七人の侍のレビュー・感想・評価
全132件中、41~60件目を表示
ルーツ
現代を生きるわたしたちがシェイクスピアを読んでも、そこに普遍性を感じない。けっこうややこしいストーリーを持っていて、むしろ一風変わったドラマに感じられる。でも黒澤明には普遍性を感じる。全部入っている気がする。元となるものがそこにある気がする。 こんにち誰がつくった映画にも、意識と無意識にかかわらず、黒澤明の影響があると思う。そこまで普遍的なものを知らない。絶対で、何か/誰かと比較のしようがなく、かつ総てに通じる。 海外誌が編集した歴代映画100選のこの映画の選評に、ブロックバスターであり、かつアートハウスでもある、という言い回しがあった。ミーハーな庶民も、こまっしゃくれた映画通も、どっちも喝采する映画だという意味で、黒澤明の普遍性を簡潔に言いあらわしていると思う。 社会から高潔という形容の対象がいなくなってしまっても七人の侍のなかにはいる。わたしはいかなるメディアでもこの映画の久蔵/宮口精二より高潔なヒーローを見たことがない。 2015年のアメリカ映画mifune the last samurai。三船敏郎のドキュメンタリーだが、無数の魅惑的な未公開画像が出てくる。そこで、撮影中なのだろう、はしょりの甚平でラーメンを食べている三船敏郎の写真を見た。舞台裏の姿がとても印象的だった反面、侍たちの活躍もつくりものだということに気づくのである。 映画といえども、人がつくったものだ。あたりまえのことだが、それが映画であれ音楽であれ、あるいは小説、彫刻、絵画、漫画、ほかの何であれ、誰かがつくっている。そして人は人の創造物を愛でる。わたしを含め、世界じゅうの人々にとって、誰かの創造物を愛するきっかけが、黒澤明またはその亜種だった可能性がある。
何度見返しても何を言ってるのかさっぱり聞き取れない。海外で評価が高...
何度見返しても何を言ってるのかさっぱり聞き取れない。海外で評価が高いのは字幕のおかげだろう。しかし、それを差し引いても名作。頑張れ録音部。
世界で最も有名な日本映画のひとつ
『荒野の七人』はじめ、いろんな形でリメイクされるなど、今も世界中に影響を与え続ける日本映画のひとつ。 まぁわかりやすいストーリーをダイナミックな映像で製作。これは世界中の誰でも楽しめる(^^)b ただ、笑い担当で見事な演技を見せてくれた三船敏郎だったけど、セリフは聞き取りづらい(^_^;) それにしても3時間半という大長編。 長い…けど面白いからあっという間。 とにかく映画好きなら、絶対見ないとね。
世界の黒澤
3時間半と長い映画だったので二日掛けて鑑賞。 声が聞き取りにくかったので字幕があればいいなと思いましたので、 Wikipediaであらすじを見つつ鑑賞しました。 粗い映像と間の取り方が今の映画では見ない緊張感を生んでいてドキドキしました。 世界的に評価されている作品を日本人である自分が見ないわけにもいかないという 謎の使命感から見た今作でしたが、・・・良かったです。 次見るときは字幕入りで見たいですね。
映画館で観てよかった映画No.1
鑑賞3回目! 月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとして 1回目に観た時は歴史的名作の迫力に圧倒されて 感想を文字に残す余裕がありませんでした。 2回目にやっと世界が認める娯楽作品の 楽しさ面白さを私の言葉で文字に残せるところまで来ました。 そして3回目に七人の侍 一人一人の魅力的な人物描写に魅了され 観終わった後、涙が出ました〜〜 私もあの貧しい村の一人になって 現在ならさしずめ「理想の上司No.1」の 志村喬演じる勘兵衛さんや稲葉義男演じる五郎兵衛さんに もっと色々教えてもらいたかった! 三船敏郎演じる破天荒な菊千代や、 スッとぼけていながら優しさの滲み出る千秋実の平八さんや 加東大介演じる戦慣れした七郎次さんと一緒にお酒が飲みたかった! 