%満喫した。ありがとう、チネチッタ。
三船さん(敏郎)演じる菊千代。百姓なのに侍になりたくて侍の真似をしている男。彼がこの映画の狂言回し。ある時は百姓の苦悩を当事者側から伝えるともなく伝え、またある時は圧倒的強者に見える侍と圧倒的弱者に見える百姓をそういう風に切り分けない視点を提供してくる。そこらへんがこの映画の脚本のうまいところなんだろうなあ。菊千代、正直うるさいんだけど。
金でなく、かつ(落ち武者狩りの戦果を見せられるので)100%百姓に同情するわけでもなく、それでも彼らのために戦う男たち。う~む。ハードボイルド。そこに、なにも残らず、勝ったのはただ百姓たちばかりだったとしてもいいじゃないか、と思えてしまう俺でした。とうとう観た 「七人の侍」、たしか面白かったです!
おまけ1
うわ。本レビューはいつのまにか1,000レビューめだ。いい映画が1,000レビューめで、なんかよかった。
おまけ2
アンディ・ロビンソンさんのレビューが面白かった。この映画、もちろん名作と思うが、その歴史にはいろいろな経緯があったんだなあ。離散していたフィルムをつなぎあわせて作ったのが 207分の本編だとしたら、すばらしい本編にも 「編集の妙」 という点はないのかもしれないなと感じた。同時にいまは観られないらしい 「160分の 海外版、凱旋公開バージョン」 も観てみたいなあ。
おまけ3
とあるホームページで知ったが、なんと、「マルチカメラ方式を初めて採用した映画」 なんだね。それまではカメラ1台だったのか。お金って大切なんだな。そのホームページには 「その効果や迫力は想像を超えるものがあり」 とあるが、そうだろうね。自分たちも比較して観ることができたら、明らかにわかるだろうね。遠景とアップが切り替わるという今では当たり前のことも、シングルカメラじゃ2回撮らない限り実現できないんだものね。1954年ってそういう時代なんだね。(自分も、80年代のMTVを見て、いまとの違いに唖然とした経験からわかる気がする。80年代のMTVではカメラが動く(近づく)はごく少ないんだよね。これは今みたいにジングルが進化していないので、カメラを動かすにはレールが必要だったんだろうな、と想像してます)
そして同じホームページでみた 「みなが走る」 という点のすごさ。そうか、言われてみてわかったが、オートフォーカスじゃないんだ。走って動いたら、カメラは焦点をあわせ続けなければいけないんだね。
ちなみに上記で自分が参照したホームページは、「『七人の侍』 を100倍楽しもう」 です。
おまけ4
武士たちの中に一人だけ農民の心の男がいたことによって、「弱い農民を救う強き俺たち」というヒロイック幻想が、主人公たちからも、観ている俺たちからも消し飛び、しかしそれでも、いやそれだからこそ、事を成し遂げようとする主人公たちの姿があらためて清々しく感じられて、とても好きな映画です!
外国人が思う「武士道精神」はこの映画が色濃く影響しているのかもしれないな、と思う。
さすが名作
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