宮口精二が演じたクールな久蔵さんの見事な剣の腕前に 木村功演じる若侍、勝四郎と一緒にもっと魅了されたかった! あの世界に行きたい! あの七人と会いたい! これが本当に惚れると言うことやね〜〜 しっかりキャラの立った七人の侍たち だからこそ、現在でもこんなに心に響くのでしょうね〜 以下は 2回目の2018年7月9日 鑑賞時の感想です。 この映画を「別に普通」と言う人もいるが、そりゃそうだ! この映画があったから、その後の殆どの娯楽アクションものが この映画をいわば真似してる訳で〜 「普通」を最初にを創り出したのがこの映画と言う事。 台詞が解らないと言う人もいる。そりゃそうだ! そもそも50年前の映画なのだから50年も過ぎれば言葉も変わっちゃうし 日本語スキルが劣化した私らに合わせた台詞は一言も無い。 それなのに地球上で1億強しか話さない原語の映画が 世界で同時多発的に色んな国の映画人から賞賛されている訳で、 要するに少々セリフが解らなくとも 真面目に観れば、ちゃんと解るように作られてるんだよ! 名作名作と構えずに気楽に観たら良い! 面白い娯楽作品なんだから〜! 福田里香氏の「フード理論」の最高峰は「七人の侍」である! と言う評論を耳にして、改めてこの作品を観ると 食べる事=生きる事の重さが胸に迫って来る。 作ってる自分たちでさえ一粒も口に出来ない一番大事な米を 差し出すしかない農民と、そんな農民の困窮を見兼ねて 出世にも俸禄にもならない仕事を引き受けた侍達の矜持と、 意義ある死に場所を求める気持が合致して話が進んで行く。 侍の話だけでなく、農民たちの困窮しながらも 実はしたたかに生き抜く狡猾さも描かれている。 死にかけの落ち武者を竹槍で追い回して奪った槍や兜〜 決戦前夜、いつのまにやら始まった酒盛りや 若い性の暴走などは誰にも止められない〜 生きるとは、綺麗事では無く、時には人を欺いたり 文字通り命がけなのだと、観るものに伝わってくる。 実は農民の出である三角じるしの菊千代が目指すものは 「本当の侍」になること。 だから勘兵衛に「本当の侍」の理想を見てついて来たのであり 久蔵の振る舞いを褒め称える勝四郎の「本当の侍」の言葉に 触発されて、逆に「本当の侍」にあるまじき行為を行なってしまう。 その反省が、最後は彼を「本当の侍」にしたのだと思う。 今回改めてやっぱ三船敏郎って凄いな〜〜 圧倒的な存在感と、大きな動き、豊かな表情! そして画面全体を照らし出す、溢れる様な愛嬌!! 彼の愛嬌があればこそこの映画が単に重い話で終らず、 メリハリのある活劇になってるんでしょうね。 こんな役者は今のハリウッドを含めてもちょっと居ない気がする。 1回目が2016.10.19日でした。 今回2度目だけど、2度目だからこそ 前回見落としていた部分を再確認しました。 本当に中身が詰まってます。 @もう一度観るなら? 「定期的に映画館で!(笑)」
傑作
午前10時の映画祭で見た。
3回目ぐらいだったが、こんな最後だったっか?
三船敏郎演じる菊千代が生き残るストーリーの記憶だったんさ。
・とある貧しい村が対野武士に備え飯食わせるからの理由で七人の侍を雇う。
・生き残るのは3人
・三船敏郎は百姓の出で、百姓の自分を皮肉ったセリフが心に残った。
・
日本映画の極地点
洋画では『アラビアのロレンス』、邦画ではこの作品が、個人的な永遠のベストムービーです。いま改めて観ると、1954年製作とは思えない斬新でリアルな設定です。時代劇なのにヒーローは存在せず、戦術や殺陣も乾いたようなリアル感満載で、登場人物が戦死するシーンもあっさりしてる所がクールです。今回、大画面の4Kデジタル映像で観られたのは嬉しかったです。TVドラマの延長やマンガの映画化ばかりでなく、優れた作品をリマスターして公開する文化的意義は大きいですね。
孤高の領域にある映画。
午前10時の映画祭で4Kデジタルリマスター版を鑑賞、やはり映画は大画面でなければならないことを改めて感じた。 何度も見慣れた作品なんだけど、観る度に新たな発見と感動を与えてくれますね。 今回の鑑賞ではダーウィンの進化論を思い出しました。 生き残るのは強い種(侍)ではなく、変化する種(百姓)である。
ん"ん"〜ん"ん"〜ん"〜♪
. 七 人 の 侍 監 督 黒 澤 明 世界中の映画人のリスペクトを集めた本作品。死ぬまでに一度は観ておこうと思い出掛けましたが‥207分‥いや、長い🕜 野武士から村襲いますよと告知があり、用心棒のメンバー集めに1時間 〜 村人の態勢を整えるのに1時間(ここ結構寝落ちしちゃいました😪) ~6分の🚻休憩を挟み~ 波乱含みの結末に向かって物語はクライマックスへ〜。 まあ飽きないようテンポよく工夫された展開ですが、さすがに白黒映像で、台詞の5~6割方がはっきり聞き取れない上に長い!となれば少々喰い付けなくても許されたいところ😑≺字幕付けろ~) それと三船さん演ずる菊千代がまさに「なんかゴメンね‥、、私いちいち動きが大きい人苦手なの…」と言いたくなるキャラで、もう一挙手一投足がウザくて堪りません!😣カンベン!! あと岡本勝四郎が松岡修造氏に見えたり、片山五郎兵衛がLUNA SEA真矢氏に見えたり見えなかったり‥。 なるほど、敗戦を生き残り続けるというのも腕も頭もあってのことなのですな~🤔 『スターウォーズ』から遡ってルーツ鑑賞してみたのですが、そんな映画通でもないので、観終わった自分の中を探ってもこんな浅い感想しかなくて面目ないっス🤦🏻♂️ でも久し振りに、劇中の小高い山のロケ地巡礼なんかをしてみたいな〜という気分になりました。しかしネット上に既に先達が足を運んだ紹介ページがあり、そこで現在の現地風景を見ましたが、そこらの田舎と似たり寄ったりの景色で行ってもそれほど感慨も湧かなさそうでしたので止めときます。 追記:三船さんの経歴を見て、彼が惜しくも米国からのSW出演オファーを何度も断っていたのは、先の大戦で兵役に就き辛酸を嘗めさせられた悔しい思いも幾分あったためだろうかな‥とふと思うのであります🤔
2種類ある「七人の侍」を両方とも観てるが......
‘70年以降に、「荒野の七人」のリバイバル上映人気の頃に名画座で観ることが出来たのは、160分の海外版「凱旋公開」バージョンのみ。 当時のクロサワは、「荒野の用心棒」事件から始まった東宝との確執と、「トラ・トラ・トラ」降板事件でキチ◯イ扱いされて殆ど業界追放状態に近く映画も撮れない状況となっていた事から(三船乱入仲違い事件と自殺未遂事件もあり)この映画のオリジナル版の事なんて、最早どうでも良くなっていた東宝には既に全長版など「現存しておらず」、鑑賞不能作品になっていた。 その頃はほぼ、クロサワは忘れられた過去の人状態だったから、世間も誰も何とも思ってなかった。 その後、’70年代も後半になり、例のコッポラ、ルーカスやスピルバーグなどのUCLA組が、「クロサワ、我が師よ。」と持ち上げた事から状況は一変。 しかし、金になるからとクロサワ・フェスティバルみたいに作品の連続上映組んでも、この作品だけできない。 それでそれから慌てて日本中探し回って断片でもなんでもかき集めて来てなんとか「復元バージョン」作ったのが、現在公開してる素材なので、これで本当に元どおりになってるのかは、わかりません。 という訳で、実は「名作としてずっと大事に保存され続けてきた作品」などというには程遠い扱いを受けた作品だったのだ。 元の版がぞんざいな扱いを受けたのは、海外の映画祭で受賞したのは「海外版」だったから、と言う事も関係してるかもしれない。 時間的にも適度な長さで、途中休憩もなく、上映する側にはムシロ都合が良かったとも考えられるし。 内容的には、「ニューシネマパラダイス」の両バージョンとの関係に似ていて単なる短縮版ではなく、菊千代が中心のような印象の新編集が施されていたようだが、その後「復元版」が作られてそれを観るまでに10年以上経過してしまっていたため、ハッキリとは比較できないが、当時の印象は、先に『荒野の七人』を観ての興味から鑑賞したものの、「白黒映画だったのに、そんな事を感じさせなく、すごく面白かった」と強く感じた事。 今回、「復元版」を更に4K修復したもので、前回から30年ぶり位に劇場で観た。 名作の輝きは、やはり劇場で観てこそだと改めて感じるとともに、スマートに編集されていたように思われる十代の頃に観た海外版のことを懐かしく思う。 (残念ながら立場逆転になってしまい、現在は「海外版」の方が封印状態に近い扱いとなり鑑賞不能らしい.....) ポスターのビジュアルも、現在の物は「復元版」公開時のもので、「海外版凱旋公開」時のものがベースになっている感じ。 オリジナルのものはもっと明るい感じで、菊千代が中央で刀を振りかざして立っているもので、志村喬以外の他の顔ぶれは扱いも小さく、むしろ志乃役の津島恵子の顔が大きく写っていて、この順番にこの三者が主役扱いだったということが分かる。 また『侍のテーマ』の歌付きバージョンも好きです。 何度聴いても泣ける歌詞で、生涯ベストの一つの大好きな曲です。
な、長い~
荒野の七人がすごく大好きなのですが本家の方は未観賞でした 面白かったけど長い、、、七人揃うまで、と言うか一人目が依頼を受けてくれるまでがまず長い、野武士が攻め入って来てからもすっと決着がつくわけでなく結構ひっぱる、侍の活劇だけでなく百姓たちもしっかり描写していたのはこの映画のキモなので必要だし飽きずに見られるのだが間延びしているだけのシーンもけっこう有ったような… とはいえ素晴らしい映画には違いない、映画全体はバランスが神がかっていると思う、それも調和が取れているというより相反するものがパズルのように噛み合っているという感じ、最近の、というかほとんどの時代劇って侍を必要以上に美化して武士道とか忠義とかそれらしい言葉でごまかしているけど実際階級社会に蔓延る人殺し集団でしかない、この映画は侍をまったく美化していないので舞台設定はこれ以上ないほど悲惨、そのままだと鬱々とした駄目な日本映画のお手本になりそうなところを三船敏郎の剽軽さが救っている、牧歌的なシーンが絶妙だからそこシリアスなシーンの短気だが気のいい侍の悲痛な叫びが胸を打つ 侍を美化せず、かといって百姓もずる賢く残忍な面も描いた甘くない世界で、それでも人間として正しいことをする者が主人公足り得る、いろいろなことを見るものに訴えかけてくる社会性の高い作品だと思う 同時にユーモアがしっかり盛り込まれていて面白い映画でもある、このユーモアが名作には重要なのかもしれない
日本映画史上最高傑作!
これも5回以上観たであろう、午前十時の映画祭、黒澤明監督「七人の侍」@TOHOシネマズ日本橋。 何度観ても飽きずに涙する、言わずもがな日本映画の史上最高傑作である。 映像美、リアリズム、早坂文雄の音楽、鬼気迫る三船敏郎、「生きる」と並び日本映画史上最高の演技の志村喬、「羅生門」もそうだったが、登場する女性のつよい眼差し、映画のメイン舞台のリアリスティックな設定、そして画面から迸る黒澤節の圧倒的な演出力。 「アラビアのロレンス」に十分比肩する、「日本の宝」もとい、これも「人類の宝」である。 (欠点は、台詞が聴き取りにくいこと、くらいか) この作品が、キネマ旬報ベストワンでなく、オスカーを獲っていないだけでも、評論家とか、賞とか、全く当てにならない証拠。 映画館で上映される度、観るべき作品。 最近流行の格差表現にしたって、この映画の菊千代(三船敏郎)の叫びのほうがよっぽど心に響く。
まさかここまで面白いとは。3時間半があっという間だった。 野武士と...
まさかここまで面白いとは。3時間半があっという間だった。 野武士と闘う為に百姓たちは侍を雇う。話はシンプル。 三船敏郎はじめ個性的な七人の侍たちがいい、人間的にいい。まとめる志村喬のリーダーシップ、こんな上司の下で働きたい(笑) 仄かな恋、百姓の苦悩、チームワーク、とにかくいろんなものが詰まっている。 平八が利吉を気遣う場面がなんか好きだ。 「話す…というのはいいもんでな。どんな苦しいことでも話をすると少しは楽になる…」 今見てもこんなに面白い作品、昔の方には最高の娯楽だったのでは。劇中の休憩時間、何してたんだろ(笑)
子々孫々
この作品の影響を多かれ少なかれ受けた作品群、言わば子孫たちを意識することなく浴びてきているわけだが、そんな映画史的な意義を無視してもめちゃめちゃ面白い娯楽作品! そして観終われば色んな映画(に限らないが)のいろんなシーンで、ハハーンと訳知り顔でニヤニヤできるオマケが付いてくるということ。
全132件中、41~60件目を表示